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内弟子物語 第Ⅳ話 怪我24
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龍田は、逆に質問されるとは思ってもいなかった。いずれの場合も激痛を伴う、突然起こったトラブルという点で、同じようなことと考えていたのだ。同時に、整体術に対して何でもできる魔法の技術的な見方をするところがあったので、堀田のケースでもすぐに対処できると思っていた。
だから藤堂の質問に対して、龍田からの答えは出なかった。
「ギックリ腰になった木村さんの場合、ちょっと身体を移動しようとした時、変な動かし方をしたために起こったことだが、堀田君の場合は強い外力が加わった。だから、その外力がどのように作用しているのかしっかり見極めなければ、誤った対処につながる可能性がある。まず病院で、きちんとしたチェックを行なう必要があるんだ」
ここで藤堂は話にちょっと間を置いた。そして、内弟子一人一人の表情を見て、今の話がそれになりに理解されているかを確認したのだ。
続けて、よく勘違いをするケースについても言及した。
「同じようなことに突き指があるが、これも武術の稽古ではつきものだな。すぐ引っ張る人がいるが、場合によっては骨折など骨自身にダメージがあることもある。うかつにやると、後で大変なことになるかもしれない。しっかり状況を見極めて、というのはそういう失敗をしないための配慮なんだ。その場で結果を出そうとして、きちんと状況を見ずに余計にひどくするようでは、活法術や癒しをやる者として失格だ」
実はあの時、龍田に限らず、藤堂が何らかの対処をするだろうと期待する心が、内弟子の中にあった。当事者になっている堀田と高山にはその余裕はなかったが、他のメンバーの心には龍田と同じような考えが大なり小なりあったのだ。それがこの藤堂の説明で払拭された。藤堂はさらに続けて言った。
「しかし、ある程度症状がおさまったら、今回のような場合でも対応できる。それは回復を早めるための施術ということだ」
「どうやればいいんですか?」
高山が質問した。怪我をさせたのは自分だから、少しでも早く良くなることを願っていたので、この点について他の誰よりも聞きたかったのだ。
「では、実際にやってみようか。教室のほうに移動して」
藤堂の言葉に全員、整体術の実技教室のほうに行った。
一体、藤堂はどういう施術をするのだろう、という興味が全員に強く湧いた。もちろん、中でも当事者である堀田と高山の関心が高いことは言うまでもない。それこそ目を皿のようにして、藤堂を見ている。
「では、堀田君。まず現在の状態を聞いておこうか」
「はい、腫れはずいぶん引きました。みんなに見せるのは恥ずかしいので勘弁してほしいのですが…」
堀田の言葉に大爆笑になった。
「それから痛みが少し残っています。何かやるのに支障がある、といったものではありませんが」
「そうか。では、その痛みが今よりも軽減すると、気持ち的にはずいぶん軽くなるな。腫れに関してはやってすぐに引くというものではないが、何もやらないよりは早く引くはずだ」
この言葉に、みんなの関心は最高潮に達した。モデル役になる堀田は早く稽古に復帰したい気持ちで一杯なため、早くやってほしいと切実に願っていた。
だから藤堂の質問に対して、龍田からの答えは出なかった。
「ギックリ腰になった木村さんの場合、ちょっと身体を移動しようとした時、変な動かし方をしたために起こったことだが、堀田君の場合は強い外力が加わった。だから、その外力がどのように作用しているのかしっかり見極めなければ、誤った対処につながる可能性がある。まず病院で、きちんとしたチェックを行なう必要があるんだ」
ここで藤堂は話にちょっと間を置いた。そして、内弟子一人一人の表情を見て、今の話がそれになりに理解されているかを確認したのだ。
続けて、よく勘違いをするケースについても言及した。
「同じようなことに突き指があるが、これも武術の稽古ではつきものだな。すぐ引っ張る人がいるが、場合によっては骨折など骨自身にダメージがあることもある。うかつにやると、後で大変なことになるかもしれない。しっかり状況を見極めて、というのはそういう失敗をしないための配慮なんだ。その場で結果を出そうとして、きちんと状況を見ずに余計にひどくするようでは、活法術や癒しをやる者として失格だ」
実はあの時、龍田に限らず、藤堂が何らかの対処をするだろうと期待する心が、内弟子の中にあった。当事者になっている堀田と高山にはその余裕はなかったが、他のメンバーの心には龍田と同じような考えが大なり小なりあったのだ。それがこの藤堂の説明で払拭された。藤堂はさらに続けて言った。
「しかし、ある程度症状がおさまったら、今回のような場合でも対応できる。それは回復を早めるための施術ということだ」
「どうやればいいんですか?」
高山が質問した。怪我をさせたのは自分だから、少しでも早く良くなることを願っていたので、この点について他の誰よりも聞きたかったのだ。
「では、実際にやってみようか。教室のほうに移動して」
藤堂の言葉に全員、整体術の実技教室のほうに行った。
一体、藤堂はどういう施術をするのだろう、という興味が全員に強く湧いた。もちろん、中でも当事者である堀田と高山の関心が高いことは言うまでもない。それこそ目を皿のようにして、藤堂を見ている。
「では、堀田君。まず現在の状態を聞いておこうか」
「はい、腫れはずいぶん引きました。みんなに見せるのは恥ずかしいので勘弁してほしいのですが…」
堀田の言葉に大爆笑になった。
「それから痛みが少し残っています。何かやるのに支障がある、といったものではありませんが」
「そうか。では、その痛みが今よりも軽減すると、気持ち的にはずいぶん軽くなるな。腫れに関してはやってすぐに引くというものではないが、何もやらないよりは早く引くはずだ」
この言葉に、みんなの関心は最高潮に達した。モデル役になる堀田は早く稽古に復帰したい気持ちで一杯なため、早くやってほしいと切実に願っていた。
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