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第3章 王立魔法学校入学編

156 授業1日目⑥

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説明回って難しい…
説明につじつまが合わない部分がある場合は、恐れ入りますがお知らせください。
修正致します。

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「詠唱は魔法を発動する際に精霊様に魔法のイメージをわかりやすく伝えるための手段であり、イメージが明確であれば詠唱がなくとも魔法は発動する。そのためか無詠唱で魔法を使える事が熟練者の証などと言うものも多い。嘆かわしいことだよ」

ケリー先生は肩をがっくりと落とすと、深いため息をつく。

「確かに詠唱は魔法の発動に時間がかかるし、周りに自分が何の魔法を使うのか宣伝しているようなものだ。だが、しかしっ!それを補って余りあまるほど利点があるのだ!相性度が低い属性でも詠唱があれば魔法を使うことができるし、無詠唱よりも魔力の消費が少なく、なのに威力も大きいっ!」

ケリー先生は瞳をキラキラ輝かせながら、詠唱についての先生の考えを話してくれた。
その様子はフェ様が精霊様のお話をするときと似ていて、本当に詠唱について話すのが楽しいみたいだった。

「そもそも上級魔法を無詠唱で使えるものなんてほぼいないんだ。もっと詠唱は評価されるべきなんだよ!」

ケリー先生の詠唱に対する熱意はすごく、私たちは圧倒されてしまい言葉がでない。
そんな私たちに気づくことなく、ケリー先生は熱に浮かされたように話に没頭していく。

「そして何よりここが肝心なんだが…」
「「「「「「ごくりっ」」」」」」
「同じ魔法でも、詠唱の文面で魔法の威力が変わるんだ」
「「「「「「ええっ⁉️」」」」」」

衝撃的な事実を告げられてビックリする。
本当にそんなことってあるのかな?

「ふふんっ!まぁ、見ててごらん!まずは、基本の詠唱から」

ケリー先生はそう言うと、手のひらを上に向ける。
 
「岩よ来たれ、ロック」

ポトン

するとケリー先生の片手に収まるぐらいの石が現れた。


「な?ショボいだろ?」
「「「「「「「・・・」」」」」」」

た、確かに。
でも、さすがにそうですねとは言えず、みんなで黙りこんでしまう。

「僕は土魔法の相性は最低ランクのため、初級魔法ですらこのようにお粗末なものだ。だが、しかぁしっ!次は詠唱にアレンジを加える!するとどうなるか?今から諸君にお見せしよう!」
「「「「「「「ごくりっ  」」」」」」」

ケリー先生の魔法をみんなで固唾を飲んで見守る。


「我は磐石を望むものなり!我がかいなに来たれ、ロック!」

ケリー先生の詠唱が終わると同時にケリー先生の広げた両腕の中に巨大な岩が出現する。

ズシンっ

「ぐふっ!」

ドスッ、メキッ、メキッ、ズシンっ!べちゃっ!

あまりの重さに支えきれず、ケリー先生は岩ごと教壇に倒れ込むと、教壇は真っ二つに割れてしまった。

「いててっ」
「「「「「「・・・」」」」」」」
「こ、こほんっ!このように詠唱によっては自分の苦手な属性でも十分な威力をあげられる可能性があるのだ!」
「「「「「「・・・」」」」」」
「え?あれ?凄くなかった?あれ?あれれ?」
「「「「「「うっ」」」」」」
「う?」
「「「「「「うわぁぁっ!」」」」」」

すごいっ!すごいっ!詠唱でこんなに威力が違うなんてっ!

「俺っ!詠唱学を選択して良かった!」
「俺もーっ!」
「先生っ!詠唱ってすごいんですねっ!」
「そ、そうなんだよっ!詠唱は素晴らしいんだ!」

最初は私たちの様子を不安そうに見つめていたケリー先生だったけど、私たちが興奮ぎみに一斉に話し出すと、すぐに自信を取り戻した。

「でも、なぜ詠唱でそんなに違いがでるんですか?」
「良い質問だね!僕は精霊様が深く関わっていると思うんだ!!」
「「「「「精霊様が?」」」」」
「そうだよ!精霊様は格好いい詠唱であればあるほど、精霊様たちは喜んで協力してくれるんだ!」

まさか、そんなことがっ!
思わずモスを見ると、少し不本意そうな顔で教えてくれた。

『下級精霊はそういうところがありますね。いや、でも風の精霊や火の精霊なら上級精霊でもあり得るか…』
「にっ」
『私ですか?サラ様のためなら、どんな詠唱でも無詠唱でも、協力しますよ』
(あ、ありがとう)

真面目な顔で言われて、思わず照れてしまう。いけないっ、授業に集中しなくては。

「君たちにはこれからの授業で苦手な属性魔法のオリジナルの詠唱を考えてもらう!詠唱で威力をどこまで上げれるか、頑張って考えよう!」
「「「「「「はいっ!」」」」」」


あれ?苦手な属性のない場合はどうすれば良いのかな?






*****************


おまけ

(モスはどんな詠唱だと嬉しい?)
『私ですか?そうですね…』

サラの質問にモスは少し悩んだ後、これしかないという表情で話し出す。

『壊滅せよ、ですかね。サラ様が私にそう命じ…、詠唱してくだされば私の全ての力を使って敵を完膚なきまで叩きのめして見せましょう!』
(・・・)

少しモスのことがわからなくなったサラだった。



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