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第3章 王立魔法学校入学編
150 入学式④
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みんなで選択授業を書いたプリントをモニカ先生に提出しにいく。
「「「お願いします」」」
「うむ」
モニカ先生は私のプリントに目を通したときだけ、「光魔法を選ぶのか」と驚いていた。
やっぱり、精霊様達と同じ属性の魔法を選択しないのはおかしいかな?
でも、選択授業に関してはそれ以上は特に言われることはなかった。
席に戻って帰り支度をしていると、アミーちゃんの隣の席の女の子に声をかけかれる。
「あの!もう、選択授業は決まったのぉ?」
教室にいる全員が私を遠巻きに見つめる中、初めて声をかけてくれたのは、黄色の瞳に若葉色の髪の女の子だった。緊張しているのか、両手をぎゅっと握りしめていて、頑張って声をかけてくれたのがよくわかった。
「うん、決まったよ。あなたは?」
女の子の緊張していた顔がふにゃりと緩む。
「うん、わたしもぉ!それで、さっき詠唱学をとるって聞こえて、わたしも同じなんだぁ。だから、一緒だねって言いたくなってぇ」
「そうなんだ!」
「俺もとってるぜ」
詠唱学と聞いて、ハル君も会話に参加する。アミーちゃんとキャシーちゃんは詠唱学にあまり興味がないみたいだから嬉しいな。
「そうなのぉ?あ、わたしはエミリって言うのぉ。みんなのお名前は?」
「俺はハル!」
「アミーよ。よろしく」
「キャシー、です」
「サラだよ」
みんなでエミリちゃんに自己紹介をしたら、何故かエミリちゃんは両手で口許を押さえてクスクス笑っている。
「サラちゃんの事はみんな知ってるよぉ」
どうやら、私が自己紹介をしたのが面白かったらしい。
確かに、全生徒のいる前で自己紹介したわけだから、私を知らない人なんてこの学校にはいないか。
「えへへ。そうだね」
「そうだよぉ」
「エミリ!」
エミリちゃんとはすっかり打ち解けて、みんなで仲良くお話をしていたら、エミリちゃんを呼ぶ声が。
「あ、レイラちゃん」
「もう書き終わったんでしょ?帰るよ」
声の主は先程モニカ先生に真っ先に質問していたレイラちゃんだった。
エミリちゃんとレイラちゃんは友達だったみたいで、一緒に帰ろうと声をかけに来たようだ。
「あのね、サラちゃんたちとお話ししてたのぉ。レイラちゃんも一緒にお話ししよっ」
「私はいい」
レイラちゃんは私の顔をちらりと見た後、エミリちゃんの誘いを一蹴した。
レイラちゃんはどうやら私と関わりたくないようだ。心当たりは全くないけれど、何か気に障るようなことしちゃったのかな?
でも、今日が初対面のはずだし…。
「どおしてぇ?あのね、レイラちゃんはね、学生寮の部屋が隣同士で仲良くなったの。とってもしっかりしてて、頼りになるんだぁ。レイラちゃんにも紹介するね。サラちゃんとアミーちゃん、キャシーちゃんにハル君だよ」
「「「よろしくね」」」
「よろしくなっ」
エミリちゃんはレイラちゃんの両手に自分の両手を重ねると、私たちに紹介してくれたけれど、その間もレイラちゃんはこちらを決して見ようとはしなかった。
「私は仲良くする気はないから」
「どおしてぇ?」
エミリちゃんの質問にようやく私の方を見てくれたと思ったら、思いがけない言葉を投げ掛けられる。
「貴女には負けないから!」
「あ、レイラちゃんっ」
レイラちゃんは私にそう宣言すると、颯爽と教室をあとにする。
置いてかれた形になったエミリちゃんはしばらく呆然とした後、レイラちゃんのかわりに私に謝ってくれた。
「レイラちゃんがごめんねぇ」
「ううん、私こそ知らない内に何か気に障るようなことしちゃったのかも」
レイラちゃんとも仲良くしたかったんだけどなぁ。しょんぼりしていると、アミーちゃんが肩をポンポンと優しく叩いてくれた。
「何となく理由はわかるから大丈夫よ」
「え⁉️アミーちゃんはわかるの?」
「まぁね。エミリちゃんは早く彼女の事を追いかけた方が良いわよ。多分、待ってるから」
「う、うん。ありがとぉ。じゃあ、またね」
「うん、またね」
エミリちゃんも理由を知りたそうにしていたけれど、レイラちゃんの事も気になったみたいで、そのまま教室を出ていく。
「あ、レイラちゃん、待っててくれたんだぁ!」
アミーちゃんの予想通り、レイラちゃんは廊下で待ってたみたいで、エミリちゃんがレイラちゃんに呼び掛ける声が教室にいても聞こえた。
「ねえ、理由ってなんなのよ?」
「あれは対抗心ね」
「「「対抗心?」」」
心当たりがなくって首をかしげると、アミーちゃんが詳しく教えてくれた。
「レイラって子、宮廷魔術師になりたいって言ってたでしょ?この学校を卒業したとしても宮廷魔術師になれるとは限らないから、自分よりも宮廷魔術師になれる可能性の高いサラちゃんをライバル視してるんじゃないかな」
「そっか、サラは加護持ちだもんな」
「だからって、あの態度はどうなの?嫌な感じ!」
「嫌ってるって感じではなかったから大丈夫よ。それよりもキャシーの方が最初は感じ悪かったわよ」
「あ、あれは、謝ったじゃない!」
レイラちゃんの態度に憤慨していたキャシーちゃんが慌てたように弁明するのをアミーちゃんはあっさりと聞き流す。
「そう言うわけだから、サラちゃんもあまり気にしない方が良いわよ。キャシーとも仲良くなれたんだし、レイラとも仲良くなれるよ」
「うん」
アミーちゃんの言葉に少し救われた気がした。レイラちゃんの本心はまだわからないけれど、アミーちゃんの言った通り、嫌われてる訳じゃないと良いな。
少し気持ちが浮上したところで、こちらをうずうずした様子で見ていた子達に囲まれてしまった。
「ねぇ、精霊様の事、色々聞いても良い?」
「う、うん」
「やったー!」
「あ!抜け駆けはずるいぞ!」
「どうしたら複数の精霊様から加護をもらえるの?」
「加護持ちになると精霊様の姿が見えるようになるって本当?」
一度にたくさんの子達から質問されて、誰の質問に答えれば良いか悩んでいると、アミーちゃんたちがその場をしきってくれた。
「お前らちょっと落ち着けって」
「サラちゃんは一人しかいないんだから、質問は順番にしてあげて」
「質問は一人につき一つまでね!」
みんなが落ち着いたところで、一人一人の質問に答えていく。
それは、モニカ先生が教室の戸締まりをするからと言って教室から出されるまで続くのだった。
「「「お願いします」」」
「うむ」
モニカ先生は私のプリントに目を通したときだけ、「光魔法を選ぶのか」と驚いていた。
やっぱり、精霊様達と同じ属性の魔法を選択しないのはおかしいかな?
でも、選択授業に関してはそれ以上は特に言われることはなかった。
席に戻って帰り支度をしていると、アミーちゃんの隣の席の女の子に声をかけかれる。
「あの!もう、選択授業は決まったのぉ?」
教室にいる全員が私を遠巻きに見つめる中、初めて声をかけてくれたのは、黄色の瞳に若葉色の髪の女の子だった。緊張しているのか、両手をぎゅっと握りしめていて、頑張って声をかけてくれたのがよくわかった。
「うん、決まったよ。あなたは?」
女の子の緊張していた顔がふにゃりと緩む。
「うん、わたしもぉ!それで、さっき詠唱学をとるって聞こえて、わたしも同じなんだぁ。だから、一緒だねって言いたくなってぇ」
「そうなんだ!」
「俺もとってるぜ」
詠唱学と聞いて、ハル君も会話に参加する。アミーちゃんとキャシーちゃんは詠唱学にあまり興味がないみたいだから嬉しいな。
「そうなのぉ?あ、わたしはエミリって言うのぉ。みんなのお名前は?」
「俺はハル!」
「アミーよ。よろしく」
「キャシー、です」
「サラだよ」
みんなでエミリちゃんに自己紹介をしたら、何故かエミリちゃんは両手で口許を押さえてクスクス笑っている。
「サラちゃんの事はみんな知ってるよぉ」
どうやら、私が自己紹介をしたのが面白かったらしい。
確かに、全生徒のいる前で自己紹介したわけだから、私を知らない人なんてこの学校にはいないか。
「えへへ。そうだね」
「そうだよぉ」
「エミリ!」
エミリちゃんとはすっかり打ち解けて、みんなで仲良くお話をしていたら、エミリちゃんを呼ぶ声が。
「あ、レイラちゃん」
「もう書き終わったんでしょ?帰るよ」
声の主は先程モニカ先生に真っ先に質問していたレイラちゃんだった。
エミリちゃんとレイラちゃんは友達だったみたいで、一緒に帰ろうと声をかけに来たようだ。
「あのね、サラちゃんたちとお話ししてたのぉ。レイラちゃんも一緒にお話ししよっ」
「私はいい」
レイラちゃんは私の顔をちらりと見た後、エミリちゃんの誘いを一蹴した。
レイラちゃんはどうやら私と関わりたくないようだ。心当たりは全くないけれど、何か気に障るようなことしちゃったのかな?
でも、今日が初対面のはずだし…。
「どおしてぇ?あのね、レイラちゃんはね、学生寮の部屋が隣同士で仲良くなったの。とってもしっかりしてて、頼りになるんだぁ。レイラちゃんにも紹介するね。サラちゃんとアミーちゃん、キャシーちゃんにハル君だよ」
「「「よろしくね」」」
「よろしくなっ」
エミリちゃんはレイラちゃんの両手に自分の両手を重ねると、私たちに紹介してくれたけれど、その間もレイラちゃんはこちらを決して見ようとはしなかった。
「私は仲良くする気はないから」
「どおしてぇ?」
エミリちゃんの質問にようやく私の方を見てくれたと思ったら、思いがけない言葉を投げ掛けられる。
「貴女には負けないから!」
「あ、レイラちゃんっ」
レイラちゃんは私にそう宣言すると、颯爽と教室をあとにする。
置いてかれた形になったエミリちゃんはしばらく呆然とした後、レイラちゃんのかわりに私に謝ってくれた。
「レイラちゃんがごめんねぇ」
「ううん、私こそ知らない内に何か気に障るようなことしちゃったのかも」
レイラちゃんとも仲良くしたかったんだけどなぁ。しょんぼりしていると、アミーちゃんが肩をポンポンと優しく叩いてくれた。
「何となく理由はわかるから大丈夫よ」
「え⁉️アミーちゃんはわかるの?」
「まぁね。エミリちゃんは早く彼女の事を追いかけた方が良いわよ。多分、待ってるから」
「う、うん。ありがとぉ。じゃあ、またね」
「うん、またね」
エミリちゃんも理由を知りたそうにしていたけれど、レイラちゃんの事も気になったみたいで、そのまま教室を出ていく。
「あ、レイラちゃん、待っててくれたんだぁ!」
アミーちゃんの予想通り、レイラちゃんは廊下で待ってたみたいで、エミリちゃんがレイラちゃんに呼び掛ける声が教室にいても聞こえた。
「ねえ、理由ってなんなのよ?」
「あれは対抗心ね」
「「「対抗心?」」」
心当たりがなくって首をかしげると、アミーちゃんが詳しく教えてくれた。
「レイラって子、宮廷魔術師になりたいって言ってたでしょ?この学校を卒業したとしても宮廷魔術師になれるとは限らないから、自分よりも宮廷魔術師になれる可能性の高いサラちゃんをライバル視してるんじゃないかな」
「そっか、サラは加護持ちだもんな」
「だからって、あの態度はどうなの?嫌な感じ!」
「嫌ってるって感じではなかったから大丈夫よ。それよりもキャシーの方が最初は感じ悪かったわよ」
「あ、あれは、謝ったじゃない!」
レイラちゃんの態度に憤慨していたキャシーちゃんが慌てたように弁明するのをアミーちゃんはあっさりと聞き流す。
「そう言うわけだから、サラちゃんもあまり気にしない方が良いわよ。キャシーとも仲良くなれたんだし、レイラとも仲良くなれるよ」
「うん」
アミーちゃんの言葉に少し救われた気がした。レイラちゃんの本心はまだわからないけれど、アミーちゃんの言った通り、嫌われてる訳じゃないと良いな。
少し気持ちが浮上したところで、こちらをうずうずした様子で見ていた子達に囲まれてしまった。
「ねぇ、精霊様の事、色々聞いても良い?」
「う、うん」
「やったー!」
「あ!抜け駆けはずるいぞ!」
「どうしたら複数の精霊様から加護をもらえるの?」
「加護持ちになると精霊様の姿が見えるようになるって本当?」
一度にたくさんの子達から質問されて、誰の質問に答えれば良いか悩んでいると、アミーちゃんたちがその場をしきってくれた。
「お前らちょっと落ち着けって」
「サラちゃんは一人しかいないんだから、質問は順番にしてあげて」
「質問は一人につき一つまでね!」
みんなが落ち着いたところで、一人一人の質問に答えていく。
それは、モニカ先生が教室の戸締まりをするからと言って教室から出されるまで続くのだった。
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