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第2章 王都へ
85 マール町⑥
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「にゃーん」
ぺろぺろ
マーブルに顔をなめられる。
「んん?もう、朝?」
「にゃんっ」
マーブルに起こしてもらい、目を開けると、正面にはリードの顔があった。
精霊様ってなんで朝起きると私の顔を見てるのかな?
首をかしげつつ左右を見ると、アミーちゃんとキャシーちゃんがすやすやと眠っていた。
『姐さん、おはよう』
「おはよう。そっか、あのまま寝ちゃったんだ」
いつ寝たのか記憶が全くないけど、私たちの体の上には布団がかけてあった。
シーラさんがかけてくれたのかな?
シーラさんは既に起きていて、椅子に腰掛けてお茶を飲んでいた。
「あら、もう起きたの?」
「あ。おはようございます」
私が起きたことに気づいたシーラさんに声をかけられる。
「あの、布団ってシーラさんがかけてくれたんですよね?ありがとうございます」
「ふふ。お風呂から出たら三人で仲良く寝ていて、とっても可愛かったわよ」
二人を起こさないように、そーっとベットから出て、シーラさんのそばに寄り、お礼を言う。
「まだ30分は寝てて大丈夫よ」
「いつもこのぐらいの時間に起きてるので、大丈夫です」
顔を洗い、服に着替えてからマーブルにお水をあげる。
マーブルがお水を飲んでいる姿を見ていると、アミーちゃんたちもベットから起き出してきた。
「おはようっ!」
「おはよう...」
アミーちゃんは元気よく、キャシーちゃんは目をつぶりながら挨拶してくれる。
キャシーちゃんは朝が弱いのかな?
「二人ともおはよう!」
「おはよう」
シーラさんと一緒に二人に挨拶する。
キャシーちゃんが転ばないように、アミーちゃんが手を引いて洗い場まで連れていく。
心配になって、私も二人についていく。
「キャシーちゃん、一人で大丈夫?」
「ん...」
キャシーちゃんはいまだ目を閉じたままだけど、意外にしっかりとした足取りで洗い場にたどり着くと顔を洗い、朝の準備をしていく。
準備が終わる頃にはいつものキャシーちゃんになっていた。
「朝食もアランたちの部屋で食べることになっているから、準備ができたら行きましょうか?」
「「「はいっ」」」
部屋をでで、アランさんたちのいる部屋に向かう。
コンコンコン
「はい」
「シーラよ。入るわね」
部屋にはいると、何故かそこにはフェ様がいた。
お誕生日席に座って、アランさんがいれたお茶を優雅に飲んでいる。
「神官長様っ⁉️」
「皆さん、おはよう」
シーラさんも知らなかったみたいで、驚きの声をあげる。
「「「「おはようございます」」」」
「悪いがここに避難させてくれ。さすがに朝からこの教会のグラッド神官長にまとわりつかれるのはうんざりするからな」
フェ様は言葉通り、心底うんざりした顔で言った。
『夕飯時もずーっと賛美を聞かされてたなら、うんざりするのもわかるな』
リードが同情の眼差しでフェ様を見ている。昨日も言ってたけど、本当に大変だったんだなぁ。
「私たちは良いですが、神父様がいらっしゃったら、ここにいる事がばれてしまうのでは?」
「神官長にばれなければ、どうとでもなる。どちらにせよ別れの挨拶はしなければならないのだから、それまではそっとしておいて欲しいものだ」
そう言って、深くため息をつくフェ様は相当お疲れのようで、それ以上アランさんもなにか言うことはなかった。
私たちも席をついて、しばらくすると神父様が朝食を持ってやってきた。
フェ様の顔を見て、一瞬ぎょっとした顔をするけど、すぐに落ち着きを取り戻し朝食を机の上に置いていく。
「フェビラル様もこちらで朝食をとられますか?」
「ああ。頼めるかね?」
「かしこまりました」
「出発前には挨拶にうかがうから、グラッド神官長には言わないでくれよ」
「は、はい」
すぐにフェ様の朝食も用意され、みんなで朝御飯を食べる。
「神官長様、俺たちもこの教会の神官長様に挨拶する際は、ご一緒させていただいても良いでしょうか?」
「一緒にいってくれるかね!」
フェ様はアランさんの言葉に瞳を輝かせる。
「はい。みんなで挨拶して、そのまま出発しましょう。君たちもそれで良いかな?」
「「「「はいっ」」」」
アランさんに私たちは同意する。
部屋を提供してもらったんだから、せめて挨拶ぐらいしないとねっ!
ご飯を食べ終わると、出発の準備のため、一旦部屋に戻る。
荷物を整理して、ベットを整え、部屋を綺麗にしたところで、部屋をあとにする。
既にアランさんたちは廊下で私たちを待っていた。
しばらく部屋の前で待っていると、フェ様が神父様と一緒にやって来る。
「じゃあ、挨拶に行こうか」
フェ様の号令で、この教会の神官長様のもとへ向かう。
確か名前は、グラッド神官長様だったよね?
リードから少しだけ話は聞いているけど、一体どんな人なのかな?
---
今年最後の投稿です。
近況ボードにて報告いたしましたが、1/1、2、3は親戚への挨拶巡りのため、お休みとさせていただきます。
楽しみにしていただいている方には申し訳ありません💦
1/4から通常通り投稿しますので、来年もよろしくお願いします。
皆様、良いお年をお迎えください。
ぺろぺろ
マーブルに顔をなめられる。
「んん?もう、朝?」
「にゃんっ」
マーブルに起こしてもらい、目を開けると、正面にはリードの顔があった。
精霊様ってなんで朝起きると私の顔を見てるのかな?
首をかしげつつ左右を見ると、アミーちゃんとキャシーちゃんがすやすやと眠っていた。
『姐さん、おはよう』
「おはよう。そっか、あのまま寝ちゃったんだ」
いつ寝たのか記憶が全くないけど、私たちの体の上には布団がかけてあった。
シーラさんがかけてくれたのかな?
シーラさんは既に起きていて、椅子に腰掛けてお茶を飲んでいた。
「あら、もう起きたの?」
「あ。おはようございます」
私が起きたことに気づいたシーラさんに声をかけられる。
「あの、布団ってシーラさんがかけてくれたんですよね?ありがとうございます」
「ふふ。お風呂から出たら三人で仲良く寝ていて、とっても可愛かったわよ」
二人を起こさないように、そーっとベットから出て、シーラさんのそばに寄り、お礼を言う。
「まだ30分は寝てて大丈夫よ」
「いつもこのぐらいの時間に起きてるので、大丈夫です」
顔を洗い、服に着替えてからマーブルにお水をあげる。
マーブルがお水を飲んでいる姿を見ていると、アミーちゃんたちもベットから起き出してきた。
「おはようっ!」
「おはよう...」
アミーちゃんは元気よく、キャシーちゃんは目をつぶりながら挨拶してくれる。
キャシーちゃんは朝が弱いのかな?
「二人ともおはよう!」
「おはよう」
シーラさんと一緒に二人に挨拶する。
キャシーちゃんが転ばないように、アミーちゃんが手を引いて洗い場まで連れていく。
心配になって、私も二人についていく。
「キャシーちゃん、一人で大丈夫?」
「ん...」
キャシーちゃんはいまだ目を閉じたままだけど、意外にしっかりとした足取りで洗い場にたどり着くと顔を洗い、朝の準備をしていく。
準備が終わる頃にはいつものキャシーちゃんになっていた。
「朝食もアランたちの部屋で食べることになっているから、準備ができたら行きましょうか?」
「「「はいっ」」」
部屋をでで、アランさんたちのいる部屋に向かう。
コンコンコン
「はい」
「シーラよ。入るわね」
部屋にはいると、何故かそこにはフェ様がいた。
お誕生日席に座って、アランさんがいれたお茶を優雅に飲んでいる。
「神官長様っ⁉️」
「皆さん、おはよう」
シーラさんも知らなかったみたいで、驚きの声をあげる。
「「「「おはようございます」」」」
「悪いがここに避難させてくれ。さすがに朝からこの教会のグラッド神官長にまとわりつかれるのはうんざりするからな」
フェ様は言葉通り、心底うんざりした顔で言った。
『夕飯時もずーっと賛美を聞かされてたなら、うんざりするのもわかるな』
リードが同情の眼差しでフェ様を見ている。昨日も言ってたけど、本当に大変だったんだなぁ。
「私たちは良いですが、神父様がいらっしゃったら、ここにいる事がばれてしまうのでは?」
「神官長にばれなければ、どうとでもなる。どちらにせよ別れの挨拶はしなければならないのだから、それまではそっとしておいて欲しいものだ」
そう言って、深くため息をつくフェ様は相当お疲れのようで、それ以上アランさんもなにか言うことはなかった。
私たちも席をついて、しばらくすると神父様が朝食を持ってやってきた。
フェ様の顔を見て、一瞬ぎょっとした顔をするけど、すぐに落ち着きを取り戻し朝食を机の上に置いていく。
「フェビラル様もこちらで朝食をとられますか?」
「ああ。頼めるかね?」
「かしこまりました」
「出発前には挨拶にうかがうから、グラッド神官長には言わないでくれよ」
「は、はい」
すぐにフェ様の朝食も用意され、みんなで朝御飯を食べる。
「神官長様、俺たちもこの教会の神官長様に挨拶する際は、ご一緒させていただいても良いでしょうか?」
「一緒にいってくれるかね!」
フェ様はアランさんの言葉に瞳を輝かせる。
「はい。みんなで挨拶して、そのまま出発しましょう。君たちもそれで良いかな?」
「「「「はいっ」」」」
アランさんに私たちは同意する。
部屋を提供してもらったんだから、せめて挨拶ぐらいしないとねっ!
ご飯を食べ終わると、出発の準備のため、一旦部屋に戻る。
荷物を整理して、ベットを整え、部屋を綺麗にしたところで、部屋をあとにする。
既にアランさんたちは廊下で私たちを待っていた。
しばらく部屋の前で待っていると、フェ様が神父様と一緒にやって来る。
「じゃあ、挨拶に行こうか」
フェ様の号令で、この教会の神官長様のもとへ向かう。
確か名前は、グラッド神官長様だったよね?
リードから少しだけ話は聞いているけど、一体どんな人なのかな?
---
今年最後の投稿です。
近況ボードにて報告いたしましたが、1/1、2、3は親戚への挨拶巡りのため、お休みとさせていただきます。
楽しみにしていただいている方には申し訳ありません💦
1/4から通常通り投稿しますので、来年もよろしくお願いします。
皆様、良いお年をお迎えください。
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