心のエンゲージ

鷹夜月子

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第1話 出会いの時

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「ここ?」
1人佇む少女。
彼女は“海月 輪廻(うみつき りんね)。25歳。
彼女の手には一枚のメモ紙が握られている。
そのメモ紙には”花咲精神科“と書いてあり、目の前にはまさにその病院があった。
彼女は介護士として働いていた。その職場で定期的にストレスや精神状態の確認の為、いくつかの質問が書かれている紙を渡され、マークシートに記入して提出しなければならないものがあり、輪廻は見事に引っかかり、鬱診断が出たのだ。その検査シートを出してくるのが花咲精神科病院なので強制的に行かされたというわけである。
「…帰りたい。どうせ行っても意味ない。」
輪廻はそうため息をつく。
輪廻がこうなのは昔にも似たようなことがあったからだ。
輪廻は小学校の時から虐めにあっていてカウンセリングを受けていた。
しかし、更に鬱になってしまったりと効果がないどころか悪化してしまったのである。
院内に入り、受け付けを済ませて待つ。
偶々なのか患者は輪廻だけですぐに診察室に通された。



「貴女が海月輪廻ちゃん?」
診察室に入ると、綺麗な銀髪の美人な先生が座っていた。
「私は院長の”水月 夏姫(みなつき なつき)。よろしくね。」
「あの…私は」
「…検査シート見たけれど重症ね。今から治療しますので診察台に横になってくれる?」
「え?」
「聞こえなかったかしら?横になってね」
「聞こえてます。けれど…その、横になる意味あります?」
「全身観察しないといけないもの。大体こういうとこに来る人って痣や怪我が多いの。」
「うー、わ、分かりました。」
いまいち納得いかないがとりあえずは従うしかない。
ベットに仰向けに寝ると夏姫は服に手をかけてきた。
「ちょ、何ですか!?」
「あら、言ったでしょ?全身観察しなきゃって。脱がないと見れないじゃない。」
「じ、じぶんでします。その、恥ずかしいです。」
「あら、女同士じゃない。」
「そういう問題じゃないですけど…」
輪廻は渋々服を脱ぐ。
「腕に内出血多数。傷も有り。」
夏姫は淡々とカルテに書き込んでいく。
「ちょ!?」
今度は下着に手がかかる。
「言ったでしょ、全身観察って。」
「全身って言ったけど限度が…きゃう!?」
下着が脱がされ胸をいきなり触られる。
「ふふ、大きくて柔らかい。」
「ちょ、いつまで触ってるんですか!」
ねっとりとした手つきで触られ背筋がゾクゾクする。
「んうっ」
キュッと胸の先端を摘まれ思わず身震いする。
「感度良好。」
「っ!!い、今のはいらないでしょ!?」
「どうしてそう思うのかしら?触診よ?あ、今から治療始めるからね。痛いかもしれないけど少し我慢よ?」
(痛い?注射かなにか?)
夏姫はいきなり輪廻へ覆いかぶさってきた。
「なっ!?ど、どいてください!」
押し退けようと試みるが夏姫の力が強く、敵わない。
「やっ!!」
陰部へと手が降りていて夏姫に触られる。
「あら?まだ何もしてないのにこんなに濡れて…。ふふ♪見られて感じちゃった?」
耳元でそう囁かれ吐息がかかり、背筋がぞくりと震える。
「こんなに濡れてるなら慣らさなくて良さそうね。」
夏姫はそう言うと引き出しからベルトの様なものを取り出す。それには男性の性器をかたどったものが付いていた。
「処女だから痛いかもしれないけどすぐ良くなるからね。」
そう言いながら先端を陰部にくっつけてくる。
「やめ」
「ごめんね、治療の為とはいえ貴女の処女をもらうわね。」
「い、いやっ」
やめてと懇願するが夏姫は治療だからと聞き入れてくれない。
ズッー
一気に貫かれる。
「ひあああああっっ!!!」
ぶちぶちっと音が鳴り、やがて血が滴りてくる。
「う、く…ふええ」
耐えきれずに涙が溢れ悲痛な声が漏れる。
「痛かったのね、ごめんなさい。今から気持ち良くなるからね。」
そう言いながら優しく頭を撫でててくる夏姫。
「動くわね。大丈夫、力を抜いて私に身を委ねて。」
そう告げ、ゆっくりと腰を動かし始める夏姫。
「やだ、やめて!!あっ」
声を我慢しようと手で口を押さえるがすぐに手は引き離される。
「どうしたの?口なんて押さえて。」
「っ!!ふ…」
必死に声を押し殺す輪廻。
「ああ、声我慢してるのね。大丈夫よ、今日は貴女だけ診るって決めてたから外にはもう休診の看板がたってるわ。だから今この病院には私と貴女しかいない。看護師や事務員ももう帰らせた。だからね、我慢しなくて良いの。」
「んっ、ふ…く」
それでも尚、輪廻は声を噛み殺している。
「声…出るの恥ずか、しい」
輪廻は振り絞るような声で言う。
「クス、そうなのね。じゃあ口を塞いであげるわ。」
そう言いながら夏姫は輪廻へ唇を重ねる。
「んむっ!?んんっ」
押し返そうとするが力が入らず意味をなさない。
やがて動く速度が速まりついには絶頂に達した輪廻。
びくんと大きく身体が跳ねる。
「気持ち良かったでしょ?」
輪廻は息を整えることに必死で返事が出来なかった。
「こうしてたらさ、嫌なこと忘れられると思うのだけれど。それに貴女が必要としてるものも分かると思うわ。」
「…必要なもの?」
(確かに今ので嫌なこと考える余裕無くなったけど…でも…。)
ここまでする必要はあったのだろうか。
「それはまだ知る必要はないわ。とりあえず定期的に通って頂戴。そうね…大体2週間に一回。第2、第4水曜日でどうかしら?会社には私から言っとくわ。」
「え?あの…」
「…来ないっていうのはないしよ。医者の言うことは聞かないと、ね?」
「だけど…」
「言ったでしょ?拒否権はなしよ。来ないなら住所受け付けで書いてあるし調べて行っちゃうわよ。」
(それ、ストーカーでは?)
言いそうになった言葉をぐっと飲み込み「分かりました」とだけ言った。
それが2人の出会い。
運命の歯車が今、回り出すー。
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