23 / 28
まだ受け取れない
しおりを挟む
「ただいま、ドロシー」
「お、おかえりエリック!」
武器を作る量が多かったことで数日帰ることができなかったため、久しぶりに会えたことが嬉しかったのか帰った瞬間からドロシーに抱きしめられた。ぎゅーっと思いっきり抱きしめるドロシーの温もりは、俺にとっても温かくて癒された。
「今回は結構長かったね、エリック。ドロシーさんすごく寂しそうにしてたんだから。枕抱きしめながら「エリック……」って言ってたし」
「こ、コレットさん……!」
コレットに俺がいない間のことを暴露されてドロシーは顔を赤くしながらあたふたし始める。そうか……次はどんなに仕事をさせられても早く帰ってこれるようにしよう。俺も正直ドロシーと会えなかったのは寂しかったし。
「ごめんな、ドロシー。次は絶対早く帰ってくるよ」
「うん……お願い」
「あ、そうだドロシー。これ、セシリアって子からドロシーに渡してくれって預かった手紙なんだけど」
俺はドロシーにセシリアから預かった手紙を渡す。ディランからセシリアと会ったことは詰められたけど、なんとか誤魔化して手紙はバレなかった。でも、この手紙の内容って謝罪以外に何が書いてあるんだ?
「せ、セシリア様から……!?」
それを聞くと、ドロシーはなんだか不安そうな表情をする。もしかしたら、俺が思っている以上に二人には何かわだかまりがあるのかもしれない。
「嫌だったら読まなくてもいいって言ってた。ドロシー、無理はしなくて大丈夫だよ」
「……………ごめんなさい。どうしても、帝国の人はもう……信頼できないの」
ドロシーは手紙を読むことはなく、うつむきながら謝ってしまう。……それも仕方がないことかもしれない。ドロシーは誰からも助けてもらえずに奴隷になってしまった。だからこそ、今更謝罪されたとしても気持ちの整理をつけるのは難しいはずだ。
「わかった。セシリアには俺から伝えておくよ。それじゃあご飯にしよっか。今日は俺が作るよ。久しぶりにドロシーにご飯食べてもらいたいし」
「わ、私も作る! エリックにも私の料理食べて欲しいから!」
「あいかわらずラブラブだねぇ……」
お互いのために料理を作ると言っているところをコレットに笑われながらも、結局一緒にご飯を作ることにした。やっぱりこうやってドロシーと一緒にいる時間が何よりも幸せだ……。
「はい、エリック。あーん」
「ん……ああ、やっぱりドロシーの料理は世界一美味しい」
「あ、ありがとう……。エリックも、あーんして」
「わ、わかった。ドロシー、あーん」
「……えへへ、美味しい」
ああ、ドロシーの笑顔が本当に可愛い。もうこれだけで数年は生きられるかもしれない。
それから俺らは料理を作り終えてご飯にして、久しぶりにドロシーの手作り料理をいっぱい食べた。ああ、やっぱり美味しい……最近全然食べれなかったから、いつもよりついたくさん食べてしまった。本当に、こういうひと時が一番幸せだと思う。
「お、おかえりエリック!」
武器を作る量が多かったことで数日帰ることができなかったため、久しぶりに会えたことが嬉しかったのか帰った瞬間からドロシーに抱きしめられた。ぎゅーっと思いっきり抱きしめるドロシーの温もりは、俺にとっても温かくて癒された。
「今回は結構長かったね、エリック。ドロシーさんすごく寂しそうにしてたんだから。枕抱きしめながら「エリック……」って言ってたし」
「こ、コレットさん……!」
コレットに俺がいない間のことを暴露されてドロシーは顔を赤くしながらあたふたし始める。そうか……次はどんなに仕事をさせられても早く帰ってこれるようにしよう。俺も正直ドロシーと会えなかったのは寂しかったし。
「ごめんな、ドロシー。次は絶対早く帰ってくるよ」
「うん……お願い」
「あ、そうだドロシー。これ、セシリアって子からドロシーに渡してくれって預かった手紙なんだけど」
俺はドロシーにセシリアから預かった手紙を渡す。ディランからセシリアと会ったことは詰められたけど、なんとか誤魔化して手紙はバレなかった。でも、この手紙の内容って謝罪以外に何が書いてあるんだ?
「せ、セシリア様から……!?」
それを聞くと、ドロシーはなんだか不安そうな表情をする。もしかしたら、俺が思っている以上に二人には何かわだかまりがあるのかもしれない。
「嫌だったら読まなくてもいいって言ってた。ドロシー、無理はしなくて大丈夫だよ」
「……………ごめんなさい。どうしても、帝国の人はもう……信頼できないの」
ドロシーは手紙を読むことはなく、うつむきながら謝ってしまう。……それも仕方がないことかもしれない。ドロシーは誰からも助けてもらえずに奴隷になってしまった。だからこそ、今更謝罪されたとしても気持ちの整理をつけるのは難しいはずだ。
「わかった。セシリアには俺から伝えておくよ。それじゃあご飯にしよっか。今日は俺が作るよ。久しぶりにドロシーにご飯食べてもらいたいし」
「わ、私も作る! エリックにも私の料理食べて欲しいから!」
「あいかわらずラブラブだねぇ……」
お互いのために料理を作ると言っているところをコレットに笑われながらも、結局一緒にご飯を作ることにした。やっぱりこうやってドロシーと一緒にいる時間が何よりも幸せだ……。
「はい、エリック。あーん」
「ん……ああ、やっぱりドロシーの料理は世界一美味しい」
「あ、ありがとう……。エリックも、あーんして」
「わ、わかった。ドロシー、あーん」
「……えへへ、美味しい」
ああ、ドロシーの笑顔が本当に可愛い。もうこれだけで数年は生きられるかもしれない。
それから俺らは料理を作り終えてご飯にして、久しぶりにドロシーの手作り料理をいっぱい食べた。ああ、やっぱり美味しい……最近全然食べれなかったから、いつもよりついたくさん食べてしまった。本当に、こういうひと時が一番幸せだと思う。
1
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
私が死んだあとの世界で
もちもち太郎
恋愛
婚約破棄をされ断罪された公爵令嬢のマリーが死んだ。
初めはみんな喜んでいたが、時が経つにつれマリーの重要さに気づいて後悔する。
だが、もう遅い。なんてったって、私を断罪したのはあなた達なのですから。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる