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竜将軍大会第五回戦(準決勝):最強厨クルシュ VS 百鶫長ナフィ
・世界の真実、聖帝ジントの正体 - 異常生命体 -
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「だがおっさんが若者に戻るなんて、あり得るか?」
「ワシ、これでも生物学者なんじゃよ。クルシュくんを解剖させてくれたらわかるかも、のぅ……?」
「止めろよ、そういう冗談……。冗談、だよな……?」
「まあワシなら面倒なことなどせず、古いクルシュくんが死んだ後に、新しいクルシュくんを培養して、記憶を移植するかのぅ」
「それ、別人なんじゃねぇの……?」
私にとっては重要なところだ。
もしそうだとしたら、生前の私と今の私は無関係ということになる。
「そうか、なるほど、だとしたら……これは有り得るぞ……」
しかし聖帝は自分の考えに没頭してしまっていた。
「となると、おお……!」
その聖帝が明るい顔で私を見上げた。
怪しい生物学者が、希望にあふれた顔で研究対象を見ている。
少し怖い……。
「ワシはこの世界に生きる新しい人類を育み、守ることを使命としておる」
「守る? 何からだ?」
「ソコノネの迷宮の底に封じられた、行き過ぎた生物学研究がもたらしたもう一つの新人類から、守るためじゃよ」
「……魔王軍、みたいな?」
「かなり雑なくくりじゃが、そんなところかの。やつらは封印から抜け出し、地上のワシらを喰らわんとしている」
「……ゾンビ映画、みたいな?」
「くくりが雑で物もうしたいところじゃが、スーパー雑に言えば、まあそんなところかのぅ……?」
私たちが暮らすキョウの底に、魔王軍、ゾンビ集団……。
そんなやつらが外に出てきたら、私たちのココロさんが危ないではないか!
「話が見えてきた! 俺とイーラジュ様がそいつらを倒せばいいんだな!?」
「違うわい」
「ならどうしろってんだ!?」
「ワシ、やつらと戦うために世界中の遺伝子データを集めとるんじゃよ。竜将大会もまた、世界中から優れた遺伝子データを手に入れるための試みでの、上手くいっておるよ、ほっほっほっ」
この大会にはそんな裏があったのか。
だから異国の人間にも門を開き、文字通りかき集めていたということか。
「質問じゃ、なぜこのキョウを目指した? なぜ文官の頂点を捨てた? そこには何か意味があるのではないかな?」
「なぜって、急に萎えたんだ……」
「なぜ萎えた?」
「なぜって……なぜだろう……」
地位にふんぞり返っていれば安泰なのに、なぜ私は25歳から武人になろうとしたのだろう。
「あんなにも欲しかった栄光が、頂点にたどり着いた途端にどうでもよくなった。心変わりしたんだ」
今思い返すと、奇妙な判断だ。
まるでゲームのエンディングを迎えたから、リセットボタンを押して、新しいゲームを始めるかのような奇行だ。
「竜将大会に優勝したら、クルシュくんはまたそうなるのだろうか?」
「まさか」
「断言できるかね?」
「……わからない。ただ、キョウの仲間たちを捨てて出て行くなんて、絶対あり得ない」
私には文官時代の仲間がいた。
仕えるべき王がいた。
それらを全て私は捨てて、繋がりの何もかもを捨ててここにきた。
叶えられるはずのない望みを胸に抱いて。
「そういう仕組みになっておるのかのぅ……?」
「どういう意味だ?」
「そなたの中に眠る千の遺伝子的特徴は、そうやって生み出された物なのではないか。と、ワシは推測した」
「そうだとしたら、俺はシワシワのジジィになってるよ」
「遺伝子だけを残せばいいじゃろ? 身体が滅びを迎える前に遺伝子を保存し、新たな肉体を培養すればよい。そして人格を移植する……」
そんなSFみたいな。
そう思ったが、ここはファンタジー世界ではなく、現実の延長に生えたSFの世界だそうだ。
ならばあの魔法とはなんなのだろうか。
「さて、仮説もまとまったところで、ワシのお願い、聞いてくれる……?」
「おう、他でもない爺さんの頼みだ、なんでも言ってくれ!」
「ありがとう、では君が覚醒させた遺伝的特徴を、採取させてくれるかな」
「ふーん、するとどうなる?」
「それを使ってワシは、愛すべき子らを守る」
「……わかった、使っていいぜ」
「おお、よいのか!? あっさりしとるの!?」
「キョウで暮らしているうちに、爺さんがみんなに愛されるわけがわかったよ、俺。爺さんは偉大だ!! 正しく聖なる帝だよ!!」
私もバカではない。
もし爺さんの仮説が本当なら、クルシュを造った者はもうこの世にいない。
プロジェクトが開始してどれだけの月日が経ったか知らないが、現在は2800年。
どこかしらの段階で、完成あるいは中止という節目を迎えていたはずだ。
「うちのお爺ちゃん、泣かせないでくれるー?」
「あ、キョウコさん! おおっ、聖帝が泣いているっ!? 聖帝って、泣くのか!」
「泣いてなんておらんわいっ! トンボが目に入っただけじゃわい!」
「いや入らねーよっ! どんだけ目でけーんだよ、それ!」
つい偉大なる帝に鋭い合いの手を入れてしまったが、この昭和空間ならば許されよう。
昭和の世界に黒バニーさんとはまた、シュールな……。
「ではではー、キョウコさんがー、クルシュくんの遺伝子を採集しちゃうねー♪」
「ちなみに俺の遺伝子データ? を使って、何造るんだ?」
「ほっほっほっほっ、それはお主がよく知ってるやつじゃよ」
「……いや、まるで見当がつかねーんだが?」
私の二の腕にキョウコさんの腕がなぜだか押し付けられている。
まるで客引きをするお水のお姉さんみたいに『シャチョーサン、シャチョーサン、アソボ、アソボ』といった感じで。
遺伝子の採取とは具体的に、どうやるのだろうか……?
「お主はもうそれに会っておる」
「な、何……?」
「我がヤツカハギ最強の民を知っておろう」
ヤツカハギ最強。
俺のよく知っているやつ。
そんなやつはただ一人しかいない。
「イーラジュ……か?」
「左様、イーラジュこそがワシの生物学研究の結晶。どんなにお主ががんばったところで、勝てるはずがなかろうて! ワシが果てしない月日を費やして生み出した、最強のもののふなのだからの!!」
あの爺さんみたいなのを、さらに強化した上で、スペースオペラによくあるクローン兵みたいに量産するということだろうか……?
「あのジジィ、改造人間だったのかよ……。そりゃ、勝てねーわけだわ……」
「どうじゃ、ワシのイーラジュは強いじゃろ、ほっほっほっほっ!!」
私の夢は最強の男となること。
その夢は遺伝子提供を拒んでライバルを減らした先にあるような、器の小さなものではない。
「ところでキョウコさん……? 遺伝子採取って、痛い……?」
「大丈夫、痛くないわー♪ むしろー、とーっても、気持ちいいから大丈夫ー♪ ふっふっふーっ♪」
私は聖帝に遺伝子データを提供した。
採取方法については、具体的な説明を差し控えさせていただく。
とても気持ちよかった。
「ワシ、これでも生物学者なんじゃよ。クルシュくんを解剖させてくれたらわかるかも、のぅ……?」
「止めろよ、そういう冗談……。冗談、だよな……?」
「まあワシなら面倒なことなどせず、古いクルシュくんが死んだ後に、新しいクルシュくんを培養して、記憶を移植するかのぅ」
「それ、別人なんじゃねぇの……?」
私にとっては重要なところだ。
もしそうだとしたら、生前の私と今の私は無関係ということになる。
「そうか、なるほど、だとしたら……これは有り得るぞ……」
しかし聖帝は自分の考えに没頭してしまっていた。
「となると、おお……!」
その聖帝が明るい顔で私を見上げた。
怪しい生物学者が、希望にあふれた顔で研究対象を見ている。
少し怖い……。
「ワシはこの世界に生きる新しい人類を育み、守ることを使命としておる」
「守る? 何からだ?」
「ソコノネの迷宮の底に封じられた、行き過ぎた生物学研究がもたらしたもう一つの新人類から、守るためじゃよ」
「……魔王軍、みたいな?」
「かなり雑なくくりじゃが、そんなところかの。やつらは封印から抜け出し、地上のワシらを喰らわんとしている」
「……ゾンビ映画、みたいな?」
「くくりが雑で物もうしたいところじゃが、スーパー雑に言えば、まあそんなところかのぅ……?」
私たちが暮らすキョウの底に、魔王軍、ゾンビ集団……。
そんなやつらが外に出てきたら、私たちのココロさんが危ないではないか!
「話が見えてきた! 俺とイーラジュ様がそいつらを倒せばいいんだな!?」
「違うわい」
「ならどうしろってんだ!?」
「ワシ、やつらと戦うために世界中の遺伝子データを集めとるんじゃよ。竜将大会もまた、世界中から優れた遺伝子データを手に入れるための試みでの、上手くいっておるよ、ほっほっほっ」
この大会にはそんな裏があったのか。
だから異国の人間にも門を開き、文字通りかき集めていたということか。
「質問じゃ、なぜこのキョウを目指した? なぜ文官の頂点を捨てた? そこには何か意味があるのではないかな?」
「なぜって、急に萎えたんだ……」
「なぜ萎えた?」
「なぜって……なぜだろう……」
地位にふんぞり返っていれば安泰なのに、なぜ私は25歳から武人になろうとしたのだろう。
「あんなにも欲しかった栄光が、頂点にたどり着いた途端にどうでもよくなった。心変わりしたんだ」
今思い返すと、奇妙な判断だ。
まるでゲームのエンディングを迎えたから、リセットボタンを押して、新しいゲームを始めるかのような奇行だ。
「竜将大会に優勝したら、クルシュくんはまたそうなるのだろうか?」
「まさか」
「断言できるかね?」
「……わからない。ただ、キョウの仲間たちを捨てて出て行くなんて、絶対あり得ない」
私には文官時代の仲間がいた。
仕えるべき王がいた。
それらを全て私は捨てて、繋がりの何もかもを捨ててここにきた。
叶えられるはずのない望みを胸に抱いて。
「そういう仕組みになっておるのかのぅ……?」
「どういう意味だ?」
「そなたの中に眠る千の遺伝子的特徴は、そうやって生み出された物なのではないか。と、ワシは推測した」
「そうだとしたら、俺はシワシワのジジィになってるよ」
「遺伝子だけを残せばいいじゃろ? 身体が滅びを迎える前に遺伝子を保存し、新たな肉体を培養すればよい。そして人格を移植する……」
そんなSFみたいな。
そう思ったが、ここはファンタジー世界ではなく、現実の延長に生えたSFの世界だそうだ。
ならばあの魔法とはなんなのだろうか。
「さて、仮説もまとまったところで、ワシのお願い、聞いてくれる……?」
「おう、他でもない爺さんの頼みだ、なんでも言ってくれ!」
「ありがとう、では君が覚醒させた遺伝的特徴を、採取させてくれるかな」
「ふーん、するとどうなる?」
「それを使ってワシは、愛すべき子らを守る」
「……わかった、使っていいぜ」
「おお、よいのか!? あっさりしとるの!?」
「キョウで暮らしているうちに、爺さんがみんなに愛されるわけがわかったよ、俺。爺さんは偉大だ!! 正しく聖なる帝だよ!!」
私もバカではない。
もし爺さんの仮説が本当なら、クルシュを造った者はもうこの世にいない。
プロジェクトが開始してどれだけの月日が経ったか知らないが、現在は2800年。
どこかしらの段階で、完成あるいは中止という節目を迎えていたはずだ。
「うちのお爺ちゃん、泣かせないでくれるー?」
「あ、キョウコさん! おおっ、聖帝が泣いているっ!? 聖帝って、泣くのか!」
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「いや入らねーよっ! どんだけ目でけーんだよ、それ!」
つい偉大なる帝に鋭い合いの手を入れてしまったが、この昭和空間ならば許されよう。
昭和の世界に黒バニーさんとはまた、シュールな……。
「ではではー、キョウコさんがー、クルシュくんの遺伝子を採集しちゃうねー♪」
「ちなみに俺の遺伝子データ? を使って、何造るんだ?」
「ほっほっほっほっ、それはお主がよく知ってるやつじゃよ」
「……いや、まるで見当がつかねーんだが?」
私の二の腕にキョウコさんの腕がなぜだか押し付けられている。
まるで客引きをするお水のお姉さんみたいに『シャチョーサン、シャチョーサン、アソボ、アソボ』といった感じで。
遺伝子の採取とは具体的に、どうやるのだろうか……?
「お主はもうそれに会っておる」
「な、何……?」
「我がヤツカハギ最強の民を知っておろう」
ヤツカハギ最強。
俺のよく知っているやつ。
そんなやつはただ一人しかいない。
「イーラジュ……か?」
「左様、イーラジュこそがワシの生物学研究の結晶。どんなにお主ががんばったところで、勝てるはずがなかろうて! ワシが果てしない月日を費やして生み出した、最強のもののふなのだからの!!」
あの爺さんみたいなのを、さらに強化した上で、スペースオペラによくあるクローン兵みたいに量産するということだろうか……?
「あのジジィ、改造人間だったのかよ……。そりゃ、勝てねーわけだわ……」
「どうじゃ、ワシのイーラジュは強いじゃろ、ほっほっほっほっ!!」
私の夢は最強の男となること。
その夢は遺伝子提供を拒んでライバルを減らした先にあるような、器の小さなものではない。
「ところでキョウコさん……? 遺伝子採取って、痛い……?」
「大丈夫、痛くないわー♪ むしろー、とーっても、気持ちいいから大丈夫ー♪ ふっふっふーっ♪」
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