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【真実】兄上:転生者 僕:転生者
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9月末――
ザラキアに出立すればしばらく兄さんとは会えない。
兄上もまた、帝国軍の頂点ミュラー元帥となる。しばらくは互いに忙しい日々が続くことだろう。
だからその前に『確認』をすることにした。
僕のザラキア辺境泊就任を、やさしいリアーナ姉さんが料理を作って祝ってくれたその日の夜、兄上の書斎を訪れた。
「フッ、驚かせるな。刺客かと思ったぞ」
「怖い冗談は止めてよ」
「冗談で済めば気楽なのだがな。……どうした、眠れないのか?」
「そうじゃないよ。ザラキアに行く前に、兄さんに確認したいことがあるんだ」
「いいだろう、聞こう」
ソファーではリアーナ姉さんが眠っていた。
原作では厳しい軍人口調の敵キャラだったけど、こうして見ると心のやさしい普通のお姉さんだった。
だけど、だからこそ、この話ばかりはリアーナ姉さんに聞かせるわけにはいかない。僕の部屋にこないかと、兄上を誘った。
「別れが惜しくなったか?」
「惜しいに決まってるよ。でもそうじゃない。兄さん、ちょっとした質問なんだけど……」
「フッ、聞こう」
「この前、パンにはさんで食べてなかった?」
「ほぅ、何をだ?」
「煎った大豆を挽いた、すごく喉が乾く黄色い粉」
僕は先日、兄さんがきな粉とハチミツをはさんだパンを食べているところを目撃した。
図書館で本ばかり読んでいた僕が言おう。この国にそんな食文化はない。無論、周辺国にもだ。
「記憶にない。お前の勘違いだろう」
「なぜとぼけるの? 兄さんだって、薄々感づいているんじゃないの?」
なぜ弟がザラキアを欲したか、この兄は不思議ではないだろうか。
真っ先に切り捨てられ、敵に奪われるかもしれない土地を欲しがるなんて、普通は反対する。
けれどミュラー兄さんのしたことは、それとは正反対だった。初めこそ反対したけど、僕の野望をすぐに理解してくれた。
「僕の結論はこうだよ、兄さん。僕の大好きな兄さんは、ミュラー元帥は転生者だ」
「な……っ!?」
「ここがゲームの世界で、このままだと自分がヤバいことになると気付いている。だからザラキアの領主になりたいという、僕の願いを後押しした」
僕にそう迫られると、あのミュラー元帥が動揺に後ずさった。その挙動もまた証拠だ。僕が画面越しに憧れたミュラー元帥なら、迫られても堂々と跳ね返す。
「あのサイテーの皇帝に屈服してでも、弟を領主にする価値があると、兄さんは知っていたんだ。……僕の推理、どこか間違っているかな?」
とても残念だけど、僕の眼の前にいるこの人は、ミュラー元帥を演じているだけの転生者だ。
いつの時点で入れ替わったのかはわからないけど、この人はあまりに知りすぎている。きな粉と蜜と小麦粉がもたらす甘美なるハーモニーにも。
「そんな……ではアルト……まさかお前も、そうだと言うのか……?」
「ごめん、そうなんだよ。でも大丈夫、僕は生まれたその時からずっと僕だ。……兄さんは?」
「すまない……」
兄さんの奇行が始まったのは最近だ。それまではずっと、僕の憧れのミュラー元帥そのものだった。
「3ヶ月ほど前、気付いた……。ここが、昔友人に借りたゲームに、そっくりだと……」
「はは、奇遇だね。僕も友達にね、このゲームを貸したんだ。借りパクされちゃったけどね」
「そ、それは酷い友達もいたものだな……?」
兄さんの目が泳いだ。
僕が憧れ続けてきた兄上はこんな表情をする人じゃなかったのに、前世の記憶の覚醒って残酷だ……。
魂は同じ人間でも、人格が別人になってしまったら、もうそれは同一人物とは呼べないのではないだろうか。
「まさか借りパク経験ありっ? あり得ないよ、なんで返さなかったのっ!?」
「借りる時は、ワクワクする……。だが返す時は、気が重い……。貸し借りとはそういうものだ、アルト……」
「嘘だっ、僕の憧れた兄さんが借りパク野郎だなんてっ、そんなの嘘だっ!!」
「すまない、返す気はあったのだが……高校進学で、タケちゃんとは、それっきり疎遠になってしまってな……」
え…………?
「今でもよく覚えている……。古川竹蔵、私の人生の中で、一番の親友だった……。高校進学した後、私はなぜ、タケちゃんを遊びに誘わなくなってしまったのだろう……」
お、おい……。
おいおいおいおい……おいぃぃーっ!?
古川竹蔵!? えっ、それ俺だよ!? 自分のことを俺って呼んでた頃の、僕だよ!
ということは、まさか、コイツ……。
震える指で、頭一つ分も上にある兄さんの顔を指した。
「ま、まさか、お前……アッキー……?」
秋山大樹。小学校から中学の終わりまでよくつるんでいた幼なじみにして親友だ。
アッキーは予想もしないこの超展開に理解が追い付かず、酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせた。
「そっちこそ……タケちゃん、なのか……?」
「秋山大樹、略してアッキーだろ?」
ミュラー元帥の姿をしたアッキーは、頭を抱えて悶絶した。ついには膝を突き、顔をおおって苦悩した。
僕たちは異世界で再会した。再会してしまった。
小学校から中学校まで一緒にバカをやってきた腐れ縁と、なぜか兄弟になってしまっていた。
「はぁぁぁ……っっ、僕のミュラー元帥の中身がアッキーとか、こんなの幻滅どころじゃないよ……」
「そっちこそなんで、なんで俺の弟になっているんだ……。ああ、俺のかわいいアルトを返せよ、タケちゃん……」
転生したら幸薄な皇族令息だった。
親は既に亡く、憧れのミュラー兄さんに憧れと負い目を抱きながら生きていた。
それが今、砕け散った。
だって『憧れの兄さん』は、俺が昔このゲームを貸してやった『タケちゃん(当時イガ栗頭)』だったのだから。
「きっついわー……」
「それはこっちのセリフだ……。お前の前で『フッ』とか言いながら散々恥ずかしいセリフを言った俺のセリフだよーっ!」
「俺の推しキャラの顔で情けないセリフ吐くなよ、アッキー!」
「アッキーは止めろっ、現実に引き戻されるっ!」
「僕たちの現実なんてもうないよ! ここか現実だよ!」
僕たちは互いに顔を向かい合わせて、深いため息を吐くしかなかった。
そんな、そんな、転生ってなんて残酷な仕組みなんだ……。
本当に僕は心から、ミュラー兄さんのことを敬愛していたのに……。
「タケちゃん……いや、アルト」
「何……? 兄、さん……?」
「濁らすな、そこで! アルト、俺、みんなを守りたい……」
「みんな……?」
「俺は確かに秋山大樹だけど、ミュラーでもあるんだよ……。俺、いや、私は、散りゆく運命にある仲間を助けたい……」
「いやアッキーはさ、先に自分の心配をするべきだと思うけど……?」
この戦いで多くの将軍たちが死ぬ。
彼らはミュラー元帥の友人たちだった。
この世界のミュラー元帥は自分の運命よりも、仲間の生存をまず願っていた。
「ミュラーとして、私は支えてくれた仲間を死なせたくない。アルト、力を貸してくれないか?」
「自分より仲間が大事って……はは、アッキーはやっぱりバカだなぁー!」
「アッキー呼びはもう止めろっ、私はミュラーだ! お前の兄ミュラーとして生き抜くと決めた!」
「わかった。じゃあ僕はアルトとして、ザラキアから兄上を支えるよ」
僕たち幼なじみは時空と時を越えて、高校進学で断たれた絆をもう一度結び直すことに決めた。
「すまない、アルト……今はお前が頼もしい……」
兄上が自発的に運命を変えようとしているなら、それはそれで家族として心配が減って助かる。
しかし兄上を見るとあのイガグリ頭が浮かんでしまう呪いは、この先一生解けるような気がしなかった。
僕の兄、僕の推し、僕のミュラー元帥はアッキーだった。
ザラキアに出立すればしばらく兄さんとは会えない。
兄上もまた、帝国軍の頂点ミュラー元帥となる。しばらくは互いに忙しい日々が続くことだろう。
だからその前に『確認』をすることにした。
僕のザラキア辺境泊就任を、やさしいリアーナ姉さんが料理を作って祝ってくれたその日の夜、兄上の書斎を訪れた。
「フッ、驚かせるな。刺客かと思ったぞ」
「怖い冗談は止めてよ」
「冗談で済めば気楽なのだがな。……どうした、眠れないのか?」
「そうじゃないよ。ザラキアに行く前に、兄さんに確認したいことがあるんだ」
「いいだろう、聞こう」
ソファーではリアーナ姉さんが眠っていた。
原作では厳しい軍人口調の敵キャラだったけど、こうして見ると心のやさしい普通のお姉さんだった。
だけど、だからこそ、この話ばかりはリアーナ姉さんに聞かせるわけにはいかない。僕の部屋にこないかと、兄上を誘った。
「別れが惜しくなったか?」
「惜しいに決まってるよ。でもそうじゃない。兄さん、ちょっとした質問なんだけど……」
「フッ、聞こう」
「この前、パンにはさんで食べてなかった?」
「ほぅ、何をだ?」
「煎った大豆を挽いた、すごく喉が乾く黄色い粉」
僕は先日、兄さんがきな粉とハチミツをはさんだパンを食べているところを目撃した。
図書館で本ばかり読んでいた僕が言おう。この国にそんな食文化はない。無論、周辺国にもだ。
「記憶にない。お前の勘違いだろう」
「なぜとぼけるの? 兄さんだって、薄々感づいているんじゃないの?」
なぜ弟がザラキアを欲したか、この兄は不思議ではないだろうか。
真っ先に切り捨てられ、敵に奪われるかもしれない土地を欲しがるなんて、普通は反対する。
けれどミュラー兄さんのしたことは、それとは正反対だった。初めこそ反対したけど、僕の野望をすぐに理解してくれた。
「僕の結論はこうだよ、兄さん。僕の大好きな兄さんは、ミュラー元帥は転生者だ」
「な……っ!?」
「ここがゲームの世界で、このままだと自分がヤバいことになると気付いている。だからザラキアの領主になりたいという、僕の願いを後押しした」
僕にそう迫られると、あのミュラー元帥が動揺に後ずさった。その挙動もまた証拠だ。僕が画面越しに憧れたミュラー元帥なら、迫られても堂々と跳ね返す。
「あのサイテーの皇帝に屈服してでも、弟を領主にする価値があると、兄さんは知っていたんだ。……僕の推理、どこか間違っているかな?」
とても残念だけど、僕の眼の前にいるこの人は、ミュラー元帥を演じているだけの転生者だ。
いつの時点で入れ替わったのかはわからないけど、この人はあまりに知りすぎている。きな粉と蜜と小麦粉がもたらす甘美なるハーモニーにも。
「そんな……ではアルト……まさかお前も、そうだと言うのか……?」
「ごめん、そうなんだよ。でも大丈夫、僕は生まれたその時からずっと僕だ。……兄さんは?」
「すまない……」
兄さんの奇行が始まったのは最近だ。それまではずっと、僕の憧れのミュラー元帥そのものだった。
「3ヶ月ほど前、気付いた……。ここが、昔友人に借りたゲームに、そっくりだと……」
「はは、奇遇だね。僕も友達にね、このゲームを貸したんだ。借りパクされちゃったけどね」
「そ、それは酷い友達もいたものだな……?」
兄さんの目が泳いだ。
僕が憧れ続けてきた兄上はこんな表情をする人じゃなかったのに、前世の記憶の覚醒って残酷だ……。
魂は同じ人間でも、人格が別人になってしまったら、もうそれは同一人物とは呼べないのではないだろうか。
「まさか借りパク経験ありっ? あり得ないよ、なんで返さなかったのっ!?」
「借りる時は、ワクワクする……。だが返す時は、気が重い……。貸し借りとはそういうものだ、アルト……」
「嘘だっ、僕の憧れた兄さんが借りパク野郎だなんてっ、そんなの嘘だっ!!」
「すまない、返す気はあったのだが……高校進学で、タケちゃんとは、それっきり疎遠になってしまってな……」
え…………?
「今でもよく覚えている……。古川竹蔵、私の人生の中で、一番の親友だった……。高校進学した後、私はなぜ、タケちゃんを遊びに誘わなくなってしまったのだろう……」
お、おい……。
おいおいおいおい……おいぃぃーっ!?
古川竹蔵!? えっ、それ俺だよ!? 自分のことを俺って呼んでた頃の、僕だよ!
ということは、まさか、コイツ……。
震える指で、頭一つ分も上にある兄さんの顔を指した。
「ま、まさか、お前……アッキー……?」
秋山大樹。小学校から中学の終わりまでよくつるんでいた幼なじみにして親友だ。
アッキーは予想もしないこの超展開に理解が追い付かず、酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせた。
「そっちこそ……タケちゃん、なのか……?」
「秋山大樹、略してアッキーだろ?」
ミュラー元帥の姿をしたアッキーは、頭を抱えて悶絶した。ついには膝を突き、顔をおおって苦悩した。
僕たちは異世界で再会した。再会してしまった。
小学校から中学校まで一緒にバカをやってきた腐れ縁と、なぜか兄弟になってしまっていた。
「はぁぁぁ……っっ、僕のミュラー元帥の中身がアッキーとか、こんなの幻滅どころじゃないよ……」
「そっちこそなんで、なんで俺の弟になっているんだ……。ああ、俺のかわいいアルトを返せよ、タケちゃん……」
転生したら幸薄な皇族令息だった。
親は既に亡く、憧れのミュラー兄さんに憧れと負い目を抱きながら生きていた。
それが今、砕け散った。
だって『憧れの兄さん』は、俺が昔このゲームを貸してやった『タケちゃん(当時イガ栗頭)』だったのだから。
「きっついわー……」
「それはこっちのセリフだ……。お前の前で『フッ』とか言いながら散々恥ずかしいセリフを言った俺のセリフだよーっ!」
「俺の推しキャラの顔で情けないセリフ吐くなよ、アッキー!」
「アッキーは止めろっ、現実に引き戻されるっ!」
「僕たちの現実なんてもうないよ! ここか現実だよ!」
僕たちは互いに顔を向かい合わせて、深いため息を吐くしかなかった。
そんな、そんな、転生ってなんて残酷な仕組みなんだ……。
本当に僕は心から、ミュラー兄さんのことを敬愛していたのに……。
「タケちゃん……いや、アルト」
「何……? 兄、さん……?」
「濁らすな、そこで! アルト、俺、みんなを守りたい……」
「みんな……?」
「俺は確かに秋山大樹だけど、ミュラーでもあるんだよ……。俺、いや、私は、散りゆく運命にある仲間を助けたい……」
「いやアッキーはさ、先に自分の心配をするべきだと思うけど……?」
この戦いで多くの将軍たちが死ぬ。
彼らはミュラー元帥の友人たちだった。
この世界のミュラー元帥は自分の運命よりも、仲間の生存をまず願っていた。
「ミュラーとして、私は支えてくれた仲間を死なせたくない。アルト、力を貸してくれないか?」
「自分より仲間が大事って……はは、アッキーはやっぱりバカだなぁー!」
「アッキー呼びはもう止めろっ、私はミュラーだ! お前の兄ミュラーとして生き抜くと決めた!」
「わかった。じゃあ僕はアルトとして、ザラキアから兄上を支えるよ」
僕たち幼なじみは時空と時を越えて、高校進学で断たれた絆をもう一度結び直すことに決めた。
「すまない、アルト……今はお前が頼もしい……」
兄上が自発的に運命を変えようとしているなら、それはそれで家族として心配が減って助かる。
しかし兄上を見るとあのイガグリ頭が浮かんでしまう呪いは、この先一生解けるような気がしなかった。
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