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第一章 アーディル八歳
両想いなのかもしれない…
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[アーディル視点]
なんということでしょうか!神獣様です!しかも伝説級と言われている神獣様が六人もいらっしゃいました!!
「黒獅子たまぁ!おたんぽしてぇ!」
「銀亀さま。山登りごっこさせてよ」
「ふちとぉちゃま。あい。どうじょ♪」
「はちゅじゅーちゃま。こえ、あげゆ♪」
驚きと感動で言葉を無くしている私の目の前で、侯爵家の子供達は平然として飛びついてます。
「…アル。何か、慣れてるみたいなんですけど?」
「あれ?殿下、知らなかったっけ?うちの母、神獣様達の祝福持ちだから、よく出入りしてますよ。あ、ちなみに僕達双子は、神獣様達の加護持ちです。トリスも黒獅子様から加護もらってます。ぶっちゃけ、うちの弟妹とトリスの弟妹も、加護持ちですよ」
「………は?」
神獣様の加護持ちだなんて、確かに狙われるわけですね。納得の理由です。
それにしても、みんな楽しそうに神獣様達に遊んでもらってます。羨ましい…。
「……あれ?」
離れたところで、ニコニコ笑いながら、フィルは弟妹達の遊ぶ姿を眺めています。
「フィルは一緒に遊ばないのですか?」
そっと近づいて声をかけました。
「あら、よろしいの?」
不思議そうに首を傾げて、私を見てきます。
「?」
なんの事かと首を傾げれば、クスリと笑われてしまいました。
「だって、アーディ様はワタクシに会いに来たのでしょう?」
「っ!」
突然の事に思わず真っ赤になってしまいました。
「神獣様達とは嫌ってほど遊べますけど、アーディ様には滅多に会えませんでしょ?」
こてんと首を傾げる姿に、倒れそうです。
可愛すぎます、フィルー!!
「…迷惑じゃないのですか?」
私との婚約は、フィルが産まれる前から決まっていた事だと知っています。
私は一目でフィルを好きになりましたが、フィルが私をどう思っているかなんて、聞いたことがありません。決まっていたから仕方なく…なんて、万が一にでも言われたら泣き暮らす自信があります。
「ふふ。アーディ様はお聞きしてませんの?この婚約はワタクシがお断りすればすぐに無くなりますのよ♪」
「あ……」
そうです。私がどんなにフィルが良くても、フィルが私を嫌だと言えば、この婚約はすぐに無くなるのです!
「アーディ様が、ワタクシより妹達がよろしいのなら、お断りしますわよ?」
顔は笑ってるのに、何となく目が笑っていないような感じがします。
ですが、問題ありません!
「私はフィルディアがいいです!フィルだけがいいんです!!」
「………っ!?」
はっきりとそう言うと、フィルはポカンとしたかと思うと、突然後ろを向きました。
「…フィル?」
そーっと近寄ると、耳が赤くなってるのが目に入りました。
え?え?これ、照れてるんですか?フィルが照れてるなんて、見た事ないです!
「…フィル。怒りましたか?嫌でしたか?」
フィルの顔を見たくて、前に回り込みましたが、すぐにまた反対を向かれました。
「………」
ポツリとフィルが呟きましたが、よく聞こえませんでした。
「フィル?何を言いましたか?聞こえませんでした。もう一度…」
「…ノドが乾きましたわ!」
私と視線を合わせないように、メイド達の用意しているテーブルに向かうフィル。
「待ってください、フィル!!」
どうやら嫌われていないようです。
私は嬉しくて、でも、少しだけフィルをからかいたくて、後を追いかけたのですーーーー。
なんということでしょうか!神獣様です!しかも伝説級と言われている神獣様が六人もいらっしゃいました!!
「黒獅子たまぁ!おたんぽしてぇ!」
「銀亀さま。山登りごっこさせてよ」
「ふちとぉちゃま。あい。どうじょ♪」
「はちゅじゅーちゃま。こえ、あげゆ♪」
驚きと感動で言葉を無くしている私の目の前で、侯爵家の子供達は平然として飛びついてます。
「…アル。何か、慣れてるみたいなんですけど?」
「あれ?殿下、知らなかったっけ?うちの母、神獣様達の祝福持ちだから、よく出入りしてますよ。あ、ちなみに僕達双子は、神獣様達の加護持ちです。トリスも黒獅子様から加護もらってます。ぶっちゃけ、うちの弟妹とトリスの弟妹も、加護持ちですよ」
「………は?」
神獣様の加護持ちだなんて、確かに狙われるわけですね。納得の理由です。
それにしても、みんな楽しそうに神獣様達に遊んでもらってます。羨ましい…。
「……あれ?」
離れたところで、ニコニコ笑いながら、フィルは弟妹達の遊ぶ姿を眺めています。
「フィルは一緒に遊ばないのですか?」
そっと近づいて声をかけました。
「あら、よろしいの?」
不思議そうに首を傾げて、私を見てきます。
「?」
なんの事かと首を傾げれば、クスリと笑われてしまいました。
「だって、アーディ様はワタクシに会いに来たのでしょう?」
「っ!」
突然の事に思わず真っ赤になってしまいました。
「神獣様達とは嫌ってほど遊べますけど、アーディ様には滅多に会えませんでしょ?」
こてんと首を傾げる姿に、倒れそうです。
可愛すぎます、フィルー!!
「…迷惑じゃないのですか?」
私との婚約は、フィルが産まれる前から決まっていた事だと知っています。
私は一目でフィルを好きになりましたが、フィルが私をどう思っているかなんて、聞いたことがありません。決まっていたから仕方なく…なんて、万が一にでも言われたら泣き暮らす自信があります。
「ふふ。アーディ様はお聞きしてませんの?この婚約はワタクシがお断りすればすぐに無くなりますのよ♪」
「あ……」
そうです。私がどんなにフィルが良くても、フィルが私を嫌だと言えば、この婚約はすぐに無くなるのです!
「アーディ様が、ワタクシより妹達がよろしいのなら、お断りしますわよ?」
顔は笑ってるのに、何となく目が笑っていないような感じがします。
ですが、問題ありません!
「私はフィルディアがいいです!フィルだけがいいんです!!」
「………っ!?」
はっきりとそう言うと、フィルはポカンとしたかと思うと、突然後ろを向きました。
「…フィル?」
そーっと近寄ると、耳が赤くなってるのが目に入りました。
え?え?これ、照れてるんですか?フィルが照れてるなんて、見た事ないです!
「…フィル。怒りましたか?嫌でしたか?」
フィルの顔を見たくて、前に回り込みましたが、すぐにまた反対を向かれました。
「………」
ポツリとフィルが呟きましたが、よく聞こえませんでした。
「フィル?何を言いましたか?聞こえませんでした。もう一度…」
「…ノドが乾きましたわ!」
私と視線を合わせないように、メイド達の用意しているテーブルに向かうフィル。
「待ってください、フィル!!」
どうやら嫌われていないようです。
私は嬉しくて、でも、少しだけフィルをからかいたくて、後を追いかけたのですーーーー。
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