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第十二章 トラブルは続く、何処までも……
夫婦喧嘩にもならない
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「………」
グランディバルカス家の別邸の朝は、メイド達の溜息で始まる。
寝室は魔導具の設定により、夫婦が揃ってベッドにいる時はどう頑張っても中に入れなくなっている。
「…どうしましょうか、フェリテさん」
「決まってるわ……」
用意していたワゴンから手を離し、フェリテはステリナを見た。
「待つだけ時間の無駄だから、他の仕事するのよ!」
寝室のドアの近くにワゴンを起き、呼出用のベルを乗せると、さっさと新婚夫婦の部屋から出ていく。
「ステリナ。カル捕まえて、若様が今日は何時からなのかだけ、確認してきて!多分、いつもみたいに若奥様が、間に合うようには部屋から追い出すと思うけど、念の為に…」
「分かりました」
本邸で暮らす兄の元へ向かうステリナを見送り、フェリテはさっさと各部屋の清掃に向かった。
※※※※※※※※
「ふ……。ヴァン…、も、朝です…。無理…です……」
ベッドの上で、アリスティリアはイヤイヤと首を振った。
「まだ大丈夫です。陽は昇ってませんから……」
にっこりと笑い、アリスティリアの体を抱き起こす。
「ふぅぅん、ふか…いぃ…」
胡座をかいたエヴァンの腰に、足を絡めて跨るような姿勢に、中の熱棒が奥まで届いた。
「んん…。気持ちいいですか、リア?奥が吸い付いてきてますよ♪」
「ふあっ!グリグリらめぇっ!!」
腰を手で下へと引きながら、下から熱棒でアリスティリアを突き上げ、腰を前後左右に揺らすと、口の端から唾液を零しながら乱れ叫ぶ姿に、エヴァンは再び昂った。
「リア、可愛い♪あぁ。中もこんなに締めつけて…。最高です、リア!」
「やら…。もう。やらぁぁ……」
エヴァンの腰に絡めていた足を外され、両肩に担がれると、熱棒の角度と深さが変わる。
別の快感に襲われ、アリスティリアは体を震わせることしか出来ない。
「はぁ…。リアの中にいたい…。ずっとこうしてたい……」
「ひあぁっ!!」
繋がったまま後ろに倒され、そのままエヴァンがのしかかると、目の前を白い光がチカチカと光っているような感覚に襲われる。
「愛しくて可愛いリアを抱きしめて、リアと繋がったまま生活したい……」
「ふー。ふー……」
息も絶え絶えのアリスティリアの体をしっかりと抱きしめて、エヴァンは激しく音を立てながら腰の動きを早めた。
「ああ、リア…。リア!朝など来ずともよいのに…っ!!」
「あひゃ…、中…出て………」
一際強く突き上げて、アリスティリアの中に吐精するエヴァンは、ウットリとした顔をしていた。
「あ~。離れたくありません…。ねえ、リア…。今日はこのまま過ごしましょうか?」
「…過ごしま…せん…」
「そんな…。お願いです、リア…。リアの温かくて柔らかい。気持ちのいいここに、居させて下さい……」
拒むアリスティリアの顔中に、エヴァンがキスの雨を降らせていく。
「…ちゃんと…お仕事しない…の…嫌い…です…」
途切れ途切れで聞こえた言葉に、エヴァンの動きが止まる。
「無責任な人は…嫌いです…」
ゴクリと唾を飲み込み、エヴァンは恐る恐るアリスティリアの顔を見た。
「……」
涙目のアリスティリアがジトォッと、エヴァンを見上げている。
「~~~っ!!な、泣かないでください、リアッ!!ちゃんと仕事して来ます!ちゃんと働いてきますから、ね?」
涙目の愛しい妻には勝てないエヴァン。
夫婦喧嘩に発展しようもない二人の朝のやり取りであったーーーー。
グランディバルカス家の別邸の朝は、メイド達の溜息で始まる。
寝室は魔導具の設定により、夫婦が揃ってベッドにいる時はどう頑張っても中に入れなくなっている。
「…どうしましょうか、フェリテさん」
「決まってるわ……」
用意していたワゴンから手を離し、フェリテはステリナを見た。
「待つだけ時間の無駄だから、他の仕事するのよ!」
寝室のドアの近くにワゴンを起き、呼出用のベルを乗せると、さっさと新婚夫婦の部屋から出ていく。
「ステリナ。カル捕まえて、若様が今日は何時からなのかだけ、確認してきて!多分、いつもみたいに若奥様が、間に合うようには部屋から追い出すと思うけど、念の為に…」
「分かりました」
本邸で暮らす兄の元へ向かうステリナを見送り、フェリテはさっさと各部屋の清掃に向かった。
※※※※※※※※
「ふ……。ヴァン…、も、朝です…。無理…です……」
ベッドの上で、アリスティリアはイヤイヤと首を振った。
「まだ大丈夫です。陽は昇ってませんから……」
にっこりと笑い、アリスティリアの体を抱き起こす。
「ふぅぅん、ふか…いぃ…」
胡座をかいたエヴァンの腰に、足を絡めて跨るような姿勢に、中の熱棒が奥まで届いた。
「んん…。気持ちいいですか、リア?奥が吸い付いてきてますよ♪」
「ふあっ!グリグリらめぇっ!!」
腰を手で下へと引きながら、下から熱棒でアリスティリアを突き上げ、腰を前後左右に揺らすと、口の端から唾液を零しながら乱れ叫ぶ姿に、エヴァンは再び昂った。
「リア、可愛い♪あぁ。中もこんなに締めつけて…。最高です、リア!」
「やら…。もう。やらぁぁ……」
エヴァンの腰に絡めていた足を外され、両肩に担がれると、熱棒の角度と深さが変わる。
別の快感に襲われ、アリスティリアは体を震わせることしか出来ない。
「はぁ…。リアの中にいたい…。ずっとこうしてたい……」
「ひあぁっ!!」
繋がったまま後ろに倒され、そのままエヴァンがのしかかると、目の前を白い光がチカチカと光っているような感覚に襲われる。
「愛しくて可愛いリアを抱きしめて、リアと繋がったまま生活したい……」
「ふー。ふー……」
息も絶え絶えのアリスティリアの体をしっかりと抱きしめて、エヴァンは激しく音を立てながら腰の動きを早めた。
「ああ、リア…。リア!朝など来ずともよいのに…っ!!」
「あひゃ…、中…出て………」
一際強く突き上げて、アリスティリアの中に吐精するエヴァンは、ウットリとした顔をしていた。
「あ~。離れたくありません…。ねえ、リア…。今日はこのまま過ごしましょうか?」
「…過ごしま…せん…」
「そんな…。お願いです、リア…。リアの温かくて柔らかい。気持ちのいいここに、居させて下さい……」
拒むアリスティリアの顔中に、エヴァンがキスの雨を降らせていく。
「…ちゃんと…お仕事しない…の…嫌い…です…」
途切れ途切れで聞こえた言葉に、エヴァンの動きが止まる。
「無責任な人は…嫌いです…」
ゴクリと唾を飲み込み、エヴァンは恐る恐るアリスティリアの顔を見た。
「……」
涙目のアリスティリアがジトォッと、エヴァンを見上げている。
「~~~っ!!な、泣かないでください、リアッ!!ちゃんと仕事して来ます!ちゃんと働いてきますから、ね?」
涙目の愛しい妻には勝てないエヴァン。
夫婦喧嘩に発展しようもない二人の朝のやり取りであったーーーー。
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