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第九章 《祝福》されし者

《祝福》スキルを貰いました

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お気に入り登録ありがとうございます。
予想以上の方々に読んでもらえて有難いです。
宜しければ、完全に不定期更新ですが、
【双子の姉は『勇者』ですが、弟の僕は『聖女』です。】
もよろしくお願いします。


*********************


[ラフィン視点]

神界で何だかんだと色々な話ー主に若様のスキル関係ーを聞かされ、お嬢様と私の子供の性別まで聞いてしまったまま、再び金色の光に包まれました。

目を開けると元の神殿の中。
お嬢様もご一緒で、ホッとしました。ええ、本当に。

情報量多すぎました。最後まで私が呼ばれた理由はお聞かせ頂けませんでしたが、何となく聞かない方がお互いの為なような気がします。うん。

「ラフー♪」

「っ!」

両手を広げて、勢いよく飛びついてきたカフィル様を条件反射で避けました。ええ、条件反射です。

「ラフ…。心配したのに、酷い…」

「すみません、条件反射です」

キッパリと言わせて頂きます。

「リア!リア…。無事に戻って良かった……」

すぐ側では若様がお嬢様を、いやそれヤバくない?ってくらい抱きしめられておりました。

「おい、エヴァン離せっ!」
「力を弛めなさい!アリスが苦しがってるじゃないですかっ!!」

兄君達に助け出されたお嬢様は、大きく息を吐かれてました。

「ただいま戻りました…」

お嬢様は周りを見回すとそう言って、微笑まれました。
微笑まれた後、何かに気づかれたようで、笑顔が固まっています。

「…ところで、神獣様達のお姿が見えないのですが……?」

「「「…………」」」

お嬢様の言葉に、皆様視線を合わせないように逸らされます。

これは、非常に嫌な予感がします。

「…バスティン様もいません…」

ところで、署名は終わっていますが、これからどうするのでしょうか?

そんな事を考えていると、騒がしくなってまいりました。

「おおっ!戻ったのか、ティリア!!」

バスティン様と神獣様方が戻られました。

「ところで、神界あちらに呼ばれておったのであろう?どうであった?」

バスティン様がお嬢様ーいえ、もう若奥様でしたねーの頭を撫でながら、笑顔でお尋ねになりました。

「ええっと、色々な事をお聞きしたのですけど…。とりあえず【ギフト】を頂きました…」

「ほう。何を貰った?」

バスティン様が興味深そうに聞かれます。若奥様は、ちらりとこちらを見られました。

「……《祝福》というスキルを…」

ザワリと周りの皆様がどよめきましたが、あのスキル。本当は《神々からの祝福》というのが正式名称なのです。
ですが、そのままだと若奥様に迷惑がかかるだろうと、他の部分は聖王様クラスの《鑑定》持ちでない限り見えなくされました。

「????」

案の定、《鑑定》を使われたのでしょう。聖王様の視線がチラチラとこちらに向いております。

大丈夫です。後ほどしっかりと説明に参ります……。

フルフルと首を振ると、聖王様は沈黙を守られました。
そんな折、バスティン様が若奥様にとんでもない事をお伝えになりました。

「そうそう、ティリア。こっちにいる神獣の皆が、残りのドレスにもお祝いとして全部、付与をしてくれたからの♪」

「…………」

若奥様の表情は笑みを浮かべたままですが、目から光が消えていかれました。

分かります。やっとの思いで覚悟を決め、身に纏われている国宝級ドレス。
この一枚だけだからと、ご自分を無理やりに納得させておいででしたのに、残り全部も国宝級に変わったのです……。
申し訳ないことですが、我が身でないことがありがたいです。

「この婚姻は無効とすべきだ!!」

何処か遠くを見ていらっしゃる若奥様。
そんな若奥様を心配している若様に、突然、そんな言葉を言い出した集団が現れたのですーーーー。




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