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第六章 アリスティリア悟る
幸せすぎて死にそう
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[エヴァン視点]
「リア…、リア…」
腕の中のリアは、温かくて柔らかくて、とてもいい匂いをしていた。
「ん……、ふっ、んーんっ!!」
指でリアの輪郭を確かめ、唇で私の痕を刻み、舌でリアを味わった。
手の平に程よい大きさの膨らみは、触れたことのないくらい心地好く、その先の赤い実を口にすると上がり始めたリアの甘声をもっと聞きたくて、夢中で貪った。
しなやかな脚を撫で、脚の間に体を割り入れた時、リアの身体が薄らと光を放ち、色替えの魔術の効力が切れた。
「……リア。私の愛しいリア……」
白い肌は薄らと赤く上気し、シーツに拡がるリアの髪は溢れる光のようで、潤んだ水色の瞳が私を見ているのが分かった。
「ふぁ…。ヴァン…、ヴァン、気持ちい…」
体を小さく震わせながら、リアは私を受け入れようとしている。
「リア、欲しい……。リアの全てが私は欲しいんだ…」
「ひうっ!」
脚の間の繁みに指を滑り込ませると、ビクンと大きく体が震えた。
ーーそう言えば、女性の初めてはかなり痛みを伴うと聞いて、いつかはと用意した物が……。
「少し待ってて…」
私はリアの頬を撫で、額に口付けを落とすと、側に置いていたナイトテーブルの引き出しを開けた。
「……?」
そこから小瓶を取り出すと、上体を少し起こし、不思議そうに私を見ているリアと目が合った。
「大丈夫。リアに害のある物じゃないですよ。初めては痛いらしいと聞いたので、リアの為に《調合》した媚薬入りの香油です…」
※※※※※※※※
[アリスティリア視点]
いきなり離れていったエヴァン様に不安になり、体を起こしていると目が合って、手にしている小瓶を見せながら言われた言葉の意味を一瞬理解できなかった。
「……《調合》した?」
用意したのではなく《調合》したとエヴァン様は言った。
ーー貴方、騎士団長では??
タンスの中には大量のエヴァン様が作ったというドレス。
身に付けはしなかったけど、宝飾品もたくさんあって、それもエヴァン様の手作りと聞いて驚いたというのに、《調合》まで出来るって、何処の騎士団長ですか?って、グランラディアの騎士団長だった……。
「…やはり、私はおかしいのでしょうか?」
私の言葉にショボンとなるエヴァン様の頭に犬獣人のような耳が見えるのは、きっとわたしの気の所為……なハズ。
どう答えるか悩んでいると、エヴァン様はドンドン落ち込んでいくようで……。
「…や、あの…。聞いていいですか?」
シーツで一応体を隠し、そっと近寄ると不安気にこちらを見てくる。
ーーダメ……。すごく好き……♡
ギュンと心臓鷲掴みにされた気になりつつも、呼吸を整えた。
「エヴァン様、何でそんなにスキルあるんですか?」
「……そうですね。元々取得しやすかったのですが、リアの事を考え出してからは、欲しい物はたいてい取得できるようになってましたね。《ストーカー》のお陰でしょうか?」
「………は?」
今、聞いてはいけない物を聞いた気がした。
「えっと、何のお陰?」
聞き間違えたのだろうと、もう一度尋ねる。
「《ストーカー》スキルです」
ニッコリ笑って言ってますけど。それ、ホントは犯罪者スキルですからっ!!公にされてないけど、所持してたら監視対象スキルですからーっ!!
呆気に取られてるわたしに気づかず、エヴァン様は笑いながら続けた。
「このスキルのお陰で、リアのことをたくさん知れました。加護のせいで不自由な身ではありますが、リアの事を想ってる時だけは私が私でいられる気がするんです…」
「……もしかして、〖ギフト〗だったんですか?」
〖ギフト〗は神からの贈り物。
犯罪者スキルと呼ばれる物が〖ギフト〗として、贈られたというのならば、それは間違いなくエヴァン様の為に与えられたギフトだ。
ーーつまり、わたしの事をエヴァン様が知るために与えられたスキルってこと……??
そう考えた瞬間、ボンッと音が出そうなくらい身体中が熱くなってた。
「リア?どうしました?」
様子のおかしいわたしを心配そうに見つめ、伸ばしてきた指に頬を撫でられた。
「~~~っ!!」
それだけで、身体中が痺れてきて、ビクリと震えた。
「リア。私が嫌ならそれで構いません。想うことだけ許して欲しい…」
震えたわたしに拒絶されたと思ったらしいエヴァン様は、優しく頭を撫でて離れようとしている。
「…わた…し……」
涙が溢れて止まらない。
こんなにまで想われている自分は何て幸せなのだろう。
「…わたしは…貴方の…。いつかエヴァン様に会えたら、側にいたくて…。貴方の側にいさせて欲しくて、『護衛メイド』になることを選びました……」
今なら多分、幸せすぎて死ねそうな気がするんですよ、エヴァン様…………。
「リア…、リア…」
腕の中のリアは、温かくて柔らかくて、とてもいい匂いをしていた。
「ん……、ふっ、んーんっ!!」
指でリアの輪郭を確かめ、唇で私の痕を刻み、舌でリアを味わった。
手の平に程よい大きさの膨らみは、触れたことのないくらい心地好く、その先の赤い実を口にすると上がり始めたリアの甘声をもっと聞きたくて、夢中で貪った。
しなやかな脚を撫で、脚の間に体を割り入れた時、リアの身体が薄らと光を放ち、色替えの魔術の効力が切れた。
「……リア。私の愛しいリア……」
白い肌は薄らと赤く上気し、シーツに拡がるリアの髪は溢れる光のようで、潤んだ水色の瞳が私を見ているのが分かった。
「ふぁ…。ヴァン…、ヴァン、気持ちい…」
体を小さく震わせながら、リアは私を受け入れようとしている。
「リア、欲しい……。リアの全てが私は欲しいんだ…」
「ひうっ!」
脚の間の繁みに指を滑り込ませると、ビクンと大きく体が震えた。
ーーそう言えば、女性の初めてはかなり痛みを伴うと聞いて、いつかはと用意した物が……。
「少し待ってて…」
私はリアの頬を撫で、額に口付けを落とすと、側に置いていたナイトテーブルの引き出しを開けた。
「……?」
そこから小瓶を取り出すと、上体を少し起こし、不思議そうに私を見ているリアと目が合った。
「大丈夫。リアに害のある物じゃないですよ。初めては痛いらしいと聞いたので、リアの為に《調合》した媚薬入りの香油です…」
※※※※※※※※
[アリスティリア視点]
いきなり離れていったエヴァン様に不安になり、体を起こしていると目が合って、手にしている小瓶を見せながら言われた言葉の意味を一瞬理解できなかった。
「……《調合》した?」
用意したのではなく《調合》したとエヴァン様は言った。
ーー貴方、騎士団長では??
タンスの中には大量のエヴァン様が作ったというドレス。
身に付けはしなかったけど、宝飾品もたくさんあって、それもエヴァン様の手作りと聞いて驚いたというのに、《調合》まで出来るって、何処の騎士団長ですか?って、グランラディアの騎士団長だった……。
「…やはり、私はおかしいのでしょうか?」
私の言葉にショボンとなるエヴァン様の頭に犬獣人のような耳が見えるのは、きっとわたしの気の所為……なハズ。
どう答えるか悩んでいると、エヴァン様はドンドン落ち込んでいくようで……。
「…や、あの…。聞いていいですか?」
シーツで一応体を隠し、そっと近寄ると不安気にこちらを見てくる。
ーーダメ……。すごく好き……♡
ギュンと心臓鷲掴みにされた気になりつつも、呼吸を整えた。
「エヴァン様、何でそんなにスキルあるんですか?」
「……そうですね。元々取得しやすかったのですが、リアの事を考え出してからは、欲しい物はたいてい取得できるようになってましたね。《ストーカー》のお陰でしょうか?」
「………は?」
今、聞いてはいけない物を聞いた気がした。
「えっと、何のお陰?」
聞き間違えたのだろうと、もう一度尋ねる。
「《ストーカー》スキルです」
ニッコリ笑って言ってますけど。それ、ホントは犯罪者スキルですからっ!!公にされてないけど、所持してたら監視対象スキルですからーっ!!
呆気に取られてるわたしに気づかず、エヴァン様は笑いながら続けた。
「このスキルのお陰で、リアのことをたくさん知れました。加護のせいで不自由な身ではありますが、リアの事を想ってる時だけは私が私でいられる気がするんです…」
「……もしかして、〖ギフト〗だったんですか?」
〖ギフト〗は神からの贈り物。
犯罪者スキルと呼ばれる物が〖ギフト〗として、贈られたというのならば、それは間違いなくエヴァン様の為に与えられたギフトだ。
ーーつまり、わたしの事をエヴァン様が知るために与えられたスキルってこと……??
そう考えた瞬間、ボンッと音が出そうなくらい身体中が熱くなってた。
「リア?どうしました?」
様子のおかしいわたしを心配そうに見つめ、伸ばしてきた指に頬を撫でられた。
「~~~っ!!」
それだけで、身体中が痺れてきて、ビクリと震えた。
「リア。私が嫌ならそれで構いません。想うことだけ許して欲しい…」
震えたわたしに拒絶されたと思ったらしいエヴァン様は、優しく頭を撫でて離れようとしている。
「…わた…し……」
涙が溢れて止まらない。
こんなにまで想われている自分は何て幸せなのだろう。
「…わたしは…貴方の…。いつかエヴァン様に会えたら、側にいたくて…。貴方の側にいさせて欲しくて、『護衛メイド』になることを選びました……」
今なら多分、幸せすぎて死ねそうな気がするんですよ、エヴァン様…………。
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