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第十章 他国訪問〔ユーディアナ〕
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[エレオノーラ視点]
怒らせたなぁ…とは思っていたのだ。思ってはいたものの、原因が自分達ではなかったために、対応しなかったと言われれば、そうだとしか答えられない。
「ちょ、レオーッ!!」
「待て。マジにこれ、無理だからーっ!」
前回の討伐において、レオのやり方に不満を漏らした騎士達が、現在、元気に絶叫中です。
「えー?燃やしたら勿体ないって言ったじゃーん。ちゃあんと、みんなの好みの相手にしてあげたんだから、頑張ってー」
めちゃくちゃ感情も抑揚もない言葉を言いながら、レオは呑気にお茶を飲んでいる。
「いや、マジ。助けて、エレーーッ!!」
叫ばれても、こちらもどうしようもありません。
「自業自得とは言え、大丈夫なのか、あれは?」
義兄上が心配そうに見ている先には、レオによって《障壁》で隔離された一部の騎士達の姿があった。
ちなみに前回の不満のせいで、彼ら好みの上半身をしている女郎蜘蛛が、もれなく一体一緒に閉じ込められている。
本来、二人から三人が連携して倒す魔物を、一人で相手にしろと互いに逃げれないようにしているのである。
どんだけ怒らせたのか、それでも分かってないんだから……。
助け舟を出そうにも、こちらが一緒に沈みそうなのだ。静観するしかないに決まっている。
「あいつら、落ち着いて考えたら、自分達の身体に傷がないのに気づけんだろうに…」
そうなのだ。閉じ込めてはいるものの、ちゃっかり怪我をしたら自動で回復するようにしてあるので、余計に止められないのだ。
ちなみに女郎蜘蛛を倒さない限り、《障壁》は解除されないようになっていた。
レオの本気の怒り具合に、免れた騎士達は微かに震えている。
昼過ぎに始まった討伐は、夕暮れ時には終了した。
「「「……………」」」
死屍累々となった騎士達をよそに、通常討伐をしていた騎士達は、手早く野営の用意をしていく。
「…たっぷり堪能した?明日もちゃあんと、好みの子と一緒にしてあげるね♪」
『~~~~っ!!』
レオの無慈悲な言葉に、なれど疲れきって声も出せない彼らは反論も出来ず、翌日も閉じ込められた。
「こ、こんちくしょう……」
「し、死ぬ……。明日もやらされたら、オレは死ぬ…」
昨日よりはほんの少しだけ早く終わらせたせいか、今日はまだ文句を言う気力が残っていたらしい。
「………一人で出来るじゃん…。じゃあ、明日は二体『レオノーラ様、お許しくださいっ!!』」
レオが言い切るより先に、みんなが食い気味に叫びながら土下座した。
「……許すって何のこと?ねえ、何のことを許せばいーの?ねー、ねー?」
無表情でそう聞かれた騎士達は、ひたすら土下座したままで、さすがにしばらく経っても終わらなかったので、義兄上と共にレオを宥め、アルテの取り無しでそれ以降は普通の討伐に戻った。
しかし、彼らは学習していなかったのだ。
「あんないい女の上半身を、家に飾ってたら最高じゃね?」
そう言った騎士に同意した者達がいた。
「レオもあれくらい色気がありゃあなぁ~」
「………」
彼らはレオに聞こえていないと思っていたようだが、丸聞こえである。
スンと表情を無くしたレオに、義兄上もアルテも止めようがないとすぐに諦めた。もちろん、私もである。
「……これ。《空間収納》で持って帰ってあげたから、ちゃあんと宿舎に飾ってね♪」
後日。彼ら好みの上半身をした女郎蜘蛛から、しっかりと上半身だけを切り離していたレオは、《空間収納》でヒューゲル王国へ持ち帰り、部屋に戻って寛ごうとしていた彼らの目の前で、それを取り出し押し付けたのだったーーーー。
怒らせたなぁ…とは思っていたのだ。思ってはいたものの、原因が自分達ではなかったために、対応しなかったと言われれば、そうだとしか答えられない。
「ちょ、レオーッ!!」
「待て。マジにこれ、無理だからーっ!」
前回の討伐において、レオのやり方に不満を漏らした騎士達が、現在、元気に絶叫中です。
「えー?燃やしたら勿体ないって言ったじゃーん。ちゃあんと、みんなの好みの相手にしてあげたんだから、頑張ってー」
めちゃくちゃ感情も抑揚もない言葉を言いながら、レオは呑気にお茶を飲んでいる。
「いや、マジ。助けて、エレーーッ!!」
叫ばれても、こちらもどうしようもありません。
「自業自得とは言え、大丈夫なのか、あれは?」
義兄上が心配そうに見ている先には、レオによって《障壁》で隔離された一部の騎士達の姿があった。
ちなみに前回の不満のせいで、彼ら好みの上半身をしている女郎蜘蛛が、もれなく一体一緒に閉じ込められている。
本来、二人から三人が連携して倒す魔物を、一人で相手にしろと互いに逃げれないようにしているのである。
どんだけ怒らせたのか、それでも分かってないんだから……。
助け舟を出そうにも、こちらが一緒に沈みそうなのだ。静観するしかないに決まっている。
「あいつら、落ち着いて考えたら、自分達の身体に傷がないのに気づけんだろうに…」
そうなのだ。閉じ込めてはいるものの、ちゃっかり怪我をしたら自動で回復するようにしてあるので、余計に止められないのだ。
ちなみに女郎蜘蛛を倒さない限り、《障壁》は解除されないようになっていた。
レオの本気の怒り具合に、免れた騎士達は微かに震えている。
昼過ぎに始まった討伐は、夕暮れ時には終了した。
「「「……………」」」
死屍累々となった騎士達をよそに、通常討伐をしていた騎士達は、手早く野営の用意をしていく。
「…たっぷり堪能した?明日もちゃあんと、好みの子と一緒にしてあげるね♪」
『~~~~っ!!』
レオの無慈悲な言葉に、なれど疲れきって声も出せない彼らは反論も出来ず、翌日も閉じ込められた。
「こ、こんちくしょう……」
「し、死ぬ……。明日もやらされたら、オレは死ぬ…」
昨日よりはほんの少しだけ早く終わらせたせいか、今日はまだ文句を言う気力が残っていたらしい。
「………一人で出来るじゃん…。じゃあ、明日は二体『レオノーラ様、お許しくださいっ!!』」
レオが言い切るより先に、みんなが食い気味に叫びながら土下座した。
「……許すって何のこと?ねえ、何のことを許せばいーの?ねー、ねー?」
無表情でそう聞かれた騎士達は、ひたすら土下座したままで、さすがにしばらく経っても終わらなかったので、義兄上と共にレオを宥め、アルテの取り無しでそれ以降は普通の討伐に戻った。
しかし、彼らは学習していなかったのだ。
「あんないい女の上半身を、家に飾ってたら最高じゃね?」
そう言った騎士に同意した者達がいた。
「レオもあれくらい色気がありゃあなぁ~」
「………」
彼らはレオに聞こえていないと思っていたようだが、丸聞こえである。
スンと表情を無くしたレオに、義兄上もアルテも止めようがないとすぐに諦めた。もちろん、私もである。
「……これ。《空間収納》で持って帰ってあげたから、ちゃあんと宿舎に飾ってね♪」
後日。彼ら好みの上半身をした女郎蜘蛛から、しっかりと上半身だけを切り離していたレオは、《空間収納》でヒューゲル王国へ持ち帰り、部屋に戻って寛ごうとしていた彼らの目の前で、それを取り出し押し付けたのだったーーーー。
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