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第八章 魔導具の聖地?
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[アストル視点]
「アル。トワレ男爵領で、何やら面白い魔導具が出回ってるらしい。あそこなら問題もなかろうから、初仕事として行っておいで♪」
そう言って、国王である父上から僕が命じられたのは、魔導具の聖地と呼ばれているトワレ男爵領へのお忍び視察だった。
お忍びとはいえ、初めての公務。初めての遠出。
いつもの授業の一環でしている、王都でのお忍びとは違います。
護衛にはレオ姉様達とよく討伐に出るアルテの所属する分隊が付いてくれました。魔獣ばかりか盗賊にも強い者達なので安心です。
何より、レオ姉様の行動に慣れている!!
※注 何が起こるか分からないことが多いから、何とか対応できる能力が他の者達よりかなり高い。
これは、とても重要です!
これほど万全に準備をしていていただいたのです。しっかり視察を務めねばっ!!
ーーそう気合を入れて向かったトワレ男爵領は………。
「…アルテ。トワレ男爵領は魔導具の聖地と伺っていたのですが……」
目に入る風景に思わず隣に立つアルテに声をかけました。
「あー。そうですね。前に来た時より、かなり様変わりしてますね、これ……」
「様変わり………」
そんな言葉で済まされるのでしょうか?
僕の目の前では、無数のレオ姉様が動き回っています。
僕より小さな形で踊るレオ姉様。頭上では勇ましく魔物討伐をしているレオ姉様…と、あちこちでレオ姉様の色んな姿が見られているのです。
「……アルテ隊長…」
護衛の一人が恐る恐るアルテに声をかけました。
「あの上に映っている討伐。我々が出かける前に入った依頼の討伐でないかと……」
「は?いや……。確かにそうだ。…待て!つまり、これは現在の状況がここで見られているということかっ!!」
『っ!?』
驚いて再び見上げる僕達に、近くを通りかかったご婦人が笑いだしました。
「あんたら、他所から来たのかい?すごいだろ?あれは新しく出来た、〘騙されま戦士〙を改良したとかいうやつでね。〘いつでも見れ鼠〙ってやつさ!」
何なんでしょう、その名前………。
呆気に取られている僕達に、ご婦人は近くにある噴水を指差しました。
「あそこの噴水の側に、黒い鼠の置きもんがあるだろ?あれと白い鼠の置きもんがセットになってんだよ。白いのから見えてる景色が、黒いのに送られてくんのさ。何でも国内の半分くらいの距離なら送れるそうだよ。最も、白い方は使用者が操作してなきゃいけないようだけどさ!」
つまり僕達が見ているのは、現在、魔物を討伐しているレオ姉様達の姿に間違いないということではないですかっ!?
「……か、改良の速さが半端ない……」
アルテが頭を抱えてそう呟いてました。
時折、エレ兄様の姿を映している物もありましたが、ほとんどレオ姉様です。
いつの物なのか、色んなドレス姿のレオ姉様もありました。
「……あれはダメでは無いのですか?」
「いや、殿下。多分、ドレスのヤツはガディル殿下の仕事です……。あの方、レオを閉じ込めたがる割には、見せびらかしたがる方なので……」
……そうですか。ガディル殿の……。レオ姉様、大変ですね。
そんな現象がしばらく続き、トワレ男爵領は【魔導具の聖地】から、いつの間にか【『勇者』信仰の地】と呼ばれるようになりました……。
レオ姉様。信仰されちゃいましたよーーーー。
「アル。トワレ男爵領で、何やら面白い魔導具が出回ってるらしい。あそこなら問題もなかろうから、初仕事として行っておいで♪」
そう言って、国王である父上から僕が命じられたのは、魔導具の聖地と呼ばれているトワレ男爵領へのお忍び視察だった。
お忍びとはいえ、初めての公務。初めての遠出。
いつもの授業の一環でしている、王都でのお忍びとは違います。
護衛にはレオ姉様達とよく討伐に出るアルテの所属する分隊が付いてくれました。魔獣ばかりか盗賊にも強い者達なので安心です。
何より、レオ姉様の行動に慣れている!!
※注 何が起こるか分からないことが多いから、何とか対応できる能力が他の者達よりかなり高い。
これは、とても重要です!
これほど万全に準備をしていていただいたのです。しっかり視察を務めねばっ!!
ーーそう気合を入れて向かったトワレ男爵領は………。
「…アルテ。トワレ男爵領は魔導具の聖地と伺っていたのですが……」
目に入る風景に思わず隣に立つアルテに声をかけました。
「あー。そうですね。前に来た時より、かなり様変わりしてますね、これ……」
「様変わり………」
そんな言葉で済まされるのでしょうか?
僕の目の前では、無数のレオ姉様が動き回っています。
僕より小さな形で踊るレオ姉様。頭上では勇ましく魔物討伐をしているレオ姉様…と、あちこちでレオ姉様の色んな姿が見られているのです。
「……アルテ隊長…」
護衛の一人が恐る恐るアルテに声をかけました。
「あの上に映っている討伐。我々が出かける前に入った依頼の討伐でないかと……」
「は?いや……。確かにそうだ。…待て!つまり、これは現在の状況がここで見られているということかっ!!」
『っ!?』
驚いて再び見上げる僕達に、近くを通りかかったご婦人が笑いだしました。
「あんたら、他所から来たのかい?すごいだろ?あれは新しく出来た、〘騙されま戦士〙を改良したとかいうやつでね。〘いつでも見れ鼠〙ってやつさ!」
何なんでしょう、その名前………。
呆気に取られている僕達に、ご婦人は近くにある噴水を指差しました。
「あそこの噴水の側に、黒い鼠の置きもんがあるだろ?あれと白い鼠の置きもんがセットになってんだよ。白いのから見えてる景色が、黒いのに送られてくんのさ。何でも国内の半分くらいの距離なら送れるそうだよ。最も、白い方は使用者が操作してなきゃいけないようだけどさ!」
つまり僕達が見ているのは、現在、魔物を討伐しているレオ姉様達の姿に間違いないということではないですかっ!?
「……か、改良の速さが半端ない……」
アルテが頭を抱えてそう呟いてました。
時折、エレ兄様の姿を映している物もありましたが、ほとんどレオ姉様です。
いつの物なのか、色んなドレス姿のレオ姉様もありました。
「……あれはダメでは無いのですか?」
「いや、殿下。多分、ドレスのヤツはガディル殿下の仕事です……。あの方、レオを閉じ込めたがる割には、見せびらかしたがる方なので……」
……そうですか。ガディル殿の……。レオ姉様、大変ですね。
そんな現象がしばらく続き、トワレ男爵領は【魔導具の聖地】から、いつの間にか【『勇者』信仰の地】と呼ばれるようになりました……。
レオ姉様。信仰されちゃいましたよーーーー。
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