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第二章 『勇者』は商売です!
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[???視点]
「ねえ。お二人が帰ってきたって聞いた?」
「聞いた、聞いた!」
「レンドル様の戴冠式でお披露目式もするとかで、急いで戻られたんだそうよ」
洗濯場で洗濯女中達が、キャーキャー騒ぎながら、お二人の話をしてた。
お二人ー『勇者』レオ様と、『聖女』エレ様の話は、城で働く人間なら、誰もが気になる話題だ。
「お二人共、未だ婚約者は決められていないでしょ?」
「レンドル様やサラディール様が、お認めになられていないそうよ。お二人共、平民の出でしょう?だから、貴族に限定するつもりは無いって、公言されたそうよ」
「それって、あたし達にもチャンスがあるって事よね?」
「やだ、あんた!そのソバカスまみれの顔で、レオ様の隣に並ぶつもりぃ?」
「なーによ、知らないのぉ?レオ様。あたしのソバカスが可愛いねって、言ってくれたんだからぁ」
「だったら、あたしだって、働き者の手だねって言われたわよぉ!」
本気なのか冗談なのか、彼女達は楽しそうに話してます。
「……」
少し前までなら、ワタシも彼女達のように侍女仲間とお二人の話をしてましたのに……。
「ああ、こちらにいたのね。早くいらっしゃい!サラディール様がお待ちですよ!」
「は、はい!侍女長様っ!!」
ワタシのような男爵家からの行儀見習い上がりの侍女が、明日には王妃殿下となられるサラディール様に呼び出されるなんて、きっと例の件が知られてしまったのでしょう。
願わくば、家族には何もありませんようにーーーー。
※※※※※※※※
「まあっ!よく似合っていてよ、二人とも!!」
漆黒の騎士服に、蒼黒のマントを羽織ったレオノーラ。
純白の修道服を身につけたエレオノール。
二人の姿にサラディールと、着替えを手伝ったダリヤは、満足気に頷いていた。
「それにしても、レオ様には感心しました。まさか、修道服を新しく作らせてしまうなど…」
ダリヤの言葉に、双子は顔を見合わせて笑った。
「だって、エレが可哀想でしょ?これなら、男女兼用になるから、レン兄様の計画通りだしね」
「レオの騎士服だって、首までピッチリ隠してるから、分からないよねぇ」
エレの修道服は、首元を緩く覆ったシャツの上から着た貫頭衣の下に、所謂キュロットスカートを履いた物だ。
勿論、異世界で見た服を、エレがレオに聞いたために出来た服である。
対するレオの騎士服は、首元はホックでかっちり締まるようにしていて、これは個人の自由となっている。
どちらの服も喉仏を誤魔化すためである。
「こっちの用意はどうだ?」
レンドルが側近を引き連れて現れる。
「「レン兄様!!」」
「おおっ!!二人とも、よく似合っているぞ!」
レンドルも周りの側近達も、満足気に頷きあった。
「それと、ご苦労だったな。無事に討伐を終えてくれて、感謝するぞ……」
二人を抱き寄せ、感謝を述べるレンドルに、二人は苦笑した。
「感謝も何も、それがレオ達の仕事だよ」
「そうそう。レン兄様は、明日からは国王陛下になるんだから、『良くやったお前ら!』って感じでいいよ」
二人の言葉に、レンドルはさらに強く抱きしめた。
「あー!父様、ずるーいっ!!」
「ずるいです、父様っ!僕達もレオ様やエレ様に抱っこしてもらいたいです!!」
現れたのは七歳になるレンドルの長男アストル・ラース・ヒューゲルと、五歳になる長女エマリア・レン・ヒューゲルであった。
「アル!エマ!」
「おいで、二人とも!」
レンドルから離れた二人が、両手を広げてしゃがみこむ。
「「っ!」」
呼ばれた二人は、弾けるような笑顔を浮かべて、二人の腕の中へと飛び込んで行った。
アルはエレに。エマはレオに。
二人は双子の性別を知っているが、幼いながらも賢く、自分達も双子を守るのだと、周りの誤解をそのままにするのに一役買っていた。
「そうだわ!お披露目式の時も、二人をそのように抱き上げてもらおうかしら!!」
「それはよろしゅうございますね」
サラディールの言葉にダリヤが頷く。
「ふむ。では〖祝福の華〗を渡す役を子供達に変更するか。私が渡すより、民衆受けは良さそうだ♪」
「「ほんと!」」
抱き上げられた二人の瞳は、キラキラと輝いている。
「バル。大神官殿に伝えるように…」
レンドルの言葉にハンニバルが頷く。
「では、わたくし達も子供達の衣装を少し手直ししましょう♪そうだわ!確か、トワレ男爵令嬢が刺繍や手直しが得意と聞いたわ。侍女長に彼女を呼ぶように伝えてちょうだいな」
サラディールの言葉にダリヤが動く。
室内は、賑やかに明日の話で盛り上がるのだったーーーー。
「ねえ。お二人が帰ってきたって聞いた?」
「聞いた、聞いた!」
「レンドル様の戴冠式でお披露目式もするとかで、急いで戻られたんだそうよ」
洗濯場で洗濯女中達が、キャーキャー騒ぎながら、お二人の話をしてた。
お二人ー『勇者』レオ様と、『聖女』エレ様の話は、城で働く人間なら、誰もが気になる話題だ。
「お二人共、未だ婚約者は決められていないでしょ?」
「レンドル様やサラディール様が、お認めになられていないそうよ。お二人共、平民の出でしょう?だから、貴族に限定するつもりは無いって、公言されたそうよ」
「それって、あたし達にもチャンスがあるって事よね?」
「やだ、あんた!そのソバカスまみれの顔で、レオ様の隣に並ぶつもりぃ?」
「なーによ、知らないのぉ?レオ様。あたしのソバカスが可愛いねって、言ってくれたんだからぁ」
「だったら、あたしだって、働き者の手だねって言われたわよぉ!」
本気なのか冗談なのか、彼女達は楽しそうに話してます。
「……」
少し前までなら、ワタシも彼女達のように侍女仲間とお二人の話をしてましたのに……。
「ああ、こちらにいたのね。早くいらっしゃい!サラディール様がお待ちですよ!」
「は、はい!侍女長様っ!!」
ワタシのような男爵家からの行儀見習い上がりの侍女が、明日には王妃殿下となられるサラディール様に呼び出されるなんて、きっと例の件が知られてしまったのでしょう。
願わくば、家族には何もありませんようにーーーー。
※※※※※※※※
「まあっ!よく似合っていてよ、二人とも!!」
漆黒の騎士服に、蒼黒のマントを羽織ったレオノーラ。
純白の修道服を身につけたエレオノール。
二人の姿にサラディールと、着替えを手伝ったダリヤは、満足気に頷いていた。
「それにしても、レオ様には感心しました。まさか、修道服を新しく作らせてしまうなど…」
ダリヤの言葉に、双子は顔を見合わせて笑った。
「だって、エレが可哀想でしょ?これなら、男女兼用になるから、レン兄様の計画通りだしね」
「レオの騎士服だって、首までピッチリ隠してるから、分からないよねぇ」
エレの修道服は、首元を緩く覆ったシャツの上から着た貫頭衣の下に、所謂キュロットスカートを履いた物だ。
勿論、異世界で見た服を、エレがレオに聞いたために出来た服である。
対するレオの騎士服は、首元はホックでかっちり締まるようにしていて、これは個人の自由となっている。
どちらの服も喉仏を誤魔化すためである。
「こっちの用意はどうだ?」
レンドルが側近を引き連れて現れる。
「「レン兄様!!」」
「おおっ!!二人とも、よく似合っているぞ!」
レンドルも周りの側近達も、満足気に頷きあった。
「それと、ご苦労だったな。無事に討伐を終えてくれて、感謝するぞ……」
二人を抱き寄せ、感謝を述べるレンドルに、二人は苦笑した。
「感謝も何も、それがレオ達の仕事だよ」
「そうそう。レン兄様は、明日からは国王陛下になるんだから、『良くやったお前ら!』って感じでいいよ」
二人の言葉に、レンドルはさらに強く抱きしめた。
「あー!父様、ずるーいっ!!」
「ずるいです、父様っ!僕達もレオ様やエレ様に抱っこしてもらいたいです!!」
現れたのは七歳になるレンドルの長男アストル・ラース・ヒューゲルと、五歳になる長女エマリア・レン・ヒューゲルであった。
「アル!エマ!」
「おいで、二人とも!」
レンドルから離れた二人が、両手を広げてしゃがみこむ。
「「っ!」」
呼ばれた二人は、弾けるような笑顔を浮かべて、二人の腕の中へと飛び込んで行った。
アルはエレに。エマはレオに。
二人は双子の性別を知っているが、幼いながらも賢く、自分達も双子を守るのだと、周りの誤解をそのままにするのに一役買っていた。
「そうだわ!お披露目式の時も、二人をそのように抱き上げてもらおうかしら!!」
「それはよろしゅうございますね」
サラディールの言葉にダリヤが頷く。
「ふむ。では〖祝福の華〗を渡す役を子供達に変更するか。私が渡すより、民衆受けは良さそうだ♪」
「「ほんと!」」
抱き上げられた二人の瞳は、キラキラと輝いている。
「バル。大神官殿に伝えるように…」
レンドルの言葉にハンニバルが頷く。
「では、わたくし達も子供達の衣装を少し手直ししましょう♪そうだわ!確か、トワレ男爵令嬢が刺繍や手直しが得意と聞いたわ。侍女長に彼女を呼ぶように伝えてちょうだいな」
サラディールの言葉にダリヤが動く。
室内は、賑やかに明日の話で盛り上がるのだったーーーー。
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