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第二章

第11話

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 私は、修練の塔での修行を経て自信をつけたものの、次のステップへ進むためにはパーティーを組む必要があった。しかし、私が非戦闘員であることや、ある程度大きな村ではあるが、顔見知りが多く、私の存在が周囲に広く知られている。そのため、パーティーを組んでくれる冒険者を見つけるのは容易ではなかった。

 数日が経ち、私はギルドセンターでの募集掲示板を見上げながら、ため息をついた。周囲では既に固定パーティーを組んでいる冒険者たちが多く、私に対して「危険すぎる」といった心配の声が上がっていた。

 その時、ふと耳にしたのは、村の住人たちの噂話だった。

「先日、魔の森の方角に流れ星か隕石が落ちたらしいぞ」

「そうそう、でもあそこは悪魔が封印されている場所だ。普通の冒険者じゃ確認すら無理だろう」

「聞いたか? 魔物が悲鳴を上げるような声が、森中にこだましたって話だ。あの森に何が起こっているんだ……?」

 住人たちは興味津々で噂話を続けたが、その内容は私の耳に重く響いた。魔の森は、私の宿敵である悪魔が封印されている場所であり、その封印が解かれる日はまだ先のはずだった。だが、森の中で起こった異変が、何か不吉な前兆であることは明らかだった。

「今の私のレベルじゃ、あの森に近づくのは無理ね・・・」私は、そんな思いを胸に抱きながら、再びギルドセンターの掲示板を見つめた。

 しばらくして、私はベルにゃんこに相談することにした。ギルドセンターの受付に向かい、ベルにゃんこに自分の悩みを打ち明けた。

「ベルにゃんこ、パーティーが組めないの。どうしたらいいかしら?」

 ベルにゃんこは私の言葉を聞き、しばらく考え込んだ後、ふと思い出したように話し始めた。

「実は、最近うちの農場で世話になっている二人の少女がいるの。彼女たちは、たぶん元貴族だったんじゃないかと思うの。色々あってお金に困っているみたいで、今は農場の手伝いをしてもらっているのよ。でも、ギルド職員としての経験から言わせてもらうと、彼女たちは悪い子じゃないと思うわ。どちらかというと、悪い人に利用されたり、いじめられたりしそうなタイプね。貴族には向かない感じがするの」


「どんな子たちなの?」

「一人は無表情で、言葉をしゃべれない貴族の少女。彼女は感情がなく見えるけど、どうやらメイドにゃんこさんから教わった手作りお菓子が大好きみたいで、いつも欲しそうに見つめてるの。もう一人は少し天然だけど力持ちの少女で、彼女は動きからすごく強いオーラを感じるの」

「それで、その子たちにお願いするっていうの?」

「そうなの。実は私も彼女たちのスキルやレベルがどれほどのものか、正確には分からないの。私の鑑定能力では読み取れないのよ。だから、もしかしたら彼女たちはかなりの実力者かもしれない。あなたが相談してみたらどうかしら?」

 私はベルにゃんこの話を聞きながら、不安と期待が入り混じる感情を抱いた。頼んでみる価値はあるかもしれない。もしかしたら、彼女たちは自分にとって強力な仲間になってくれるかもしれない。

「分かったわ、ベルにゃんこ。その子たちに会ってみる」

 私は決意を固め、農場へと向かうことを心に決めた。次なる挑戦は、思わぬ形で始まろうとしていた。
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