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其の106 ドロヌトクロトファー*とら

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 ちゃぷん。

「ふぅー~~」
 湯船に浸かりながら、とらが大きく息を吐いていた。
 表情は満面の笑顔で、ニタニタ、している。
「本当に、本っっっっ当に、可っっっ愛い~~」
 ばしゃばしゃ!
 湯船を掌で叩くとら。

 三好に会ってなかった分。
 三好の愛しさが、爆発していた。
「もう、孕ませたいっっ! もう、もう!」
 顔を左右にとらは振り、大きく悶えた。
「僕は、うん……そうさ、僕は!」
 とらは張ったお湯を見据え、ありのままの言葉を漏らした。
 濱路のところで、感じていた胸の痛みの意味を。

 ようやく、認めることが出来た。

「僕は、大樹のことが溜まらなく大好きなんだ!」

 認めることが出来れば、あとのことは一気に。
 愛しさが爆発する。

「ぅんー~~好き、スキー~~大樹ー~~♡」

 ばしゃばしゃ!

「大樹だって、僕のことが好きなはずだよ♡」

 でれ。
 だらしない顔になるとら。
 彼に調子のいいように考えて居た。
 三好に確かめることなく。
「うん、うん! そうだよー~~♡」
 ばっしゃん、ばっしゃん!
 テンションMAXで、湯船を叩く。
「うん、うん! だから、だからー~~……」
 湯船からとらが立ち上がった。

「僕の子を産んでくれるはずだよ!」

 ふるふる、と顔を揺らす。
 目はキラキラと輝いている。

 明るい未来に興奮も抑えられない。

 ◆

「好、き?」

 三好はドロヌトクロトファーに聞き返してしまう。
 アナルには、彼のペニスが挿入ったままだ。
 中で。強く、熱くーー彼が脈打っている。
「そうだ」
「おじさ、ん……と」
「そうだ」
「クロさん……?」

「そうだ」

 ビトーにも問いただされたことを。
 その上司の彼に。
 またしても、問いただされる。
「貴様はどっちが、誰が《好き》なのだ??」
「ぅ、クロさ、中……くる、し、ぃで、す」
 答えようと考えて居るのに、意識が彼の茎にいってしまう。
「っは! 苦しいだけか? この淫乱ビッチが」

 っぐ。

 ぐぐぐ!

「……き、もち……ぃ、で……あ゛♡ ん、んん゛ん!♡」
 三好も弱々しく答え、
「奥、突いて、くだ……さ……ぃ♡ ぉ、ねが♡」
 腰を揺らした。
 無意識の行為《それ》に、彼も煽られる。
 生唾を、飲み込み。
 ほくそくみ、三好の首を噛んだ。
 がじ!
「! った♡♡♡」
 歯形がつき、滲んでしまった血を、彼が舌で舐める。
 その、一つ一つの行為が。
 三好を煽っていくのが、三好自身も、分かって居る。

 ただ。

(ど、したら、ぃいのかな? お、オレ……、オレ♡)

 ドロヌトクロトファーとのSEXも。
 とらとのSEXも。

 どちらも。

 三好は、溜まらなく。
 心も、身体も震えるほどに愛しく、満たされることが嬉しい。

「ぁ」

 ここで、ようやく三好も。
 《好き》の意味を。
 なんととなく、薄ぼんやりとだったが。

 分かった気がした。

(おじさん、と……クロさんの――)

 っぐ。

 ぬぷぷぷ――……。

「っふぁ゛♡ ンんん゛♡ ぁ、あ、ああ、ぁ゛♡」
「!? っく。おい、貴様、そんなに強く咥えるほど、私の茎が恋しかったか? っふ。よかろう、貴様の好きな奥を突いてやるぞ! ほらぁ!」

 っぱん!

 ぱじゅ、ちゅ!

「も。ォ、オレ、い……っちゃ♡ っふ、ぁ゛♡ あ、あああ゛♡♡♡」

 びゅるるる!

 びしゃしゃ!

「あ゛ー~~♡ あ゛ー~~♡♡」

 一人、勝手に射精ってしまった三好に。
 ドロヌトクロトファーは、舌打ちをする。
 そして。

 ズル――……。
 茎を穴から抜いた。
 まだ、射精ってないというのに。
「子供が!」
 優しく三好を抱きしめると、持ち上げた。
 そして、顔を覗き込むと、伺うように見た。
 紅潮させた頬に、視点の合わない目。
 だらしなく涎を垂らす口許を、彼が手で拭う。
「……子供相手に、私が本気になってしまうとはな」
 そう額に口づけをしたときだった。

「大樹ーあのね! あのねー~~♡」

 湯上りのとらが戻って来たのは。

「「…………」」

 鉢合わせになった2人は無言で睨み合う。

「クロ、ちゃん」

「ドロヌトクロトファー、っだ!」
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