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其の10 入浴へ*興奮
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ちゃぷん。
「っふ、っはぁ~~」
恵比寿が気持ちよさそうに声を漏らした。
家の風呂は対して大きくなかった。
3.5畳程度の浴室。浴槽も狭い。
一人が入れば一杯になってしまう。
しかし、そこは。
「なあ。この入り方で合っているのかい?」
まず、大きな身体のビトーを入れる。
それから。身体が幼く、小柄な恵比寿が膝の上に乗っかった。
背中をはトーに預けている恰好だ。
「っふぁ~~んー~~!」
大きく腕を前に伸ばし、背中をビトーの胸に押し付ける。
(軽いな)
恵比寿の身体の軽さに、ビトーも興味が沸く。
「生き返る~~! っふぁ~~あ!」
「イキカエル? どういう意味だい?」
ちゃぷん。
「ん?」
恵比寿が振り返り、ビトーを見た。
「ん~~っとね~~ぇ~~」
目を上にやり考えている。
バシャ!
「幸せってことだよ!」
にっこりと恵比須はビトーに説明をした。
しかし、ビトーには幸せの意味が分からないのだ。
「……シアワセ??」
「そ~~幸せ! 気持ちいいでしょ?!」
ビトーもお湯に浸かっており、徐々にその熱の温かさに気持ちよさを覚えた。
じわ。
身体にまとわりついた気持ち悪いものが取れていく感覚がある。
全身を包み込むお湯に、ほぉとため息も出た。
「あ……ぁ、ああ」
じわじわ。
これは確かに気持ちがいい。
恵比須と合わさった個所から伝う温もりも好ましい。
「温かい」
じわわ。
ビトーからの納得の言葉を一番に喜んだのは恵比須だ。
「でっしょ~~!」
本当に恵比寿は、よく笑う。
その表情にビトーも絆される。
「ああ。そうだね」
黒く短い恵比寿の髪の毛に、恐る恐ると指をやる。
そして、撫でてみる。
いい子、いい子ーーと。
「さってと! 身体をきれーに洗わなきゃな!」
バシャ!
勢いよく恵比寿は、浴槽から上がった。
「む」
その行為に、ビトーの眉間に、深いシワが刻まれる。
浴槽の中に取り残されてしまったからだ。
途端に、温かみがなくなったかのように感じた。
「アラウとはなんだ? タカラ」
「身体のね~~垢汚れを~~この石鹸を、このボディタオルにこすって泡立てて~~ほら! これが泡!」
石鹸の、独特の匂いに。
「む。いい匂いだね。そのセッケンとやらは」
「うん! 俺も石鹸の匂いは好き!」
ごしごし!
「ふむ」
恵比寿が身体を洗う様子を眺める
(細い身体だな)
白い肌。
その上に赤い痣がある。
首の辺りに。
「あ、れは??」
キスマーク、だということはビトーも分かった。
だが、しかし。
ビトーには、つけた記憶がない。
ピリ。
「タカラ」
ピリピリ。
「あの怪人には、どこまでされたんだい?」
ピリピリ。
「? どこまでって? 言ってる意味が分かんないんだけど??」
ボディタオルを動かしていた手が止まる。
「首にキスとか、痛みはしなかったかい?」
「?? だから、何?? 知らないよ!」
恵比寿の顔が険しくなっていく。
「なんなの?? ビトーさん?!」
バシャ!
ビトーが立ち上がった。
彼の表情も、怒りの色が濃い。
「これだから、子供は‼」
恵比寿の腕を掴むなり、無理やり身体を抱き寄せた。
「子供め!」
ぎゅ!
「く、るしいよ! ビトー」
声を荒げる恵比須を無視して抱き締めた。
そしてあろうことか。
泡まみれの恵比寿を、そのまま浴槽の中へと押し入れた。
ボチャ、ン‼
「わ、っぷ!?」
恵比寿はやった張本人を睨みつけた。
見下ろすビトーの表情は冴えない。
「ビトー! なんなの?? 急にさ!」
「煩いな」
そう言うと、恵比寿の頭を掴み引き寄せ、唇に唇を押し付けた。
恵比寿は驚いた。ただ、驚いた。
「ゃ、止めてよ……こんな、ことは」
恵比寿の目が涙に揺れた。
「ダメだ、それは……出来ない」
ビトーは、そんな恵比寿に煽られている。
興奮も抑えられない、苦々しい顔を向けた。
恵比寿の肩に顔を埋めると、そこは石鹸のいい匂いがした。
「っふ、っはぁ~~」
恵比寿が気持ちよさそうに声を漏らした。
家の風呂は対して大きくなかった。
3.5畳程度の浴室。浴槽も狭い。
一人が入れば一杯になってしまう。
しかし、そこは。
「なあ。この入り方で合っているのかい?」
まず、大きな身体のビトーを入れる。
それから。身体が幼く、小柄な恵比寿が膝の上に乗っかった。
背中をはトーに預けている恰好だ。
「っふぁ~~んー~~!」
大きく腕を前に伸ばし、背中をビトーの胸に押し付ける。
(軽いな)
恵比寿の身体の軽さに、ビトーも興味が沸く。
「生き返る~~! っふぁ~~あ!」
「イキカエル? どういう意味だい?」
ちゃぷん。
「ん?」
恵比寿が振り返り、ビトーを見た。
「ん~~っとね~~ぇ~~」
目を上にやり考えている。
バシャ!
「幸せってことだよ!」
にっこりと恵比須はビトーに説明をした。
しかし、ビトーには幸せの意味が分からないのだ。
「……シアワセ??」
「そ~~幸せ! 気持ちいいでしょ?!」
ビトーもお湯に浸かっており、徐々にその熱の温かさに気持ちよさを覚えた。
じわ。
身体にまとわりついた気持ち悪いものが取れていく感覚がある。
全身を包み込むお湯に、ほぉとため息も出た。
「あ……ぁ、ああ」
じわじわ。
これは確かに気持ちがいい。
恵比須と合わさった個所から伝う温もりも好ましい。
「温かい」
じわわ。
ビトーからの納得の言葉を一番に喜んだのは恵比須だ。
「でっしょ~~!」
本当に恵比寿は、よく笑う。
その表情にビトーも絆される。
「ああ。そうだね」
黒く短い恵比寿の髪の毛に、恐る恐ると指をやる。
そして、撫でてみる。
いい子、いい子ーーと。
「さってと! 身体をきれーに洗わなきゃな!」
バシャ!
勢いよく恵比寿は、浴槽から上がった。
「む」
その行為に、ビトーの眉間に、深いシワが刻まれる。
浴槽の中に取り残されてしまったからだ。
途端に、温かみがなくなったかのように感じた。
「アラウとはなんだ? タカラ」
「身体のね~~垢汚れを~~この石鹸を、このボディタオルにこすって泡立てて~~ほら! これが泡!」
石鹸の、独特の匂いに。
「む。いい匂いだね。そのセッケンとやらは」
「うん! 俺も石鹸の匂いは好き!」
ごしごし!
「ふむ」
恵比寿が身体を洗う様子を眺める
(細い身体だな)
白い肌。
その上に赤い痣がある。
首の辺りに。
「あ、れは??」
キスマーク、だということはビトーも分かった。
だが、しかし。
ビトーには、つけた記憶がない。
ピリ。
「タカラ」
ピリピリ。
「あの怪人には、どこまでされたんだい?」
ピリピリ。
「? どこまでって? 言ってる意味が分かんないんだけど??」
ボディタオルを動かしていた手が止まる。
「首にキスとか、痛みはしなかったかい?」
「?? だから、何?? 知らないよ!」
恵比寿の顔が険しくなっていく。
「なんなの?? ビトーさん?!」
バシャ!
ビトーが立ち上がった。
彼の表情も、怒りの色が濃い。
「これだから、子供は‼」
恵比寿の腕を掴むなり、無理やり身体を抱き寄せた。
「子供め!」
ぎゅ!
「く、るしいよ! ビトー」
声を荒げる恵比須を無視して抱き締めた。
そしてあろうことか。
泡まみれの恵比寿を、そのまま浴槽の中へと押し入れた。
ボチャ、ン‼
「わ、っぷ!?」
恵比寿はやった張本人を睨みつけた。
見下ろすビトーの表情は冴えない。
「ビトー! なんなの?? 急にさ!」
「煩いな」
そう言うと、恵比寿の頭を掴み引き寄せ、唇に唇を押し付けた。
恵比寿は驚いた。ただ、驚いた。
「ゃ、止めてよ……こんな、ことは」
恵比寿の目が涙に揺れた。
「ダメだ、それは……出来ない」
ビトーは、そんな恵比寿に煽られている。
興奮も抑えられない、苦々しい顔を向けた。
恵比寿の肩に顔を埋めると、そこは石鹸のいい匂いがした。
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