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#15 事実を君に
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家に入ると、室内はどこか甘い匂いが漂っていた。バニラのようないい匂いだ。
「それでなんだけどー~~兄貴ぃ、お小遣いは?」と縁司は竜司へとリビングについた早々に聞いた。その言葉に竜司も、
「あるけど! 必要な額だけ言ってくれないかな?」
強い口調で縁司に言い放つ。
思いがけない竜司の普段とは違う態度に、縁司も驚いてしまう。
しかし、納得はいかない。
「なんでだよぉー? 兄貴ぃ~~」
お金がないから身代わりに竜司に行ってもらった訳だ。
なのに、期待していたお小遣いを渡されないとは思いもしなかった。
「本当にオレぇ、金がピンチなんだってばぁー」
必死に縁司も竜司に訴えた。
そんな彼に長谷部も眉間にしわを寄せた。
「は? そんな理由でっ、竜司さんを身代わりにしたのかよ! 実の兄弟を!?」
驚いた口調で縁司に言い放つ長谷部を睨みつけた。
「そうだよ? だって、丁度兄貴の店も休みだったしさー兄弟じゃん。何が悪いってんの? 意味が分かんないだけど??」
素っ気なくも、さも当然だろうとばかりな言葉に、長谷部も拳を握ってしまう。今にも向かって行こうとする長谷部に気がついた竜司も、
「確かに兄弟だよ? でも、兄ちゃんはね。あんな真似なんかして欲しくなんかなかったよ」
注意を縁司に言うのだった。そんな竜司に長谷部も拳を解いた。
「ママ活なんかしなくたって、僕に言ってくれれば必要な額をあげたんだよ? なのに、あんな…もう止してくれよ?」
「あ゛ー~~」と縁司もバツが悪そうに、顔を反らして頭を掻いた。
長谷部と竜司はリビングで掘りごたつ風の机を囲み座り、縁司は竜司の背中に背中を合わせて座っていた。それはいつもで、本人曰く落ち着くそうで、竜司も慣れている。
「まぁー~~…うん。でさー兄貴ぃ~~」
「なんだい、縁司君」
「会ったママって、どんな人だったの? 美人さんだったの??」
「「!?」」と長谷部と竜司の身体が強張り、表情も冴えなくなったのだが。背中を合わせていた縁司からは見えない。正体を知る2人にとって答えは言えるのだが、なってしまった状況までどうしたものかと口もへの字になってしまう。
しかし、言わなければ縁司もママ活の怖さを知らずに――再犯を起こすかもしれない。
竜司は、そのことを危惧していた。
だから、むしろあえてと。
「そのことなんだけどね。きちんと説明するから、きちんと聞いて欲しいんだ」
してしまったこととされてしまったことを言うことにした。
◆
「ぇえっと。まぁー~~たまに、そういう事案もあるってあいつも言ってたわ」
「村正君かい?」
「あーそうそうw」と縁司は竜司に指を差し、ウインクをした。
「君たちは、どうしてそう悪い遊びばかり覚えちゃうのかなぁ~~?」
呆れた口調の竜司に縁司も続けて言う。
「海潮さんが男で、その長谷部君の父親で困っていたから店の助っ人をしに行ったら、あっち系の店で思いかけずに常連客に手を出された、っとw」
スラスラと聞いたことを復唱する縁司に竜司も顔を伏せていってしまった。
しまいには両手で顔を覆い隠してしまう。
「意地悪しないであげろよなっ」
長谷部が竜司をかばうように縁司に牙をむけた。
「全部っ、あンたがバカな真似をしたから!」
その酷い目に遭わせたのは、自身の父親の経営する店であることを棚に上げつつ言い放つ。
「竜司さんも酷い目に遭ったんじゃねぇかよっ!」
「何? オレぁ、ママ活に行ってくれってお願いをしただけw 店を手伝いに行ってくれなんざ言ってねぇんですけどぉ?」
一理ある理屈を縁司も長谷部に言い返した。
「っそ、それわっ!」
長谷部も狼狽え、声も上擦ってしまう。確かに、竜司も聞かないふりをして帰っていれば起こらなかった事案だったはずなのだ。しかし、竜司の親切心で起こらなかったはずの事案が発生をしたまでの話しで、そこに縁司が怒られる言われはない。だが、縁司がママ活をしなければ、竜司に身代わりを頼まれなければ――防げた事案でもある。
「…男とのキスかぁ~~どうだったの?」
「!?」と聞かれた長谷部が目を丸くさせた。
そんな純粋な長谷部に縁司も、
「兄貴とベロちゅーしたの?」
にこやかに自身の唇を舌なめずりをする。
っか。
かかかか! と顔と耳まで長谷部は真っ赤にさせてしまう。
「っえ、縁司君ンん?!」
「あー~~兄貴も、男にフェラされてどうだったの?」
「っふぇ、っら、ららら!?」
さらに、竜司に茎を咥えられた感想を聞いた。
それに竜司の頭が真っ白になってしまい口も回らない。
「うん。女じゃなくて男って口、大きいからどうなのかなって思ちゃったw」
あまりにオブラートに包むことなく、土足で踏みつける行為に。
「っざ、っけんじゃねぇよっっっっ」
堪らずに縁司の首元を長谷部が掴み引き寄せた。
顔と顔が、息すら近い距離に睨みつけた。
「首、痛いんだけどぉ~~?」
「掴んでんだからっ、辺り前っだろぉうがっ!」
「乱暴な奴ぅ」と縁司が長谷部の手を掴むと、そのまま。
「え」
床に押しつけていた。
あまりに早い行為に長谷部の目に映るリビングの天井と見下ろす縁司の顔。
驚きしか起こらなかったのも数秒。
「何、すんだよっ!」
「先に手を出したのはあンたでしょ? 長谷部君wwwww」
縁司の行為に竜司も、
「止めないか! 縁司君っ」
ようやく声をかけた。
「っはぁー~~いwwwww」と長谷部から手を離した。
そして、長谷部も起き上がり縁司を睨んだ。
「死ねっ」
「それでなんだけどー~~兄貴ぃ、お小遣いは?」と縁司は竜司へとリビングについた早々に聞いた。その言葉に竜司も、
「あるけど! 必要な額だけ言ってくれないかな?」
強い口調で縁司に言い放つ。
思いがけない竜司の普段とは違う態度に、縁司も驚いてしまう。
しかし、納得はいかない。
「なんでだよぉー? 兄貴ぃ~~」
お金がないから身代わりに竜司に行ってもらった訳だ。
なのに、期待していたお小遣いを渡されないとは思いもしなかった。
「本当にオレぇ、金がピンチなんだってばぁー」
必死に縁司も竜司に訴えた。
そんな彼に長谷部も眉間にしわを寄せた。
「は? そんな理由でっ、竜司さんを身代わりにしたのかよ! 実の兄弟を!?」
驚いた口調で縁司に言い放つ長谷部を睨みつけた。
「そうだよ? だって、丁度兄貴の店も休みだったしさー兄弟じゃん。何が悪いってんの? 意味が分かんないだけど??」
素っ気なくも、さも当然だろうとばかりな言葉に、長谷部も拳を握ってしまう。今にも向かって行こうとする長谷部に気がついた竜司も、
「確かに兄弟だよ? でも、兄ちゃんはね。あんな真似なんかして欲しくなんかなかったよ」
注意を縁司に言うのだった。そんな竜司に長谷部も拳を解いた。
「ママ活なんかしなくたって、僕に言ってくれれば必要な額をあげたんだよ? なのに、あんな…もう止してくれよ?」
「あ゛ー~~」と縁司もバツが悪そうに、顔を反らして頭を掻いた。
長谷部と竜司はリビングで掘りごたつ風の机を囲み座り、縁司は竜司の背中に背中を合わせて座っていた。それはいつもで、本人曰く落ち着くそうで、竜司も慣れている。
「まぁー~~…うん。でさー兄貴ぃ~~」
「なんだい、縁司君」
「会ったママって、どんな人だったの? 美人さんだったの??」
「「!?」」と長谷部と竜司の身体が強張り、表情も冴えなくなったのだが。背中を合わせていた縁司からは見えない。正体を知る2人にとって答えは言えるのだが、なってしまった状況までどうしたものかと口もへの字になってしまう。
しかし、言わなければ縁司もママ活の怖さを知らずに――再犯を起こすかもしれない。
竜司は、そのことを危惧していた。
だから、むしろあえてと。
「そのことなんだけどね。きちんと説明するから、きちんと聞いて欲しいんだ」
してしまったこととされてしまったことを言うことにした。
◆
「ぇえっと。まぁー~~たまに、そういう事案もあるってあいつも言ってたわ」
「村正君かい?」
「あーそうそうw」と縁司は竜司に指を差し、ウインクをした。
「君たちは、どうしてそう悪い遊びばかり覚えちゃうのかなぁ~~?」
呆れた口調の竜司に縁司も続けて言う。
「海潮さんが男で、その長谷部君の父親で困っていたから店の助っ人をしに行ったら、あっち系の店で思いかけずに常連客に手を出された、っとw」
スラスラと聞いたことを復唱する縁司に竜司も顔を伏せていってしまった。
しまいには両手で顔を覆い隠してしまう。
「意地悪しないであげろよなっ」
長谷部が竜司をかばうように縁司に牙をむけた。
「全部っ、あンたがバカな真似をしたから!」
その酷い目に遭わせたのは、自身の父親の経営する店であることを棚に上げつつ言い放つ。
「竜司さんも酷い目に遭ったんじゃねぇかよっ!」
「何? オレぁ、ママ活に行ってくれってお願いをしただけw 店を手伝いに行ってくれなんざ言ってねぇんですけどぉ?」
一理ある理屈を縁司も長谷部に言い返した。
「っそ、それわっ!」
長谷部も狼狽え、声も上擦ってしまう。確かに、竜司も聞かないふりをして帰っていれば起こらなかった事案だったはずなのだ。しかし、竜司の親切心で起こらなかったはずの事案が発生をしたまでの話しで、そこに縁司が怒られる言われはない。だが、縁司がママ活をしなければ、竜司に身代わりを頼まれなければ――防げた事案でもある。
「…男とのキスかぁ~~どうだったの?」
「!?」と聞かれた長谷部が目を丸くさせた。
そんな純粋な長谷部に縁司も、
「兄貴とベロちゅーしたの?」
にこやかに自身の唇を舌なめずりをする。
っか。
かかかか! と顔と耳まで長谷部は真っ赤にさせてしまう。
「っえ、縁司君ンん?!」
「あー~~兄貴も、男にフェラされてどうだったの?」
「っふぇ、っら、ららら!?」
さらに、竜司に茎を咥えられた感想を聞いた。
それに竜司の頭が真っ白になってしまい口も回らない。
「うん。女じゃなくて男って口、大きいからどうなのかなって思ちゃったw」
あまりにオブラートに包むことなく、土足で踏みつける行為に。
「っざ、っけんじゃねぇよっっっっ」
堪らずに縁司の首元を長谷部が掴み引き寄せた。
顔と顔が、息すら近い距離に睨みつけた。
「首、痛いんだけどぉ~~?」
「掴んでんだからっ、辺り前っだろぉうがっ!」
「乱暴な奴ぅ」と縁司が長谷部の手を掴むと、そのまま。
「え」
床に押しつけていた。
あまりに早い行為に長谷部の目に映るリビングの天井と見下ろす縁司の顔。
驚きしか起こらなかったのも数秒。
「何、すんだよっ!」
「先に手を出したのはあンたでしょ? 長谷部君wwwww」
縁司の行為に竜司も、
「止めないか! 縁司君っ」
ようやく声をかけた。
「っはぁー~~いwwwww」と長谷部から手を離した。
そして、長谷部も起き上がり縁司を睨んだ。
「死ねっ」
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