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EP:35 ノンストップに、突然に

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 安住がラバーから教えてもらったのは。
 あの乱暴に犯す看守はセスナという名前だと言うこと。

「セスナ、か」

 そして。
 もう一人、後ろで腕を組んで立っているだけだったのが。
 宇宙人と言われる看守のフロイ。

「フロイ、ね」

 最後に。
 セスナに言われるがままに従っていた男。
 看守のフレディ。

「フレディって。どこの悪魔だよ~~」

 安住はホラー映画を思い出して笑った。
 ただ。
 フレディこそ、分かりやすく。
 話しやすいとのことも、ラバーが言っていた。
 だが、それはあくまでもラバーに対してでしかない。
 そう、安住は思った。
「んー~~アズミ、そんなこと聞いて、どうするのー?」
「ど、どうもしないよ。でも、ただ…知りたかったんだ」
「どうしてー?」

「刑期が終えたら、裁判を起こして訴える」

 暗くなった監獄の中。
 ゲイリーが、またアズミのベッドの中に入り込んでいた。
「そんなことしなくたっていいじゃないかー」
「…うん。俺もそう思うよ」
「でしょーうん。だよねー」

 淡い月明かりが、ゲイリーを照らした。

「ね。ゲイリー」
「んー? 何ーアズミー」
「尻、疼く?」
 安住の問いかけに、ゲイリーの顔が沈んでいく。シーツの中に。
「あ。なぁ、ゲイリー?」
 安住が上半身を起き上げながら。
 ゲイリーの身体を揺らした。

 ヒュン!

「!? っだッ‼」

 勢いよく、鉄格子を超えて何かが投げ入れられた。安住の背中に命中したものは、ベッドのすぐ下に落ちて、すぐに、回収が出来た。
 安住も背中の痛みを、我慢しつつ。
「? あ、カプセル? かな??」
「? えー何がー??」
 シーツの中から、ひょっこりと顔を出すゲイリー。
 手探りで開けた安住は。
 中を覗き込むと、紙が小さく折りたたまれていた。

「? 手紙だ」

 ――いい加減にしねェとぶち殺すぞ!

 ラバー

 うぐ! と安住も息を飲むほかなく。
 嫌な汗が額に浮かび上がった。
「手紙ー見せてよー」
「いいから! ダメ!」

「…ケチぃー」
 上目遣いでゲイリーが、安住を睨んだ。
 そして、はにかんだ表情を向けた。
「…アズミーうん、その…ちょっとだけ、疼くんだよー」
 安住も、
「ごめん。その、気になっちゃって…ごめん」
 手を合わせて、目を閉じた。
 ゲイリーは、安住のその手を掴み。
 軽く口づけをした。

「いいよー許してあげるよー」

 そして、軽く甘噛みをした。

「っつ! ぁ…っちょ、ゲイリー??」
「これはお仕置きだよーもっと、もっと噛んじゃうよー」

「いや! っちょ、それはっっ‼」

 引け腰になる安住の両腕をベッドにタオルで器用に縛り上げた。

「無理! ムリムリッッ‼」

 じだばた、と足をバタつかせる安住の足を。
 ゲイリーが持ち上げた。
「あの、ごめんなさい~~ゲイリー~~‼」
「ふふんーさっきの威勢はどこなのかなぁ~~??」
「っひ! ひァ゛!」

 ゲイリーが安住の首筋に噛みつく。
 甘噛みではなく。

 強くだ。

「ぃ゛、だァ゛ッッ‼」

 口を離すと。
 そこにはゲイリーの葉型が、くっきりと。

 血も浮き出ていた。

「んー1回、こういうのしたかったんだよねーボク♡」
 その跡を、ゲイリーが舌で舐め誉めた。
 痛みと、くすぐったい感覚に。

「ひぅ…ふぁ…ごめ、ゲイリー…んン゛」

 鼻にかかった息を漏らす安住。
 少し涙が浮かび上がっているためなのか目が潤んでいる。

「ごめん。アズミー止められないよ」

「!?」
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