11 / 93
第11話 レアドロップ
しおりを挟む
「武器か……そう言えば悠は武器を使わんのか?他の人間は使っている様だが?」
ワーウルフを倒すと、レアアイテムに当たる武器を落とした。
片手で扱えるタイプの剣だ。
それを見たアングラウスが尋ねて来る。
名前に関しては、改めて自己紹介して以来呼び捨てされる様になっていた。
下の名前を馴れ馴れしく呼び捨てかよって気がしなくもないが、相手はとんでもない力を持つ魔竜だ。
お前呼ばわりされるかよりはマシだと思う事にする。
「武器は使わない」
「何故だ?」
武器を使わない理由は二つある。
「使う意味がないってのと――」
一つ目は、武器に俺の命のエネルギーを乗せられない点だ。
アングラウスと戦った際、俺は自傷ダメージを無視したパワー収束タイプの攻撃を行っている。
アレは自分の体にのみに出来る行為で、武器を持つよりずっと破壊力が高い。
つまり、武器を持つとリーチは伸びるが火力が落ちてしまうのだ。
もう一つは――
「俺だと武器の力を引き出せないからだ」
――使用制限だ。
理由としてはこっちの方が大きい。
「そうなのか?」
ダンジョンで手に入る装備類は、制限の様な物が付いている。
まあ装備自体出来ないって訳ではないが、求められる魔力を満たしていないと本来の力を発揮できないのだ。
「ああ、俺は魔力が殆どないからな」
俺はレベル1の超低魔力。
そんな俺にかかれば、伝説の剣も只の普通の剣と化す。
力が乗せれず、しかも強い武器を持っても単に頑丈なだけ。
流石にこの条件じゃ、装備する意味はないだろう。
因みに、命を使って上げれるのは身体能力だけなので、魔力は最低のままだったりする。
「そう言えば、悠の魔力はかなり……というか、確かにビックリする程低いな。本当に不思議な奴だ」
「まあ俺は特殊だからな」
剣を拾ってベルトに挟む。
俺は装備できない――しない――が、そこそこの値段で売れるからな。
エリクサーの事があるからガンガン稼がないと。
「さて、ボスだ」
Eランクダンジョンは攻略されつくされており、その内部の地図は普通にスマホの専用アプリで購入出来た。
俺はそれを使って、最短でダンジョンボスの待ち受ける場所へとやって来ている。
まあそれでも二日ほどかかったが。
何だかんだで、ダンジョンってのは広いからな。
「少し大きいだけで、大して差は無さそうだな」
ボス部屋——ボスの居る広い空間には、巨大なワーウルフが鎮座していた。
こいつがこのダンジョンのボス、エリートワーウルフだ。
そしてその周りには5匹、通常のワーウルフ達が取り巻として徘徊している。
通常のワーウルフとエリートでは相当な力の差があるのだが、まあアングラウスレベルの魔物からすれば大差ないと感じるのも無理はない。
「お前にとっては雑魚でも、今の俺にとっては結構面倒臭い敵なんだよ」
命一つでも、エリートは時間さえかければ倒せなくないレベルではある。
所詮Eランクのボスだ。
しかも今の俺は命が二つあるので、激闘になる相手と言う程ではなかった。
とは言え、だ。
楽勝かと言われればそんな事はない。
たぶん、何回か死ぬ様な攻撃を受ける事になるだろう。
「やれやれ……我がライバルながら情けない。しょうがない、我が始末してやろう。お前の母親にも頼まれているからな」
アングラウスが大きく息を吸い込む。
次の瞬間、その口から猛火が噴き出された。
――それはボス部屋全体を地獄へと変える。
――更に言うなら、俺もおもっくそ燃やされた
「ほれ、終わったぞ」
「……」
俺は死んでも問題ない。
どういう訳だか衣服類も俺の不死身に含まれので、燃えても再生される。
だが――
「ドロップの魔石と剣がだめになったんだが?」
後スマホも。
「些細な事だ。気にするな」
「いや気にするわ」
エリクサーを買う為にお金が必要だと言うのに……
まあ今回の稼ぎが飛んだぐらいなら問題ないが。
だがこれから先も同じ事をやられたのでは、堪まった物ではない。
「手を出すなとは言わないけど、せめて俺に被害がない様に頼む」
「分かった。善処する」
善処とか、不安が残りまくるタイプの返事だ。
本当に大丈夫だろうな?
「それより悠。何かドロップした様だぞ」
アングラウスに言われて気づく。
ボスの居た辺りに、金属製の盾が落ちている事に。
「おお、レアドロップか!」
ここのボスのレアドロップは、属性耐性付きの盾だった筈。
さっきアングラウスに燃やされたせいで数百万がパァになってしまったけど、この盾を売ればお釣りがくる。
「んじゃ、出るか」
ボス部屋の奥には小部屋があり、そこにゲートがあるので俺はダンジョンを後にする。
ワーウルフを倒すと、レアアイテムに当たる武器を落とした。
片手で扱えるタイプの剣だ。
それを見たアングラウスが尋ねて来る。
名前に関しては、改めて自己紹介して以来呼び捨てされる様になっていた。
下の名前を馴れ馴れしく呼び捨てかよって気がしなくもないが、相手はとんでもない力を持つ魔竜だ。
お前呼ばわりされるかよりはマシだと思う事にする。
「武器は使わない」
「何故だ?」
武器を使わない理由は二つある。
「使う意味がないってのと――」
一つ目は、武器に俺の命のエネルギーを乗せられない点だ。
アングラウスと戦った際、俺は自傷ダメージを無視したパワー収束タイプの攻撃を行っている。
アレは自分の体にのみに出来る行為で、武器を持つよりずっと破壊力が高い。
つまり、武器を持つとリーチは伸びるが火力が落ちてしまうのだ。
もう一つは――
「俺だと武器の力を引き出せないからだ」
――使用制限だ。
理由としてはこっちの方が大きい。
「そうなのか?」
ダンジョンで手に入る装備類は、制限の様な物が付いている。
まあ装備自体出来ないって訳ではないが、求められる魔力を満たしていないと本来の力を発揮できないのだ。
「ああ、俺は魔力が殆どないからな」
俺はレベル1の超低魔力。
そんな俺にかかれば、伝説の剣も只の普通の剣と化す。
力が乗せれず、しかも強い武器を持っても単に頑丈なだけ。
流石にこの条件じゃ、装備する意味はないだろう。
因みに、命を使って上げれるのは身体能力だけなので、魔力は最低のままだったりする。
「そう言えば、悠の魔力はかなり……というか、確かにビックリする程低いな。本当に不思議な奴だ」
「まあ俺は特殊だからな」
剣を拾ってベルトに挟む。
俺は装備できない――しない――が、そこそこの値段で売れるからな。
エリクサーの事があるからガンガン稼がないと。
「さて、ボスだ」
Eランクダンジョンは攻略されつくされており、その内部の地図は普通にスマホの専用アプリで購入出来た。
俺はそれを使って、最短でダンジョンボスの待ち受ける場所へとやって来ている。
まあそれでも二日ほどかかったが。
何だかんだで、ダンジョンってのは広いからな。
「少し大きいだけで、大して差は無さそうだな」
ボス部屋——ボスの居る広い空間には、巨大なワーウルフが鎮座していた。
こいつがこのダンジョンのボス、エリートワーウルフだ。
そしてその周りには5匹、通常のワーウルフ達が取り巻として徘徊している。
通常のワーウルフとエリートでは相当な力の差があるのだが、まあアングラウスレベルの魔物からすれば大差ないと感じるのも無理はない。
「お前にとっては雑魚でも、今の俺にとっては結構面倒臭い敵なんだよ」
命一つでも、エリートは時間さえかければ倒せなくないレベルではある。
所詮Eランクのボスだ。
しかも今の俺は命が二つあるので、激闘になる相手と言う程ではなかった。
とは言え、だ。
楽勝かと言われればそんな事はない。
たぶん、何回か死ぬ様な攻撃を受ける事になるだろう。
「やれやれ……我がライバルながら情けない。しょうがない、我が始末してやろう。お前の母親にも頼まれているからな」
アングラウスが大きく息を吸い込む。
次の瞬間、その口から猛火が噴き出された。
――それはボス部屋全体を地獄へと変える。
――更に言うなら、俺もおもっくそ燃やされた
「ほれ、終わったぞ」
「……」
俺は死んでも問題ない。
どういう訳だか衣服類も俺の不死身に含まれので、燃えても再生される。
だが――
「ドロップの魔石と剣がだめになったんだが?」
後スマホも。
「些細な事だ。気にするな」
「いや気にするわ」
エリクサーを買う為にお金が必要だと言うのに……
まあ今回の稼ぎが飛んだぐらいなら問題ないが。
だがこれから先も同じ事をやられたのでは、堪まった物ではない。
「手を出すなとは言わないけど、せめて俺に被害がない様に頼む」
「分かった。善処する」
善処とか、不安が残りまくるタイプの返事だ。
本当に大丈夫だろうな?
「それより悠。何かドロップした様だぞ」
アングラウスに言われて気づく。
ボスの居た辺りに、金属製の盾が落ちている事に。
「おお、レアドロップか!」
ここのボスのレアドロップは、属性耐性付きの盾だった筈。
さっきアングラウスに燃やされたせいで数百万がパァになってしまったけど、この盾を売ればお釣りがくる。
「んじゃ、出るか」
ボス部屋の奥には小部屋があり、そこにゲートがあるので俺はダンジョンを後にする。
101
お気に入りに追加
281
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この世界で唯一『スキル合成』の能力を持っていた件
なかの
ファンタジー
異世界に転生した僕。
そこで与えられたのは、この世界ただ一人だけが持つ、ユニークスキル『スキル合成 - シンセサイズ』だった。
このユニークスキルを武器にこの世界を無双していく。
【web累計100万PV突破!】
著/イラスト なかの
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる