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ずっと貴方を待っている
第十四話 木剣を握る
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近衛騎士ジェラルドは、王宮にいるバート少年がバーナード騎士団長であることを知っても、自身の伴侶であるディーターに話す事ができなかった。
バートに係るほとんど全てのことが、魔法契約により口外を禁止されていたからだ。
目の前のバートに、「本当は貴方は妃ではなく、バーナード騎士団長であり、フィリップ副騎士団長の伴侶だった」と真実を話す事もできない。
つくづく魔法契約に縛られてしまったことが恨めしかった。
こうなっては、バート自身に記憶を取り戻してもらうしかないだろう。
それが最善の方法であるように思えたジェラルドは、バートが好きだったことを積極的に彼にさせ、それで触発させて記憶を取り戻させたいと考えた。
「お暇なら、バート様、私と一戦してみませんか」
本来、王太子の妃であるバートに対しては、バート妃殿下と呼ぶことが正式である。
しかし、バートはそう呼ばれることを好まず、近くにいる者達には様付で呼ばせていた(本当は様付けで呼ばれるのも嫌だと言っていた)。
それにバートは頭を傾げた。
「一戦?」
ジェラルドは用意していた木剣を、少年の前のテーブルの上に置いた。
「真剣はバート様にお怪我をさせてしまう恐れがあるため、木剣で失礼致します」
ジェラルドのその申し出に、その場にいた同僚の近衛騎士が慌てた。
「おい、ジェラルド」
その慌てる様子の近衛騎士には構わず、ジェラルドは続ける。
「良い運動になると思います」
バートは木剣を手に取ると、ブンブンと軽く振った。それからニッコリと笑みを浮かべた。
「いい考えだな」
侍従も他の近衛騎士達も慌ててそれを止めようとする。王太子の妃たるものが、木剣といえども、近衛騎士と手合わせをするというのだ。
危険である。
だが、ジェラルドはバートが、本来“剣豪”の称号を持つ騎士の男であることを知っていた。
彼が怪我をするはずがなかった。
宮に面した中庭に出て、ジェラルドとバートは木剣を手に向き合う。
最初は軽く、木剣の先を合わせていたが、次第にその木剣を振るう手が早くなっていく。
(相変わらず、強い御方だ)
カンカンカンと木剣と木剣がぶつかり合う。少年の茶色の瞳が輝いていく。
その伸びやかな手にある木剣は、スピードを上げ、近衛騎士の木剣とリズミカルにぶつかり合う。
やがて、カーンと音を立てて木剣を弾き飛ばされたのはジェラルドの方だった。
バートは息も上げずにいたが、楽しそうに笑い、落ちた木剣を拾いあげる。
「またやろう」
「はい。私だけではなく、別の近衛にもやらせましょう」
それに、同席して見守っていた近衛騎士の若い男は、本気なのかというような顔でジェラルドを見つめたが、ジェラルドはその近衛騎士の男の手に木剣を握らせ、バートと戦わせた。
バートは非常に楽しそうにその男を倒し、そしてまたジェラルドが相手をし、他の近衛騎士にも声をかけて、バートと手合わせをさせたのだった。
バートは非常に生き生きと、あたかも水を得た魚のように木剣を握って手合わせをしていた。
その日、バート少年の宮を訪れたエドワード王太子は、侍従達から少年が近衛騎士達と中庭で木剣を手に戦い合い、非常に楽しんでいたという話を聞く。
一瞬、(騎士団長であった頃の記憶を取り戻したか)と危惧したが、少年に記憶を取り戻した様子はなかった。
そのことに安堵する。
「随分と楽しんだようだな」
そう話しながら、少年の耳朶を食み、手は彼の前に触れていく。
その身を抱きしめ、寝台の上にゆっくりと倒す。
「剣を触るのは楽しい」
彼は素直にそう言った。
そうだろう。彼は“剣豪”の称号を持ち、武道大会では負けなしの男だった。
それを、この宮に妃として閉じ込めているのだ。
妃としてどんなに贅沢をさせようとも、彼が今の立場に飽きているのは明らかであった。
シャツの前を開け、淡い胸の突起を摘まみ上げながら、愛でていく。
何度となく身体を交えている。どこをどう可愛がれば、彼がどう反応するのかもう分かっていた。
「ふ……う……」
潤む茶色の瞳に、吐息は熱い。その身はしっとりと汗に濡れ、肌は張り詰める。
「剣が欲しければ、剣を買ってやってもいい」
エドワードのその言葉に、初めてバートは目を輝かせた。
「本当か!?」
その剣幕に一瞬驚いたが、エドワードは頷いた。
「ああ。お前は剣を欲しがるのか」
どんな贅沢も望まなかった男が、剣だけは欲しがるというのがおかしい。
いや、剣だけではない。
エドワードは思い出した。
彼がもう一つ持っていた趣味を。
夢中になっていた趣味を。
それを言うことで、彼が過去を思い出してしまうかも知れない。
でも、それでも、退廃に飽きている彼を喜ばせたかった。
「王家の森に美しい湖がある。お前をそこに連れていってやろう」
「そこに、何があるのか」
その腰を掴み、愛撫に滴るように濡れてきた後孔に、己が男根をゆっくりと挿し入れていく。
男の大きさに、切なげに眉を寄せ喘ぐ彼。
エドワードもまた荒く息をつきつつ、少年の耳元で囁いた。
「船を浮かべて、釣りをするのだ。きっと楽しいぞ」
「本当か!!」
茶色の瞳を輝かせて、自分を振り返って見る彼。
途端にぎゅぅぅと強い締め付けをされたので、エドワードは呻いたが、明らかにバートは喜んでいた。
「絶対に、絶対に連れていくんだぞ」
「……わかった、だからそんなに、締めるな」
「あ……ぁぁ」
立ち上がっている前を扱くと、バートも甘く啼く。
そのしなやかな身体を震わせ、たちまち前を濡らして果てるのだが、その日の彼はどこか機嫌が良く見えた。
そんな少年を見ながら、エドワードは心密かに思っていた。
(このまま、記憶を失ったままの彼と毎日を過ごしていき、新たな記憶で上書きしていけば)
(もしやこの手に)
それは何度も何度も願ってきたことだった。
決して願ってはならないと思っていたこと。
(この手に、彼が堕ちてくるかも知れない)
バートに係るほとんど全てのことが、魔法契約により口外を禁止されていたからだ。
目の前のバートに、「本当は貴方は妃ではなく、バーナード騎士団長であり、フィリップ副騎士団長の伴侶だった」と真実を話す事もできない。
つくづく魔法契約に縛られてしまったことが恨めしかった。
こうなっては、バート自身に記憶を取り戻してもらうしかないだろう。
それが最善の方法であるように思えたジェラルドは、バートが好きだったことを積極的に彼にさせ、それで触発させて記憶を取り戻させたいと考えた。
「お暇なら、バート様、私と一戦してみませんか」
本来、王太子の妃であるバートに対しては、バート妃殿下と呼ぶことが正式である。
しかし、バートはそう呼ばれることを好まず、近くにいる者達には様付で呼ばせていた(本当は様付けで呼ばれるのも嫌だと言っていた)。
それにバートは頭を傾げた。
「一戦?」
ジェラルドは用意していた木剣を、少年の前のテーブルの上に置いた。
「真剣はバート様にお怪我をさせてしまう恐れがあるため、木剣で失礼致します」
ジェラルドのその申し出に、その場にいた同僚の近衛騎士が慌てた。
「おい、ジェラルド」
その慌てる様子の近衛騎士には構わず、ジェラルドは続ける。
「良い運動になると思います」
バートは木剣を手に取ると、ブンブンと軽く振った。それからニッコリと笑みを浮かべた。
「いい考えだな」
侍従も他の近衛騎士達も慌ててそれを止めようとする。王太子の妃たるものが、木剣といえども、近衛騎士と手合わせをするというのだ。
危険である。
だが、ジェラルドはバートが、本来“剣豪”の称号を持つ騎士の男であることを知っていた。
彼が怪我をするはずがなかった。
宮に面した中庭に出て、ジェラルドとバートは木剣を手に向き合う。
最初は軽く、木剣の先を合わせていたが、次第にその木剣を振るう手が早くなっていく。
(相変わらず、強い御方だ)
カンカンカンと木剣と木剣がぶつかり合う。少年の茶色の瞳が輝いていく。
その伸びやかな手にある木剣は、スピードを上げ、近衛騎士の木剣とリズミカルにぶつかり合う。
やがて、カーンと音を立てて木剣を弾き飛ばされたのはジェラルドの方だった。
バートは息も上げずにいたが、楽しそうに笑い、落ちた木剣を拾いあげる。
「またやろう」
「はい。私だけではなく、別の近衛にもやらせましょう」
それに、同席して見守っていた近衛騎士の若い男は、本気なのかというような顔でジェラルドを見つめたが、ジェラルドはその近衛騎士の男の手に木剣を握らせ、バートと戦わせた。
バートは非常に楽しそうにその男を倒し、そしてまたジェラルドが相手をし、他の近衛騎士にも声をかけて、バートと手合わせをさせたのだった。
バートは非常に生き生きと、あたかも水を得た魚のように木剣を握って手合わせをしていた。
その日、バート少年の宮を訪れたエドワード王太子は、侍従達から少年が近衛騎士達と中庭で木剣を手に戦い合い、非常に楽しんでいたという話を聞く。
一瞬、(騎士団長であった頃の記憶を取り戻したか)と危惧したが、少年に記憶を取り戻した様子はなかった。
そのことに安堵する。
「随分と楽しんだようだな」
そう話しながら、少年の耳朶を食み、手は彼の前に触れていく。
その身を抱きしめ、寝台の上にゆっくりと倒す。
「剣を触るのは楽しい」
彼は素直にそう言った。
そうだろう。彼は“剣豪”の称号を持ち、武道大会では負けなしの男だった。
それを、この宮に妃として閉じ込めているのだ。
妃としてどんなに贅沢をさせようとも、彼が今の立場に飽きているのは明らかであった。
シャツの前を開け、淡い胸の突起を摘まみ上げながら、愛でていく。
何度となく身体を交えている。どこをどう可愛がれば、彼がどう反応するのかもう分かっていた。
「ふ……う……」
潤む茶色の瞳に、吐息は熱い。その身はしっとりと汗に濡れ、肌は張り詰める。
「剣が欲しければ、剣を買ってやってもいい」
エドワードのその言葉に、初めてバートは目を輝かせた。
「本当か!?」
その剣幕に一瞬驚いたが、エドワードは頷いた。
「ああ。お前は剣を欲しがるのか」
どんな贅沢も望まなかった男が、剣だけは欲しがるというのがおかしい。
いや、剣だけではない。
エドワードは思い出した。
彼がもう一つ持っていた趣味を。
夢中になっていた趣味を。
それを言うことで、彼が過去を思い出してしまうかも知れない。
でも、それでも、退廃に飽きている彼を喜ばせたかった。
「王家の森に美しい湖がある。お前をそこに連れていってやろう」
「そこに、何があるのか」
その腰を掴み、愛撫に滴るように濡れてきた後孔に、己が男根をゆっくりと挿し入れていく。
男の大きさに、切なげに眉を寄せ喘ぐ彼。
エドワードもまた荒く息をつきつつ、少年の耳元で囁いた。
「船を浮かべて、釣りをするのだ。きっと楽しいぞ」
「本当か!!」
茶色の瞳を輝かせて、自分を振り返って見る彼。
途端にぎゅぅぅと強い締め付けをされたので、エドワードは呻いたが、明らかにバートは喜んでいた。
「絶対に、絶対に連れていくんだぞ」
「……わかった、だからそんなに、締めるな」
「あ……ぁぁ」
立ち上がっている前を扱くと、バートも甘く啼く。
そのしなやかな身体を震わせ、たちまち前を濡らして果てるのだが、その日の彼はどこか機嫌が良く見えた。
そんな少年を見ながら、エドワードは心密かに思っていた。
(このまま、記憶を失ったままの彼と毎日を過ごしていき、新たな記憶で上書きしていけば)
(もしやこの手に)
それは何度も何度も願ってきたことだった。
決して願ってはならないと思っていたこと。
(この手に、彼が堕ちてくるかも知れない)
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