463 / 560
第二十九章 豊かな実り
第十二話 今際の声
しおりを挟む
(まさか、ベンジャミンの中に、騎士団長に対してあれほど情が湧いているとは思わなんだ)
ご隠居様はため息をついた。
今もなお、腹心と言える小さな妖精が叫ぶように言う言葉が耳に残っている。
『ご隠居様、ご隠居様、バーナード騎士団長を、彼の御子をお助け下さい!! お願いします!! お願いします!!』
必死の声。
彼だけをいつも騎士団長の元へ行かせていたことがマズかったのかも知れない。
あの小さな妖精は、何くれと、あの二人の騎士達に可愛がられていた。それで、すっかり懐いてしまったようだ。
いつも冷静に、自分の頼んだ仕事をこなしていたから、問題なくこれからもこなせるだろうと考えていた。
今までだって、ベンジャミンはベンジャミン自身の手で、バーナード騎士団長の持つ“器”に“神の欠片”を注ぎ続けてきた。
それはバーナード騎士団長への裏切りにも等しい行為であったのだけど、それはそれとしてベンジャミンは命令に従ってきた。
けれどここに至って、罪悪感に耐えきれなくなったというわけか。
ただ幸いなことに、あれほどたくさんあった聖王国の“神の欠片”も注ぎ終わっている。
もはや手元に一欠片も残されていない。
ベンジャミンが、バーナード騎士団長の元へ渡るべき仕事ももうなかったのだ。
後は生まれ落ちる前に、バーナード騎士団長が“器”の精力を使い切ってくれるよう差し向けるだけだった。
悪魔達が何やら画策していることは神々も気が付いている。それも“海の悪魔”を人の世に顕現させようとしていることも知っていた。
その顕現に対応する、国を守る騎士団長であるバーナードが、たとえその時、その身の“器”の精力を使い果たさなくても、また時を置かずして、何かしらの凶事を彼のいる国に起こすと、神は仰っていた。
そしてどうにか、彼が危機に直面するようにして、その身の“器”の精力を使い切るように追いやるとしている。
どちらにしろ、バーナード騎士団長は詰んでいるのだ。
空っぽの“器”を前に、バーナード騎士団長もフィリップ副騎士団長も悲しむことだろう。
だが、実った子は、生まれ落ちてはならない子だ。
砕かれ、人の子の魂と共に生まれ落ちて、その魂は浄化されたはず。でも、それでも。
ご隠居様と呼ばれる大妖精は、きつく目を閉じた。
知らずに拳も強く握りしめられる。
助け出されたエイリース神は、人の姿をとっておらず、肉の塊のようなものになり果てていた。
それを一度、また殺し、再度人の形にさせた時には、もう完全に気が触れていた。
おかしくなっていた。
けれど、時折、滅多にないことだけど正気に戻ることがあり、その時に会ったことがある。
それは最後に、正気の彼を見た時だった。
ただ一言
もういい
それだけだった。
もう元に戻さなくていい
もうこのまま
このまま消して欲しい
この世に欠片として残さないで、消して欲しい
草原の中、馬に乗り駆けていくあの御方に、誰もが皆、憧れていた。
自分は元より、あの吸血鬼のレブランだって、幼い胸を高鳴らせ、頬を紅潮させ、崇拝しきった目で彼の神を眺めていた。
彼は、あの御方の復活を願っていた。
でも自分は、あの御方の最期の声を聞いたから、聞いてしまったから。
とても、そう思えなかった。
彼の最期の願いの通り、すべて欠片となく、消し去ってあげたかった。
そして幸福だった頃の、あの輝かしい彼の姿の記憶だけを胸に生きていきたかった。
もうあの御方は、死んで喪われてしまっている。
魔族に連れ去らわれた瞬間に、彼は喪われてしまったのだ。
*
ゼトゥは、バーナード騎士団長が北方地方に出没した海の魔獣を倒した後、すぐさま、転移魔法陣を使用してランディア王国へ戻った。
主であるレブラン教授に、あの怪異を報告するためだ。
海の魔獣を難なくバーナード騎士団長が倒した後、何万と現れた甲虫の群れを倒したのは、以前にも現れた小さな黒い人形達だった。
バーナード騎士団長を襲撃した時にも現れた小さな黒い人形達については、レブラン教授にすでに報告していた。
しかし、その時は「何らかの魔法で動いている物ではないか。バーナード騎士団長の近くには、魔道具作りで有名なマグル王宮副魔術師長がいる。彼の手によるものかも知れない」という話で終わっていた。
その時の教授の関心は、その後の大妖精との会談の話にいってしまって、バーナード騎士団長の身を守ったあの不気味な黒い人形の元に向かうことはなかった。
しかし、アレは明らかにおかしな存在だった。
自分が振り上げた戦斧も、あの人形が発した黒い靄に包まれて消えてしまったし、今回の甲虫達を死滅させたのも間違いなく、黒い靄のせいだった。
不気味な存在でありながらも、バーナード騎士団長を守る行動に出る小さな人形達。
ゼトゥは、そのことをレブラン教授に報告すると、レブランは考え込んでいた。
バーナード騎士団長は謎めいた人物であった。
その息子のバート少年は“淫魔の王女”位を持つ淫魔である。高位の魔族であるバート少年は膨大な魔力をその身に秘め、力ある存在だと感じられる。
それはバーナード騎士団長も同様だった。
彼もバート少年と同じように、高位の魔族だろうと思われるが、その正体は未だに分かっていない。
人の世界で正体を隠し、隠れ住む魔族は多い。彼もそのクチだろうと考えている。
バート少年が淫魔であるというのなら、その母親が淫魔だろう。
バーナード騎士団長の現在の伴侶は、人狼の副騎士団長という話であるからして、バートは、騎士団長が若かりし頃に、淫魔の母親に産ませたものだろうと思っていた。それゆえに隠されてバート少年は育てられていたと。
謎めいた力を持つバーナード騎士団長が父親であるなら、バート少年もまた謎めいた力を持つことも不思議ではない。親子なのだから。
だが、どうも、しっくりこない。
「引き続き、バート少年を守り続けるように」
「はい」
そう命令を受けたゼトゥであったが、アルセウス王国へ渡って以来、未だにバート少年に会うことが出来ていなかった。
仕方なく、バーナード騎士団長の周りをウロウロとする日々である。
最近では、あのバーナード騎士団長がバート少年の将来の姿であろうと思うと、何故か、騎士団長の姿を見るだけで、胸が高まるような想いがあった。
あの黒髪の長身の騎士の姿を見ると、嬉しいし、見えなければ、寂しい。
そんな自分も大概だなと、ゼトゥは思っていた。
ご隠居様はため息をついた。
今もなお、腹心と言える小さな妖精が叫ぶように言う言葉が耳に残っている。
『ご隠居様、ご隠居様、バーナード騎士団長を、彼の御子をお助け下さい!! お願いします!! お願いします!!』
必死の声。
彼だけをいつも騎士団長の元へ行かせていたことがマズかったのかも知れない。
あの小さな妖精は、何くれと、あの二人の騎士達に可愛がられていた。それで、すっかり懐いてしまったようだ。
いつも冷静に、自分の頼んだ仕事をこなしていたから、問題なくこれからもこなせるだろうと考えていた。
今までだって、ベンジャミンはベンジャミン自身の手で、バーナード騎士団長の持つ“器”に“神の欠片”を注ぎ続けてきた。
それはバーナード騎士団長への裏切りにも等しい行為であったのだけど、それはそれとしてベンジャミンは命令に従ってきた。
けれどここに至って、罪悪感に耐えきれなくなったというわけか。
ただ幸いなことに、あれほどたくさんあった聖王国の“神の欠片”も注ぎ終わっている。
もはや手元に一欠片も残されていない。
ベンジャミンが、バーナード騎士団長の元へ渡るべき仕事ももうなかったのだ。
後は生まれ落ちる前に、バーナード騎士団長が“器”の精力を使い切ってくれるよう差し向けるだけだった。
悪魔達が何やら画策していることは神々も気が付いている。それも“海の悪魔”を人の世に顕現させようとしていることも知っていた。
その顕現に対応する、国を守る騎士団長であるバーナードが、たとえその時、その身の“器”の精力を使い果たさなくても、また時を置かずして、何かしらの凶事を彼のいる国に起こすと、神は仰っていた。
そしてどうにか、彼が危機に直面するようにして、その身の“器”の精力を使い切るように追いやるとしている。
どちらにしろ、バーナード騎士団長は詰んでいるのだ。
空っぽの“器”を前に、バーナード騎士団長もフィリップ副騎士団長も悲しむことだろう。
だが、実った子は、生まれ落ちてはならない子だ。
砕かれ、人の子の魂と共に生まれ落ちて、その魂は浄化されたはず。でも、それでも。
ご隠居様と呼ばれる大妖精は、きつく目を閉じた。
知らずに拳も強く握りしめられる。
助け出されたエイリース神は、人の姿をとっておらず、肉の塊のようなものになり果てていた。
それを一度、また殺し、再度人の形にさせた時には、もう完全に気が触れていた。
おかしくなっていた。
けれど、時折、滅多にないことだけど正気に戻ることがあり、その時に会ったことがある。
それは最後に、正気の彼を見た時だった。
ただ一言
もういい
それだけだった。
もう元に戻さなくていい
もうこのまま
このまま消して欲しい
この世に欠片として残さないで、消して欲しい
草原の中、馬に乗り駆けていくあの御方に、誰もが皆、憧れていた。
自分は元より、あの吸血鬼のレブランだって、幼い胸を高鳴らせ、頬を紅潮させ、崇拝しきった目で彼の神を眺めていた。
彼は、あの御方の復活を願っていた。
でも自分は、あの御方の最期の声を聞いたから、聞いてしまったから。
とても、そう思えなかった。
彼の最期の願いの通り、すべて欠片となく、消し去ってあげたかった。
そして幸福だった頃の、あの輝かしい彼の姿の記憶だけを胸に生きていきたかった。
もうあの御方は、死んで喪われてしまっている。
魔族に連れ去らわれた瞬間に、彼は喪われてしまったのだ。
*
ゼトゥは、バーナード騎士団長が北方地方に出没した海の魔獣を倒した後、すぐさま、転移魔法陣を使用してランディア王国へ戻った。
主であるレブラン教授に、あの怪異を報告するためだ。
海の魔獣を難なくバーナード騎士団長が倒した後、何万と現れた甲虫の群れを倒したのは、以前にも現れた小さな黒い人形達だった。
バーナード騎士団長を襲撃した時にも現れた小さな黒い人形達については、レブラン教授にすでに報告していた。
しかし、その時は「何らかの魔法で動いている物ではないか。バーナード騎士団長の近くには、魔道具作りで有名なマグル王宮副魔術師長がいる。彼の手によるものかも知れない」という話で終わっていた。
その時の教授の関心は、その後の大妖精との会談の話にいってしまって、バーナード騎士団長の身を守ったあの不気味な黒い人形の元に向かうことはなかった。
しかし、アレは明らかにおかしな存在だった。
自分が振り上げた戦斧も、あの人形が発した黒い靄に包まれて消えてしまったし、今回の甲虫達を死滅させたのも間違いなく、黒い靄のせいだった。
不気味な存在でありながらも、バーナード騎士団長を守る行動に出る小さな人形達。
ゼトゥは、そのことをレブラン教授に報告すると、レブランは考え込んでいた。
バーナード騎士団長は謎めいた人物であった。
その息子のバート少年は“淫魔の王女”位を持つ淫魔である。高位の魔族であるバート少年は膨大な魔力をその身に秘め、力ある存在だと感じられる。
それはバーナード騎士団長も同様だった。
彼もバート少年と同じように、高位の魔族だろうと思われるが、その正体は未だに分かっていない。
人の世界で正体を隠し、隠れ住む魔族は多い。彼もそのクチだろうと考えている。
バート少年が淫魔であるというのなら、その母親が淫魔だろう。
バーナード騎士団長の現在の伴侶は、人狼の副騎士団長という話であるからして、バートは、騎士団長が若かりし頃に、淫魔の母親に産ませたものだろうと思っていた。それゆえに隠されてバート少年は育てられていたと。
謎めいた力を持つバーナード騎士団長が父親であるなら、バート少年もまた謎めいた力を持つことも不思議ではない。親子なのだから。
だが、どうも、しっくりこない。
「引き続き、バート少年を守り続けるように」
「はい」
そう命令を受けたゼトゥであったが、アルセウス王国へ渡って以来、未だにバート少年に会うことが出来ていなかった。
仕方なく、バーナード騎士団長の周りをウロウロとする日々である。
最近では、あのバーナード騎士団長がバート少年の将来の姿であろうと思うと、何故か、騎士団長の姿を見るだけで、胸が高まるような想いがあった。
あの黒髪の長身の騎士の姿を見ると、嬉しいし、見えなければ、寂しい。
そんな自分も大概だなと、ゼトゥは思っていた。
30
お気に入りに追加
1,131
あなたにおすすめの小説
学園と夜の街での鬼ごっこ――標的は白の皇帝――
天海みつき
BL
族の総長と副総長の恋の話。
アルビノの主人公――聖月はかつて黒いキャップを被って目元を隠しつつ、夜の街を駆け喧嘩に明け暮れ、いつしか"皇帝"と呼ばれるように。しかし、ある日突然、姿を晦ました。
その後、街では聖月は死んだという噂が蔓延していた。しかし、彼の族――Nukesは実際に遺体を見ていないと、その捜索を止めていなかった。
「どうしようかなぁ。……そぉだ。俺を見つけて御覧。そしたら捕まってあげる。これはゲームだよ。俺と君たちとの、ね」
学園と夜の街を巻き込んだ、追いかけっこが始まった。
族、学園、などと言っていますが全く知識がないため完全に想像です。何でも許せる方のみご覧下さい。
何とか完結までこぎつけました……!番外編を投稿完了しました。楽しんでいただけたら幸いです。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【オメガの疑似体験ができる媚薬】を飲んだら、好きだったアルファに抱き潰された
亜沙美多郎
BL
ベータの友人が「オメガの疑似体験が出来る媚薬」をくれた。彼女に使えと言って渡されたが、郁人が想いを寄せているのはアルファの同僚・隼瀬だった。
隼瀬はオメガが大好き。モテモテの彼は絶えずオメガの恋人がいた。
『ベータはベータと』そんな暗黙のルールがある世間で、誰にも言えるはずもなく気持ちをひた隠しにしてきた。
ならばせめて隼瀬に抱かれるのを想像しながら、恋人気分を味わいたい。
社宅で一人になれる夜を狙い、郁人は自分で媚薬を飲む。
本物のオメガになれた気がするほど、気持ちいい。媚薬の効果もあり自慰行為に夢中になっていると、あろう事か隼瀬が部屋に入ってきた。
郁人の霰も無い姿を見た隼瀬は、擬似オメガのフェロモンに当てられ、郁人を抱く……。
前編、中編、後編に分けて投稿します。
全編Rー18です。
アルファポリスBLランキング4位。
ムーンライトノベルズ BL日間、総合、短編1位。
BL週間総合3位、短編1位。月間短編4位。
pixiv ブクマ数2600突破しました。
各サイトでの応援、ありがとうございます。
僕らのもう一つの物語
はやしかわともえ
BL
ある日、加那太は新聞部発行のカレンダーのため、女装した姿を写真に撮られていた。困った加那太は千尋に助けを求める。
千尋にもどうしようもできず、結局逃げ出した二人だったが、不思議な場所ヘ迷い込んでしまう。
その世界は加那太たちの住む世界とは別次元の世界だった。
二人はそこで、こちらの世界の千尋(チヒロ)に助けられる。そして、彼と共に彼方(カナタ)を救う手助けをすることになった。
LV1魔王に転生したおっさん絵師の異世界スローライフ~世界征服は完了してたので二次嫁そっくりの女騎士さんと平和な世界を満喫します~
東雲飛鶴
ファンタジー
●実は「魔王のひ孫」だった初心者魔王が本物魔王を目指す、まったりストーリー●
►30才、フリーター兼同人作家の俺は、いきなり魔王に殺されて、異世界に魔王の身代わりとして転生。
俺の愛する二次嫁そっくりな女騎士さんを拉致って、魔王城で繰り広げられるラブコメ展開。
しかし、俺の嫁はそんな女じゃねえよ!!
理想と現実に揺れる俺と、軟禁生活でなげやりな女騎士さん、二人の気持ちはどこに向かうのか――。『一巻お茶の間編あらすじ』
►長い大戦のために枯渇した国庫を元に戻すため、金策をしにダンジョンに潜った魔王一行。
魔王は全ての魔法が使えるけど、全てLV1未満でPTのお荷物に。
下へ下へと進むPTだったが、ダンジョン最深部では未知の生物が大量発生していた。このままでは魔王国に危害が及ぶ。
魔王たちが原因を究明すべく更に進むと、そこは別の異世界に通じていた。
謎の生物、崩壊寸前な別の異世界、一巻から一転、アクションありドラマありの本格ファンタジー。『二巻ダンジョン編あらすじ』
(この世界の魔族はまるマ的なものです)
※ただいま第二巻、ダンジョン編連載中!※
※第一巻、お茶の間編完結しました!※
舞台……魔族の国。主に城内お茶の間。もしくはダンジョン。
登場人物……元同人作家の初心者魔王、あやうく悪役令嬢になるところだった女騎士、マッドな兎耳薬師、城に住み着いている古竜神、女賞金稼ぎと魔族の黒騎士カップル、アラサークールメイド&ティーン中二メイド、ガチムチ親衛隊長、ダンジョンに出会いを求める剣士、料理好きなドワーフ、からくり人形、エロエロ女吸血鬼、幽霊執事、親衛隊一行、宰相等々。
HJ大賞2020後期一次通過・カクヨム併載
【HOTランキング二位ありがとうございます!:11/21】
【完結】僕は、妹の身代わり
325号室の住人
BL
☆全3話
僕の双子の妹は、病弱な第3王子サーシュ殿下の婚約者。
でも、病でいつ儚くなってしまうかわからないサーシュ殿下よりも、未だ婚約者の居ない、健康体のサーシュ殿下の双子の兄である第2王子殿下の方が好きだと言って、今回もお見舞いに行かず、第2王子殿下のファンクラブに入っている。
妹の身代わりとして城内の殿下の部屋へ向かうのも、あと数ヶ月。
けれど、向かった先で殿下は言った。
「…………今日は、君の全てを暴きたい。
まずは…そうだな。君の本当の名前を教えて。
〜中略〜
ねぇ、君は誰?」
僕が本当は男の子だということを、殿下はとっくに気付いていたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる