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第二十七章 新たな封印の指輪
第五話 新たな封印の指輪
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レブラン教授から詫びの品として渡された、蔦の絡まるような意匠の銀色の指輪。それは三本の細い蔦が絡み合うように巻き付いて輪を作り、その蔦に沿って小さな葉まで刻み込まれている精緻なものであった。
バーナード騎士団長は、まだレブランを信頼できず、不信を持っていたため、その指輪を一度、マグル王宮副魔術師長に見せることにした。問題がないか鑑定してもらうためだ。
マグルには、レブランから今までの非礼と損害に対する詫びの品だと伝えている。
本当に能力を封印する力があるのか、そして余計な呪いがかけられていないか、見て欲しいと頼んだのだ。
吸血鬼にして、高等魔術に関するエキスパートであるレブラン教授からの贈り物だと知って、興味津々のマグルは、喜んでその鑑定を引き受けた。
マグルはその指輪を一旦王宮に持ち帰った後、あれこれと調べて、そして後日、その結果が出たというので、バーナード騎士団長は王宮のマグルの部屋まで足を運んだのだった。
マグル王宮副魔術師長は、指輪の入っている天鵞絨の小箱をテーブルに置いて、バーナードに差し出した。
「心配していたけど、妙な魔法はかけられていなかった。言葉通り、封印の効果がある。それも、かなり強い封印の力があるね。今、お前がしている“封印の指輪”の上位版だ。この指輪に変えるといい」
「そうか。手間をかけたな」
バーナード騎士団長は小箱を手に持ち、指輪を取り上げた。
以前はめていた“封印の指輪”を外して、銀色の指輪を右手の指にはめると、調整の魔法の効果もあるらしいそれは、彼の指のサイズに合わせてぴったりのサイズになった。
「この指輪をはめている限り、お前はもう飢えを感じることはないんじゃないかな」
以前の“封印の指輪”では、性欲の衝動は一週間ほどしか抑えられず、それ以上になると飢えを感じていた。
それすらも封印することが出来るのかと、驚いて指輪を見る。
「それに、お前の魔力を完全に隠すことができるから、以前にはお前を見て勘づく者もいたかも知れないけど、もうこれで、完全に、完璧に、お前は普通の人間にしか見えなくなった。レブラン教授とはいろいろとあっただろうが、これはお前にとって素晴らしい贈り物だと思う」
完全に普通の人間に隠してくれると聞いて、バーナードは指にはめられたその銀色の指輪をまじまじと見つめた。
そこまで強い効果があるとは思ってもみなかったのだ。
レブランの屋敷で、「お前に必要なものだ」と強く勧められるだけあったといえる。
「一応、教授とは話はついたということだし、これで一件落着なのかな、バーナード」
伺うようにバーナードを見つめるマグル。
バーナードは頷いた。
「ああ」
そう、わざわざレブランの屋敷まで足を運び、詫びの品まで受け取った今では、もうレブラン教授と何か接点を持つということはないだろう。
強いて言うならば。
一瞬、バーナードの眉間に小さな皺が寄った。
王立騎士団の団長室の彼のデスクの引き出しの中には、レブランの護衛を務める吸血鬼ゼトゥからの手紙が山のように入っていたのだ。
何を血迷ったのか、あの護衛の大男は、競い合ったバートに興味が湧いたらしく、言い寄っている。
『俺はお前の夫になる男だからな。お前に相手がいるというのなら、それを始末しなければならない』
彼がフィリップの存在を知ったのなら、フィリップを始末すると言うのだろうか。
バーナードはそれを思い、瞬間沸々とした怒りが湧いたのだが、やがてその怒りを抑えるように息をついた。
あの大男の前で二度とバートの姿を現さなければいいことだった。
今後、会うこともなくなれば、その問題も消滅する。
気にすることはない。
そう思って気を静めているバーナードの様子を、マグルはなんとも言えぬ表情で見つめていた。
「……お前、なんかいろいろと影でやっているだろう。あまりフィリップに心配かけるなよ」
「……どうしてそんなことを言う」
「そりゃあ、この間だって教授の護衛と対決するって言っておいて、いつの間にかそれも解決したとか言っているし。今度は詫びの品を受け取っていて、それで綺麗サッパリ問題が解決したはずなのに、まだ浮かない顔をしている。おい、バーナード、お前の眉間の皺が取れていないぞ」
そう言われて、バーナードは眉間に手をやり、揉むようにしていた。
「お前は何でも一人で抱え込んで、自分で解決しようとするところがある。フィリップはお前の伴侶なんだ。伴侶に隠し事は良くないぞ」
何故かそこで、人狼ディーターの仔犬の顔が思い浮かんだ。
ハフハフと息をつく小さな真っ黒い仔犬であり、人狼であるディーターは「俺は番に隠し事は一切しない」と言い切り、自分が人狼であることは元より、仔犬として伴侶のジェラルドの側にいたことまで全て包み隠さずに話していた。
やり過ぎだというくらいに、何でも愛しい番に話すディーター。
それに対して、確かに自分にはフィリップに話せない隠し事がある。
彼を怒らせたくない、悲しませたくないと思うことから始まった隠し事は、その後ズルズルと続いて、今ではこんがらがり訳もわからなくもなっている。
どうすれば良かったのだろうか。
自分がとった道は、それが本当に正しい道だったのかと思うこともある。
でも、その時には、そうするしかないと思ったのだ。
「善処する」
バーナード騎士団長のその堅苦しい答えに、マグルは「お前って奴は……」とため息をついていた。
そしてバーナードは王宮を後にした。
王立騎士団の拠点に戻ると、団長室で、フィリップ副騎士団長が温かく出迎え、すぐに彼のためにお茶を淹れ、急ぎの書類を手渡してくれる。
自分の女房役として、常にそばにいる伴侶の男の顔をじっと見つめる。
その視線に気が付いたフィリップが、「どうかしましたか」と問うので、バーナードは思わず、素で言ってしまった。
「いや、お前が好きだと思っただけだ」
「…………私も好きですよ。バーナード。団長室でそんなことを言うなんて貴方らしくないですね」
団長室では規律を重んじるバーナード騎士団長。この部屋で甘い言葉を口にするなんて珍しい。
確かにそうだとバーナードは耳を赤く染め、視線をフィリップから逸らした。
「悪かったな」
「私は嬉しいですが。もっと言って下さっていいのですよ」
そう言って熱の籠った視線で見つめられる。
それに、バーナードは内心おかしいと思った。
指にはめられた新たな封印の指輪は、完全に、完璧に性欲を抑え込むはず。もう、普通の人間のようになって、淫魔の衝動的な性欲は抑え込むという話だった。
なのに、どうしてこの目の前の金髪の男が愛おしいと思う気持ちが出てしまうのだろうか。
おかしいと考えている間に、フィリップが距離を詰めてきて、そっとバーナードの額に落ちた黒髪を指で触れ、極めて自然に唇を重ねてきた。
それに思わず抵抗することを忘れたバーナード騎士団長は、デスクの革張りの椅子の上に押さえ込まれ、舌を受け入れる段になってようやく「おい、フィリップ、ここではマズいだろう」とのしかかるフィリップ副騎士団長を押して、ごしごしと自分の唇を拭ったのだった。
フィリップ副騎士団長は、悪戯っぽく青い目を光らせて言った。
「いえ、貴方も乗り気な気がしたので、最後までいけるかと思ったんですが、残念です」
そう、いけしゃあしゃあと答えていたのだった。
バーナード騎士団長は、まだレブランを信頼できず、不信を持っていたため、その指輪を一度、マグル王宮副魔術師長に見せることにした。問題がないか鑑定してもらうためだ。
マグルには、レブランから今までの非礼と損害に対する詫びの品だと伝えている。
本当に能力を封印する力があるのか、そして余計な呪いがかけられていないか、見て欲しいと頼んだのだ。
吸血鬼にして、高等魔術に関するエキスパートであるレブラン教授からの贈り物だと知って、興味津々のマグルは、喜んでその鑑定を引き受けた。
マグルはその指輪を一旦王宮に持ち帰った後、あれこれと調べて、そして後日、その結果が出たというので、バーナード騎士団長は王宮のマグルの部屋まで足を運んだのだった。
マグル王宮副魔術師長は、指輪の入っている天鵞絨の小箱をテーブルに置いて、バーナードに差し出した。
「心配していたけど、妙な魔法はかけられていなかった。言葉通り、封印の効果がある。それも、かなり強い封印の力があるね。今、お前がしている“封印の指輪”の上位版だ。この指輪に変えるといい」
「そうか。手間をかけたな」
バーナード騎士団長は小箱を手に持ち、指輪を取り上げた。
以前はめていた“封印の指輪”を外して、銀色の指輪を右手の指にはめると、調整の魔法の効果もあるらしいそれは、彼の指のサイズに合わせてぴったりのサイズになった。
「この指輪をはめている限り、お前はもう飢えを感じることはないんじゃないかな」
以前の“封印の指輪”では、性欲の衝動は一週間ほどしか抑えられず、それ以上になると飢えを感じていた。
それすらも封印することが出来るのかと、驚いて指輪を見る。
「それに、お前の魔力を完全に隠すことができるから、以前にはお前を見て勘づく者もいたかも知れないけど、もうこれで、完全に、完璧に、お前は普通の人間にしか見えなくなった。レブラン教授とはいろいろとあっただろうが、これはお前にとって素晴らしい贈り物だと思う」
完全に普通の人間に隠してくれると聞いて、バーナードは指にはめられたその銀色の指輪をまじまじと見つめた。
そこまで強い効果があるとは思ってもみなかったのだ。
レブランの屋敷で、「お前に必要なものだ」と強く勧められるだけあったといえる。
「一応、教授とは話はついたということだし、これで一件落着なのかな、バーナード」
伺うようにバーナードを見つめるマグル。
バーナードは頷いた。
「ああ」
そう、わざわざレブランの屋敷まで足を運び、詫びの品まで受け取った今では、もうレブラン教授と何か接点を持つということはないだろう。
強いて言うならば。
一瞬、バーナードの眉間に小さな皺が寄った。
王立騎士団の団長室の彼のデスクの引き出しの中には、レブランの護衛を務める吸血鬼ゼトゥからの手紙が山のように入っていたのだ。
何を血迷ったのか、あの護衛の大男は、競い合ったバートに興味が湧いたらしく、言い寄っている。
『俺はお前の夫になる男だからな。お前に相手がいるというのなら、それを始末しなければならない』
彼がフィリップの存在を知ったのなら、フィリップを始末すると言うのだろうか。
バーナードはそれを思い、瞬間沸々とした怒りが湧いたのだが、やがてその怒りを抑えるように息をついた。
あの大男の前で二度とバートの姿を現さなければいいことだった。
今後、会うこともなくなれば、その問題も消滅する。
気にすることはない。
そう思って気を静めているバーナードの様子を、マグルはなんとも言えぬ表情で見つめていた。
「……お前、なんかいろいろと影でやっているだろう。あまりフィリップに心配かけるなよ」
「……どうしてそんなことを言う」
「そりゃあ、この間だって教授の護衛と対決するって言っておいて、いつの間にかそれも解決したとか言っているし。今度は詫びの品を受け取っていて、それで綺麗サッパリ問題が解決したはずなのに、まだ浮かない顔をしている。おい、バーナード、お前の眉間の皺が取れていないぞ」
そう言われて、バーナードは眉間に手をやり、揉むようにしていた。
「お前は何でも一人で抱え込んで、自分で解決しようとするところがある。フィリップはお前の伴侶なんだ。伴侶に隠し事は良くないぞ」
何故かそこで、人狼ディーターの仔犬の顔が思い浮かんだ。
ハフハフと息をつく小さな真っ黒い仔犬であり、人狼であるディーターは「俺は番に隠し事は一切しない」と言い切り、自分が人狼であることは元より、仔犬として伴侶のジェラルドの側にいたことまで全て包み隠さずに話していた。
やり過ぎだというくらいに、何でも愛しい番に話すディーター。
それに対して、確かに自分にはフィリップに話せない隠し事がある。
彼を怒らせたくない、悲しませたくないと思うことから始まった隠し事は、その後ズルズルと続いて、今ではこんがらがり訳もわからなくもなっている。
どうすれば良かったのだろうか。
自分がとった道は、それが本当に正しい道だったのかと思うこともある。
でも、その時には、そうするしかないと思ったのだ。
「善処する」
バーナード騎士団長のその堅苦しい答えに、マグルは「お前って奴は……」とため息をついていた。
そしてバーナードは王宮を後にした。
王立騎士団の拠点に戻ると、団長室で、フィリップ副騎士団長が温かく出迎え、すぐに彼のためにお茶を淹れ、急ぎの書類を手渡してくれる。
自分の女房役として、常にそばにいる伴侶の男の顔をじっと見つめる。
その視線に気が付いたフィリップが、「どうかしましたか」と問うので、バーナードは思わず、素で言ってしまった。
「いや、お前が好きだと思っただけだ」
「…………私も好きですよ。バーナード。団長室でそんなことを言うなんて貴方らしくないですね」
団長室では規律を重んじるバーナード騎士団長。この部屋で甘い言葉を口にするなんて珍しい。
確かにそうだとバーナードは耳を赤く染め、視線をフィリップから逸らした。
「悪かったな」
「私は嬉しいですが。もっと言って下さっていいのですよ」
そう言って熱の籠った視線で見つめられる。
それに、バーナードは内心おかしいと思った。
指にはめられた新たな封印の指輪は、完全に、完璧に性欲を抑え込むはず。もう、普通の人間のようになって、淫魔の衝動的な性欲は抑え込むという話だった。
なのに、どうしてこの目の前の金髪の男が愛おしいと思う気持ちが出てしまうのだろうか。
おかしいと考えている間に、フィリップが距離を詰めてきて、そっとバーナードの額に落ちた黒髪を指で触れ、極めて自然に唇を重ねてきた。
それに思わず抵抗することを忘れたバーナード騎士団長は、デスクの革張りの椅子の上に押さえ込まれ、舌を受け入れる段になってようやく「おい、フィリップ、ここではマズいだろう」とのしかかるフィリップ副騎士団長を押して、ごしごしと自分の唇を拭ったのだった。
フィリップ副騎士団長は、悪戯っぽく青い目を光らせて言った。
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