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第二十七章 新たな封印の指輪
第一話 迷惑な手紙
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魔術会議からしばらく経って、バーナード騎士団長の手元に一通の手紙が届いた。
送り主は、レブラン教授からで、先日、息子(隠し子)のバートと会い楽しい時間を過ごしたという社交辞令の言葉が続いた後、フィリップの屋敷を壊した償いをしたいとあった。
手紙を読んでいたバーナード騎士団長の眉間にはまた、くっきりとした皺が寄せられた。
もうこれっきりにしたいと思って、魔術会議の開催国にまでわざわざ足を運び、あの吸血鬼の男と対面したのだ。
償いなど、もう要らぬ。
バーナード騎士団長は、返信に「気遣いは無用」という言葉をハッキリと書いて送った。
しかし、その手紙を出してすぐに返信がやって来た。
今度はなんと、封筒にはレブラン教授の屋敷の住所に、ゼトゥという送り主の名があった。
果たして誰であろうかと思って、バーナードは手紙を開封する。
※今まで、ゼトゥと対面することはあっても共に名乗りを挙げたことはなく、バーナード騎士団長はゼトゥの名を知りませんでした。
バーナード騎士団長の顔は、渋いものとなった。
ゼトゥとは、先日勝負したばかりのあのレブラン教授の護衛の大男の名であったのだ。彼がわざわざ寄越した手紙の内容を読み進めていく内に、眉間の皺はますますクッキリと深くなっていく。
(また勝負したいだと……)
手紙には、これまたご子息と会えて楽しかったという社交辞令から始まり、ついては主君であるレブランの遣いでそちらに伺うので、ご子息のバート少年と会わせて欲しい。そしてまた勝負したいとある。
内心、これはマズイと思うバーナード騎士団長である。
レブラン教授の詫びの品を持って、この護衛のゼトゥがバーナード騎士団長の元を訪ねると、第一に、バートがバーナード騎士団長の息子ではないとバレる可能性がある(同一人物なので、バーナード騎士団長とバート少年は同じ空間に同時に存在出来ない。会わせろと言われても不可能であった)。更には「また勝負したい」と言われたのなら、それを耳にしたフィリップ副騎士団長は「また、とはどういう意味でしょうか、バーナード」と詰め寄られそうである。過去に一度、対決したことがバレてしまう。そしてその勝負に勝ったことを知られれば、どうやって勝ったのだろうと思うだろう。勘の良いフィリップは、バートに殿下と会った痕跡があることから、竜剣ヴァンドライデンの貸借まで想像がいってしまうかも知れない。
それはマズイ。
バーナード騎士団長は深く深く息を吐いた。
書類仕事をしているフィリップ副騎士団長に言った。
「マグルに会いに行く。少し遅くなるかも知れない」
そして騎士団長はマントを翻し、王宮に居るマグル王宮副魔術師長の元へ急いだのだった。
送り主は、レブラン教授からで、先日、息子(隠し子)のバートと会い楽しい時間を過ごしたという社交辞令の言葉が続いた後、フィリップの屋敷を壊した償いをしたいとあった。
手紙を読んでいたバーナード騎士団長の眉間にはまた、くっきりとした皺が寄せられた。
もうこれっきりにしたいと思って、魔術会議の開催国にまでわざわざ足を運び、あの吸血鬼の男と対面したのだ。
償いなど、もう要らぬ。
バーナード騎士団長は、返信に「気遣いは無用」という言葉をハッキリと書いて送った。
しかし、その手紙を出してすぐに返信がやって来た。
今度はなんと、封筒にはレブラン教授の屋敷の住所に、ゼトゥという送り主の名があった。
果たして誰であろうかと思って、バーナードは手紙を開封する。
※今まで、ゼトゥと対面することはあっても共に名乗りを挙げたことはなく、バーナード騎士団長はゼトゥの名を知りませんでした。
バーナード騎士団長の顔は、渋いものとなった。
ゼトゥとは、先日勝負したばかりのあのレブラン教授の護衛の大男の名であったのだ。彼がわざわざ寄越した手紙の内容を読み進めていく内に、眉間の皺はますますクッキリと深くなっていく。
(また勝負したいだと……)
手紙には、これまたご子息と会えて楽しかったという社交辞令から始まり、ついては主君であるレブランの遣いでそちらに伺うので、ご子息のバート少年と会わせて欲しい。そしてまた勝負したいとある。
内心、これはマズイと思うバーナード騎士団長である。
レブラン教授の詫びの品を持って、この護衛のゼトゥがバーナード騎士団長の元を訪ねると、第一に、バートがバーナード騎士団長の息子ではないとバレる可能性がある(同一人物なので、バーナード騎士団長とバート少年は同じ空間に同時に存在出来ない。会わせろと言われても不可能であった)。更には「また勝負したい」と言われたのなら、それを耳にしたフィリップ副騎士団長は「また、とはどういう意味でしょうか、バーナード」と詰め寄られそうである。過去に一度、対決したことがバレてしまう。そしてその勝負に勝ったことを知られれば、どうやって勝ったのだろうと思うだろう。勘の良いフィリップは、バートに殿下と会った痕跡があることから、竜剣ヴァンドライデンの貸借まで想像がいってしまうかも知れない。
それはマズイ。
バーナード騎士団長は深く深く息を吐いた。
書類仕事をしているフィリップ副騎士団長に言った。
「マグルに会いに行く。少し遅くなるかも知れない」
そして騎士団長はマントを翻し、王宮に居るマグル王宮副魔術師長の元へ急いだのだった。
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