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第五章 サキュバスの加護を持つ娘
第三話 サキュバスの加護を持つ娘(上)
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ようやくエドワードの性欲が収まったのは、夜も明け方に近い頃合いだった。
バートは加護持ちだからこそ、彼の性欲に付き合えていた。もし加護を持っていなければ、とうにヤリ過ぎてあの世に旅立っていたのではないかと思う。
互いに裸体で抱き合い、エドワードは満足そうなため息をついて、バートの黒髪を撫でた。
「疲れたかい?」
「いいえ、大丈夫です」
加護のおかげで、反対に力が漲るほどだった。
エドワードはバートの頬に手をやり、そっと口づけする。
そんな優しい様子に、エドワードは愛情深い王子だから、今度自分の代わりにやってくるであろう“サキュバスの加護”持ちの娘ともうまくやっていくだろうと思った。
「殿下、今度“サキュバスの加護持ち”の娘が、殿下にお仕えすると聞きました」
「…………ああ、そうだ」
なぜか、エドワードは眉を曇らせる。
嬉しくないのだろうか?
「きっと殿下とうまくいきます」
そのバートの言葉に、エドワードは不愉快そうに言った。
「そうしてお前は、ここから逃げ出すわけか。前と同じように。そして素知らぬ顔で、騎士団長として仕え続けるわけか」
「……」
なぜそんな不機嫌そうに言われるのか理解できなかった。
怪訝そうな表情を見せるバートの頬を両手で包み、その瞳を覗き込むようにしてエドワードは言った。
「フィリップと結婚する前に、お前と出会っていれば、私はお前をけっして手放さなかっただろうな。お前はフィリップを愛しているのだろう?」
そう問われて、バートは……そう、バーナードはしっかりと答えた。
「ええ、彼を愛しています」
「…………」
何かを飲み込むような顔をして、エドワードは深くため息をついた。
“サキュバスの加護持ち”の娘に関する会話はそれっきりだった。
それから、次の二週間後の伽の話は来なかった。
“サキュバスの加護持ち”の娘が、エドワードの側に仕えることになったからだ。
フィリップは大喜びし、マグルもバーナードのこれまでの苦労をいたわった。
“サキュバスの加護持ち”の娘は長い金の髪の、豊満な肢体をした美しい娘だった。
殿下と彼女との仲は順調であると聞いている。
だから、バーナード騎士団長は、王宮へ行く度に、王太子エドワードからじっとりとした視線で見られることは気のせいだと思うことにした。
そう、それはきっと、気のせいなのだと。
バートは加護持ちだからこそ、彼の性欲に付き合えていた。もし加護を持っていなければ、とうにヤリ過ぎてあの世に旅立っていたのではないかと思う。
互いに裸体で抱き合い、エドワードは満足そうなため息をついて、バートの黒髪を撫でた。
「疲れたかい?」
「いいえ、大丈夫です」
加護のおかげで、反対に力が漲るほどだった。
エドワードはバートの頬に手をやり、そっと口づけする。
そんな優しい様子に、エドワードは愛情深い王子だから、今度自分の代わりにやってくるであろう“サキュバスの加護”持ちの娘ともうまくやっていくだろうと思った。
「殿下、今度“サキュバスの加護持ち”の娘が、殿下にお仕えすると聞きました」
「…………ああ、そうだ」
なぜか、エドワードは眉を曇らせる。
嬉しくないのだろうか?
「きっと殿下とうまくいきます」
そのバートの言葉に、エドワードは不愉快そうに言った。
「そうしてお前は、ここから逃げ出すわけか。前と同じように。そして素知らぬ顔で、騎士団長として仕え続けるわけか」
「……」
なぜそんな不機嫌そうに言われるのか理解できなかった。
怪訝そうな表情を見せるバートの頬を両手で包み、その瞳を覗き込むようにしてエドワードは言った。
「フィリップと結婚する前に、お前と出会っていれば、私はお前をけっして手放さなかっただろうな。お前はフィリップを愛しているのだろう?」
そう問われて、バートは……そう、バーナードはしっかりと答えた。
「ええ、彼を愛しています」
「…………」
何かを飲み込むような顔をして、エドワードは深くため息をついた。
“サキュバスの加護持ち”の娘に関する会話はそれっきりだった。
それから、次の二週間後の伽の話は来なかった。
“サキュバスの加護持ち”の娘が、エドワードの側に仕えることになったからだ。
フィリップは大喜びし、マグルもバーナードのこれまでの苦労をいたわった。
“サキュバスの加護持ち”の娘は長い金の髪の、豊満な肢体をした美しい娘だった。
殿下と彼女との仲は順調であると聞いている。
だから、バーナード騎士団長は、王宮へ行く度に、王太子エドワードからじっとりとした視線で見られることは気のせいだと思うことにした。
そう、それはきっと、気のせいなのだと。
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