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第四章 “淫魔の王女”の加護を持つ騎士
第一話 壊れる人形
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大きな寝台の上で、金の髪を振り乱しながら、一人の少年を組み伏しているのは、美しい顔立ちの若者だった。
燦然と輝く金の髪に、碧い瞳の美しい王太子エドワード。彼は小柄な黒髪の少年の足を大きく開かせて、その美しい容姿とはまったく不釣り合いな、股間の逸物で貫いている。
それは醜悪ともいえる巨根だった。男の腕ほどもあるソレは、赤黒い色をして血管を浮き上がらせ、まとわりつかせている。先端からあふれ出す白い精は、少年の後孔に注がれ続け、彼の真っ白い臀部は溢れ出したソレにねとねとと濡れ切っていた。寝台のシーツもびっしょりと濡れた上、彼の下腹はぽっこりと不自然なほど膨らんでいる。
抱いても抱いても、欲が尽きることはなかった。
だが、受け止めている少年の、その柔らかく包み込む肉襞も、何時間も続けた性交の後、弛緩して緩み切っている。後孔自体も巨根を挿入し続けたせいで、裂けたように広がっていた。
黒髪の少年には痛みはないように、「あああ」と小さな声で喘ぎ続け、唇の端から涎を垂らしている。
彼はよくできた人形だった。
人造生命体。王子の強い性欲を散らすために、わざわざ王宮魔術師長が作り上げた人形。
人形ゆえに知性もなく、激しく抱くと壊れてしまう。
生まれたてゆえに肌は驚くほど白い。温かく柔らかく包み込む彼の肉体は、一時的に欲を晴らすにはよかった。だが、使用しているうちにその身体は緩み始める。持たないことが難点で、エドワードが寝台で抱くたびに、人形は壊れた。
死ぬわけではない。人形のコアを抜いて、また新しい肉の身体に埋め込めば動き出す。
抱かれるためだけに作られた、肉の人形だった。
やがて茶色の瞳を開き切り、動かなくなったのを見て、エドワードはずるりと巨根を、少年の後孔から抜いた。するとどぷどぷと大量の白濁が、そこから流れ落ちた。こわれて筋肉が弛緩した結果、下腹に留めることもできずに内部に注がれた精が流れ落ちてしまうのだろう。
それを見て、エドワードは不愉快そうに眉を寄せ、扉の外の侍従に声をかけた。
「片付けておけ」
ガウンをまとい、寝台から下りて浴室に足を運ぶ。
すぐさま、数人の侍従が入って来て、人形を運び出した。
浴室にはすでに湯が張られており、エドワードは身についた汗や精を流した後に、湯の中に身を沈めた。
息を吐く。
もうもうと上がる蒸気の中、思い出すのは彼のことだった。
初めて抱いた時、黒い髪に茶色の瞳の彼は、甘く声をあげながら私を受け止めた。
小さな蕾は、あれほど小さいのに、私のモノを裂けることもせずに受け入れ、そして熱く締めあげた。
あの感触を思い出し、股間が熱くなるのを感じる。
サキュバスの加護を持つ彼は素晴らしい身体を持っていた。巨根を裂けることなく受け入れられ、そして絶妙に締め上げ、男を高ぶらせる。彼がいる間は、ずっと彼を抱いていた。
彼もすぐに感じてしまうのか、私に挿入されるとぴんとペニスを固く立たせ、精を放っていた。後ろだけで感じ入ってしまうことを恥じていた。そんな彼を言葉で攻めて泣かせたこともあった。
その、満たされていた日々は終わった。
当初の言葉通り、一週間で。
今でも思い出せる。
「殿下、お暇させて頂きます」
笑ってそう言った彼は、天窓から広がる世界へ飛び出していった。
多くの近衛騎士達が追いかけたが、それをまんまと置いていった。
私は眉根を寄せ、苛立たし気に息をつく。
私の彼への強い執着と裏腹に、彼は何に対しても執着していなかった。
地位も名誉も財も与えると言っても、まったく拘泥していなかった。
清々しいほど、彼は何も求めず、今思えば、彼はただ与えるだけだったと思う。
それが新鮮であったし、そんな真っ直ぐな心にも惹かれた。
その身分を一切明かすことはなかったが、おそらく彼は貴族の子弟で、それなりの教育を受けてきた者だろうと私も侍従長も見ていた。身のこなしや受け答えなどしっかりしたものだったからだ。礼節もわきまえていた。
だから、彼を妃の一人に加えてはどうかという意見も王宮では出ていた。
それについては、彼を連れて来た王宮魔術師のマグルは慌てて否定していた。
とんでもないと。
いなくなった彼を捜し続けているが、まったく見つかる様子はなかった。
諦めが見え始めた中、その話を聞いたのだ。
サキュバスの加護の上級、“淫魔の王女”の加護を持つ騎士がいると。
燦然と輝く金の髪に、碧い瞳の美しい王太子エドワード。彼は小柄な黒髪の少年の足を大きく開かせて、その美しい容姿とはまったく不釣り合いな、股間の逸物で貫いている。
それは醜悪ともいえる巨根だった。男の腕ほどもあるソレは、赤黒い色をして血管を浮き上がらせ、まとわりつかせている。先端からあふれ出す白い精は、少年の後孔に注がれ続け、彼の真っ白い臀部は溢れ出したソレにねとねとと濡れ切っていた。寝台のシーツもびっしょりと濡れた上、彼の下腹はぽっこりと不自然なほど膨らんでいる。
抱いても抱いても、欲が尽きることはなかった。
だが、受け止めている少年の、その柔らかく包み込む肉襞も、何時間も続けた性交の後、弛緩して緩み切っている。後孔自体も巨根を挿入し続けたせいで、裂けたように広がっていた。
黒髪の少年には痛みはないように、「あああ」と小さな声で喘ぎ続け、唇の端から涎を垂らしている。
彼はよくできた人形だった。
人造生命体。王子の強い性欲を散らすために、わざわざ王宮魔術師長が作り上げた人形。
人形ゆえに知性もなく、激しく抱くと壊れてしまう。
生まれたてゆえに肌は驚くほど白い。温かく柔らかく包み込む彼の肉体は、一時的に欲を晴らすにはよかった。だが、使用しているうちにその身体は緩み始める。持たないことが難点で、エドワードが寝台で抱くたびに、人形は壊れた。
死ぬわけではない。人形のコアを抜いて、また新しい肉の身体に埋め込めば動き出す。
抱かれるためだけに作られた、肉の人形だった。
やがて茶色の瞳を開き切り、動かなくなったのを見て、エドワードはずるりと巨根を、少年の後孔から抜いた。するとどぷどぷと大量の白濁が、そこから流れ落ちた。こわれて筋肉が弛緩した結果、下腹に留めることもできずに内部に注がれた精が流れ落ちてしまうのだろう。
それを見て、エドワードは不愉快そうに眉を寄せ、扉の外の侍従に声をかけた。
「片付けておけ」
ガウンをまとい、寝台から下りて浴室に足を運ぶ。
すぐさま、数人の侍従が入って来て、人形を運び出した。
浴室にはすでに湯が張られており、エドワードは身についた汗や精を流した後に、湯の中に身を沈めた。
息を吐く。
もうもうと上がる蒸気の中、思い出すのは彼のことだった。
初めて抱いた時、黒い髪に茶色の瞳の彼は、甘く声をあげながら私を受け止めた。
小さな蕾は、あれほど小さいのに、私のモノを裂けることもせずに受け入れ、そして熱く締めあげた。
あの感触を思い出し、股間が熱くなるのを感じる。
サキュバスの加護を持つ彼は素晴らしい身体を持っていた。巨根を裂けることなく受け入れられ、そして絶妙に締め上げ、男を高ぶらせる。彼がいる間は、ずっと彼を抱いていた。
彼もすぐに感じてしまうのか、私に挿入されるとぴんとペニスを固く立たせ、精を放っていた。後ろだけで感じ入ってしまうことを恥じていた。そんな彼を言葉で攻めて泣かせたこともあった。
その、満たされていた日々は終わった。
当初の言葉通り、一週間で。
今でも思い出せる。
「殿下、お暇させて頂きます」
笑ってそう言った彼は、天窓から広がる世界へ飛び出していった。
多くの近衛騎士達が追いかけたが、それをまんまと置いていった。
私は眉根を寄せ、苛立たし気に息をつく。
私の彼への強い執着と裏腹に、彼は何に対しても執着していなかった。
地位も名誉も財も与えると言っても、まったく拘泥していなかった。
清々しいほど、彼は何も求めず、今思えば、彼はただ与えるだけだったと思う。
それが新鮮であったし、そんな真っ直ぐな心にも惹かれた。
その身分を一切明かすことはなかったが、おそらく彼は貴族の子弟で、それなりの教育を受けてきた者だろうと私も侍従長も見ていた。身のこなしや受け答えなどしっかりしたものだったからだ。礼節もわきまえていた。
だから、彼を妃の一人に加えてはどうかという意見も王宮では出ていた。
それについては、彼を連れて来た王宮魔術師のマグルは慌てて否定していた。
とんでもないと。
いなくなった彼を捜し続けているが、まったく見つかる様子はなかった。
諦めが見え始めた中、その話を聞いたのだ。
サキュバスの加護の上級、“淫魔の王女”の加護を持つ騎士がいると。
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