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第4章 ちびっこ怪獣三匹、仲間と協力して戦利品を吟味する

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「命をお残しする子になっちゃいけませんっていうのがウチのおばあちゃんの口ぐせでぇ」

「いただいた命は余さず美味しくいただきましょう、がウチのおばあちゃんの口ぐせ」

 彼女らの祖母の言う『命』とは、お肉だけでなく野菜や果物のことでもあった。
 生きていくためには他の『命』をいただかなければならないのだから、きちんと感謝できる子になりなさい。
 ふたりは、たくさんの大人たちからそう教えられて育ってきた。
 だから、男性陣の姿を見て情けないと思ったのだが。

「まあ、そう言わないであげて。誰だって最初はこんなものよ」

 幼い頃から狩り親しんできた間と、初めての人間では反応が違って当然だと木本先生に言われ、そんなものかと納得する。

「死活問題だし男性陣には慣れてもらうしかないとして、まずは今後の予定をたてましょう?」

 魔方陣に引きずり込まれたのは、放課後だった。
 けれど何故か、見知らぬ草原で目を覚ましたのは--太陽の位置を地球と同じだと考えるなら--早朝で。
 導くもの大精霊と話をしたり、トレントと戦ったり。
 ドロップ品の整理をしながら魔法の練習をして、ウサギを狩って食べたり。
 かなり時間がたったような気がしていたが、今現在。
 太陽はまだ、真上にある。

 地球の基準でいけば、まだお昼。
 季節によって多少の違いはあっても、日が沈むまでにはまだまだ時間がありそうだ。
 この場にとどまり、周囲の探索をするのか。
 はたまた、ユーゴの見つけた地図を信じ、近くにあるらしい村へ向かうのか。

 どちらにしろ、何かしらの不安が付きまとうのは仕方のないことだとはいえ、できるなら安全第一でいきたいところだ。
 みんなで、ああでもないこうでもないと話し合うことしばし。

「この世界の情報も欲しいし、ここはひとつ、近くにあるらしい村へ行ってみるか」

 食事の問題と寝床の問題を解決するならやはり、人里へ向かうのが一番だ。
 ごく一部、狩猟生活に適応した能力を持っていたりするけれど。
 それでもやはり、どんな獣や魔物がいるかわからない場所での野宿は怖い。
 その部分だけは全員の意見が一致しての結論だ。

「忘れ物はないな? じゃあ安全第一で……」

「「「「「「しゅっぱーつ!」」」」」」

 声を揃えた子供たちが、元気よく手をあげる。

 不安ならいっぱいある。
 でも、仲間がいて、先生たちもいる。
 みんなで協力すれば大丈夫。

 だから、出発は元気よく。
 不安なんて蹴散らして。
 地図を持った大内先生を先頭に、木本先生に後ろから見守られて。

 やんちゃ怪獣とその仲間たちは、異世界へと踏み出して行った。



***************

お読みくださりありがとうございます。
これにて第一部終了です。

第二部開始まで、しばしお待ちください(´・ω・)(´_ _)
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