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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ
第213話 アグレゴの野望
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ブラッシュ「……それで? あんたの指示通りオーレリアとランを痛めつけてやったが、あれでよかったのか?」
アジト内にある広間でアグレゴが王座に座っており、目の前のブラッシュと会話していた。
アグレゴ「あれでいい…ごくろうさん。
これでオーレリアとランの心と体には、お前に対しては恐怖…俺に対してはこの状況で唯一頼れる奴だという感情を芽生えさせた…
いわゆる飴と鞭ってやつだ。こうやった方がより従順になって、そして洗脳を施す時の効果も効きやすくなるんだ。」
選べる選択肢がなくなり、恐怖と合わせると思考もまともに判断できなくなる。
ブラッシュ「わざわざこんな小芝居をやらせるほど、奴らに価値があるのか?」
アグレゴ「ああ…俺らにとって価値があるのはもちろんだが、ガブリエラやお前には黙っていたが…オーレリア=イークレムの調教は『依頼』された仕事だったんだよ。」
ブラッシュ「ほう…?」
アグレゴ「調教の依頼をしてきた『奴』は、王国でオーレリアとその副団長に、それは煮湯を飲まされてたのさ…だからこそ『アレ』を使ってオーレリアを罠に嵌めて、俺らんとこに調教を依頼してきたのさ。」
ブラッシュ「なるほどな…オーレリアを欲しがっている奴というのは『王国のお得意さま』だったか…となるとランとスリスがここに来たのも仕組まれてだったというか?」
アグレゴ「そういうこった。スリスやランも『奴ら』の計画の邪魔になる可能があったからだろうよ。」
スリスは『奴』にとって面倒な存在だから…ランは三賢人に従ってるとはいえ、サクヤ派閥なのは変わらず、いつ叛逆するかわからなかったからだろう。
ブラッシュ「それで? アグレゴ様のことだからオーレリアを単純に『奴』へ渡すだけではないんだろ?」
アグレゴ「よくわかってるじゃねーか。
奴隷娼婦となったオーレリアをスパイ…俺らの駒とする…『奴』のそばにいさせて、いつでも『奴』を殺れるようにな。
オーレリアにはお仲間の安全を条件に服従の約束を取り付けている。スリスとラン…ついでにミレイもこっちにいる限り、オーレリアは俺たちには逆らえない…
そしてお仲間のためならオーレリアは自分の身を差し出し、何だってするだろうよ…それにランたちも俺らの計画に役立つだろう。」
ブラッシュの問いに答えながら、アグレゴは話を続ける。
アグレゴ「『奴』や教会の三賢人を排除し、王国騎士団に教会騎士団を配下に付けるのが俺らの最終目標だ…二大騎士団を配下にすればビジネスチャンスも広がる…
そして、そこにあのオーレリアがいりゃあ…魔王や魔族たちも俺らの配下に取り込める可能性がある。」
ブラッシュ「……王国の『奴』にならともかく、あんな甘ちゃん騎士が魔王との交渉にも使えるとは、俺にはそうは思えないが。」
アグレゴ「いいや、俺にはそれだけの価値があると思ってる…オーレリアは魔王を唯一御せる存在だとな。」
伝手も何もなく一からこの大犯罪組織を作り上げたアグレゴが言っているのだから、何かしらの根拠があってのことだろうと、ブラッシュは思った。
アグレゴ「ともかくだ…『奴』は王国にも魔族にも顔がきいて、今のところは1番のビジネスパートナーだ…恩を売っておきながらも仕込みは用意しておいて損はないだろう。
オーレリアにランにスリスやミレイ…駒が手元に転がり込んできた俺らに今風向きはある…このまま順調にやってけば、最終的な頂点は『奴ら』ではなく俺たちだ。」
あらゆる者を出し抜く画策を常に考え…どこまでも欲望に、強欲に、ビジネスに忠実なアグレゴは、自分たちが支配者として君臨することを最終目標としていた。
「……。」
その話を物陰から見ている人物が1人……。
アジト内にある広間でアグレゴが王座に座っており、目の前のブラッシュと会話していた。
アグレゴ「あれでいい…ごくろうさん。
これでオーレリアとランの心と体には、お前に対しては恐怖…俺に対してはこの状況で唯一頼れる奴だという感情を芽生えさせた…
いわゆる飴と鞭ってやつだ。こうやった方がより従順になって、そして洗脳を施す時の効果も効きやすくなるんだ。」
選べる選択肢がなくなり、恐怖と合わせると思考もまともに判断できなくなる。
ブラッシュ「わざわざこんな小芝居をやらせるほど、奴らに価値があるのか?」
アグレゴ「ああ…俺らにとって価値があるのはもちろんだが、ガブリエラやお前には黙っていたが…オーレリア=イークレムの調教は『依頼』された仕事だったんだよ。」
ブラッシュ「ほう…?」
アグレゴ「調教の依頼をしてきた『奴』は、王国でオーレリアとその副団長に、それは煮湯を飲まされてたのさ…だからこそ『アレ』を使ってオーレリアを罠に嵌めて、俺らんとこに調教を依頼してきたのさ。」
ブラッシュ「なるほどな…オーレリアを欲しがっている奴というのは『王国のお得意さま』だったか…となるとランとスリスがここに来たのも仕組まれてだったというか?」
アグレゴ「そういうこった。スリスやランも『奴ら』の計画の邪魔になる可能があったからだろうよ。」
スリスは『奴』にとって面倒な存在だから…ランは三賢人に従ってるとはいえ、サクヤ派閥なのは変わらず、いつ叛逆するかわからなかったからだろう。
ブラッシュ「それで? アグレゴ様のことだからオーレリアを単純に『奴』へ渡すだけではないんだろ?」
アグレゴ「よくわかってるじゃねーか。
奴隷娼婦となったオーレリアをスパイ…俺らの駒とする…『奴』のそばにいさせて、いつでも『奴』を殺れるようにな。
オーレリアにはお仲間の安全を条件に服従の約束を取り付けている。スリスとラン…ついでにミレイもこっちにいる限り、オーレリアは俺たちには逆らえない…
そしてお仲間のためならオーレリアは自分の身を差し出し、何だってするだろうよ…それにランたちも俺らの計画に役立つだろう。」
ブラッシュの問いに答えながら、アグレゴは話を続ける。
アグレゴ「『奴』や教会の三賢人を排除し、王国騎士団に教会騎士団を配下に付けるのが俺らの最終目標だ…二大騎士団を配下にすればビジネスチャンスも広がる…
そして、そこにあのオーレリアがいりゃあ…魔王や魔族たちも俺らの配下に取り込める可能性がある。」
ブラッシュ「……王国の『奴』にならともかく、あんな甘ちゃん騎士が魔王との交渉にも使えるとは、俺にはそうは思えないが。」
アグレゴ「いいや、俺にはそれだけの価値があると思ってる…オーレリアは魔王を唯一御せる存在だとな。」
伝手も何もなく一からこの大犯罪組織を作り上げたアグレゴが言っているのだから、何かしらの根拠があってのことだろうと、ブラッシュは思った。
アグレゴ「ともかくだ…『奴』は王国にも魔族にも顔がきいて、今のところは1番のビジネスパートナーだ…恩を売っておきながらも仕込みは用意しておいて損はないだろう。
オーレリアにランにスリスやミレイ…駒が手元に転がり込んできた俺らに今風向きはある…このまま順調にやってけば、最終的な頂点は『奴ら』ではなく俺たちだ。」
あらゆる者を出し抜く画策を常に考え…どこまでも欲望に、強欲に、ビジネスに忠実なアグレゴは、自分たちが支配者として君臨することを最終目標としていた。
「……。」
その話を物陰から見ている人物が1人……。
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