騎士学生と教官の百合物語

第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ

第212話 分岐点

『コマドリルート』

私自身病気など色々ありますが、出来たらキャラたちのハッピーエンドのためだけに最後まで書き続けたいです。

基本、金曜日更新。

今書き溜めたストックと、新たに書いているのがなくなると、ある程度書けるまでは再び休載予定。
でもその休載期間は長くならないようにはしていくつもりです。

一応この過去編部分はコマドリ(私)ルートですが完成しており…そして完結までの大まかな流れはすでに浮かんでいるので、キャラたちの幸せのためだけに頑張ります。

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辺りを一望できる丘から黒煙昇るサキュバスの館を眺める一団がいた。


「……まさか本当に団長とフォウさんが敗北するなんてね…。」

その中の1人…短めの紫髪で左右に白のシニヨンキャップが２つ…紫色の瞳で白いチャイナドレスを着た女性…私が思わず言葉をつぶやいてしまっていた。

手に持つこの遠見水晶玉に映し出されたのは、団長たちが敗北したという映像だった。


「……一応は団長やフォウさんの予想範囲内ね…総員これよりプランBに移行するわ。」

団長は事前に敗北する可能性を『観て』いて、それが本当に起こったあとの展開もフォウさんが策を練っていた…

しかし私はあの2人が実際に負けると微塵も思ってなかったためまだそれ受け入れられず動揺していた…

団長は自身の一度目の敗北も次の勝利に繋がる布石となる…と言っていたが、どうやってアレに勝てるというのか…部隊長の私から見ても実力差は明白で勝ち筋が全く見えない。


「シオン皇女殿下やその他各方面に通達し、決戦に向けて配置してもらって。

私たちはシリウスさんやユラミルティさんと合流し、奴らのアジトに向かうわよ…

魔王となったキール=ゴールドウィンを唯一止める鍵となるオーレリア=イークレムン…そしてミレナリオ殿下たちを救出しに。」

でも私は頭をぶんぶん振って悪い方向に考える思考を断ち切って…団長…私を拾って育ててくれた養父…お父さんの言葉を信じて、私は予め指示されていた手筈通り動き始めることに…

私の役割はオーレリア=イークレムンたちの救出…そして『今度こそ』あの子を…ランを絶対に私が守ってみせる…

最終分岐点はもう目の前だ…この世界の戦争の結末はお父さんの『千里眼』ですら未だ見通せてはいない……。