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第7節 過去編 人魔大戦 キールとマサキ

第100話 怒りの魔法

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ヴィレーヌ「さ、そろそろいいでしょ~♪教えて♪ 」

暇をもて余したヴィレーヌが質問をぶつける。

ーーーー

オーレリア「む…これは…? …ふむ…選択肢とな…? むぅ…なるほど…。
(確かに今の私ではヴィレーヌには勝てないだろう…悔しいがな…しかしあの薬は何かもわからぬ…ヴィレーヌの言葉に嘘はないだろうが…。)」

ヴィレーヌが取り出した丸薬を見たあと、彼女に選択肢を提示され私は首を傾げ。

戦ったとしても勝ち目は少ないことを感じ、薬を飲めばシャロンを救出する任務は果たせる…しかし薬の方を選んでも、私はヴィレーヌに何かをされるのだろう。


オーレリア「……この薬を飲もう…私の身に何が起ころうと、仲間を無事に救えるのなら願ってもないことだろう…んむ…こくん…。」

戦うより勝算が高い方を選び…
シャロンを救出できるならと言って、私はヴィレーヌから渡された薬を飲んで…。

ーーーー

ヴィレーヌ「お♪…………あれ?」

オーレリアに訪れるはずの『変化』が現れないことに首をかしげつつ、まじまじと彼女の様子を見つめるもやはり変化はない。


ヴィレーヌ「おっかしいな。僕が開発したのに……君はどうも魔力抵抗力が強い体質なんだろうね。時間差で『来る』でしょ♪」

続けてヴィレーヌが何か呟こうとした時、研究室の床から大量の『樹木』が発芽し、天井を突き破り生い茂る草木が生体ポッドや機材を呑み込み、又は破壊していく。

ヴィレーヌが短く呪文を唱えるとシャロンの周囲に魔法防壁が現れ、草木や大樹の攻撃から彼女を守る。


ヴィレーヌ「……うわぁ~。見てこれ。パートナーを取られたから、相当お怒りみたいだよ。キレてるキレてる。 

僕は1度試しただけで、『所有』してるのはリリスさんなのに……深緑の魔女ちゃん。ひどいことするなぁ」

他人事のような口調で崩壊していく研究室を指差しながら、オーレリアに対して落ち込んだ様子を見せる。


ヴィレーヌ「あ、そんなこと言ってる場合じゃない。強盗ちゃん、悪いとこ言わないから早く逃げた方がいいよ。

今から一暴れしなきゃいけないけど、此処にいたら巻き込まれるし……シャロンちゃんは今、防壁解いたら、樹木に呑み込まれちゃうから解放は今度!

強盗ちゃんが、また僕に会いに来てくれたら渡すから……さっ」

オーレリアに攻撃しようとしていた木の幹が纏めて弾け飛び、研究室の壁に弓矢がめり込む。


ヴィレーヌ「それに……待たせてる人がいるんでしょ?まあ、どうしても僕の『サンプル』になりたいというなら話は別だけど♪」

ーーーー

オーレリア「ふむ…何ともないぞ…? 魔力抵抗ね…時間差というのが微妙に怖いのだが…む…!?」

ヴィレーヌの薬を飲んだのに何も変化はなく 私は首を傾げ、時間差でと言われ せっかく覚悟していたのにと口にし…
そうしてると魔法の発動の感覚があり、私が剣を構えて立ち上がると 無数の樹木が現れて。


オーレリア「深緑の魔女にパートナー…話から察するに、魔族たちがシャロンの他にも連れ去った者がいるのだな…そりゃあ怒るどころじゃないだろう…。

むぅ…私までこれか…誰がサンプルなどになるか。仕方がない…私 一人で逃げるのもやっとそうだ…すまないなシャロン…。」

ヴィレーヌの話から誰かをシャロン同様に攫ったのだと知り、樹木を操る何者かの心情を私は理解して。

シャロンを抱えてと思っても 樹木の勢い的に二人飲み込まれそうで、私は申し訳なさそうな顔をしながらシャロンに謝り 走り出し…。
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