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第6節 過去編 エリシアとマリスミゼル②

第82話 初めての膝枕

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エリシアの雷獣を纏った渾身の一撃が炸裂し辺りに爆音と粉塵が舞う。

辺り一面の煙が晴れると、何らかの手段で直接の剣は反らしたのか外傷はないものの、倒れ付している少女。

少女に向けて手を差し出すエリシア…少女は小さく笑いその手をゆっくりと取りーー


銀髪の少女「……感謝。ーーーわざわざ隙を作ってくれて」

瞬間、少女の体から『薄色な黒光』がエリシアに流れて、エリシアに一瞬だけ強烈な寒気を走らせる。
しかし、それ以外彼女自身の身体には特に異常は現れることはなく。

彼女が怯む間に大きく飛び退いて、大樹の枝に佇む。


銀髪の少女「……『任務』完了」

そう呟くと少女の姿は霧のように立ち消える。


マリスミゼル「エリシア! 大丈夫……のようですね。…『探知魔法』でも特に異常はありませんし。ですが、何か異常があればすぐに言うのですよ?」

すぐさまエリシアの身体に『異常探知・識別』魔法をかけるも特に異常がないことに胸を撫で下ろし、彼女を気遣う。


マリスミゼル「それにしても……助かりました。私だけでは、あの少女には勝てなかったでしょう。やはり貴女は流石と言うに尽きるというものですね。

さ、こちらへ……少し休んで下さいな♪私の魔法の花粉による『遅効性麻痺』に、あの『大技』。疲れたでしょう?

大丈夫。まだ試験官が来るには時間がありますから……♪」 

少女の気配が消えたこともあり、共闘した相棒に謝辞を送る。

そのままその場に正座してポンポンと自分の太ももを軽く叩いて、エリシアに膝枕してあげるから来るように微笑みながら促す。

ーーーー

エリシア「む…剣による外傷はなしか…なんとなく手応えは変だと思ったが…やはりすごい使い手のようだな君は…
さて、私たちを狙った理由とかを聞きたいから一緒に来てくれるなっーーっ…くっ…な、なんだ今のは…?」

少女の心配をしながらも、少女が私たちを狙った理由を聞くため同行をと言って…

だけどその瞬間 少女の力なのか寒気が走り、握った手を思わず離してしまう。


エリシア「あっ…ま、待て…!
……しまった…油断した…心配するより先に拘束すべきだったか…。

マリス…ああ…その…本当にごめん、心配をかけたみたいで…わかった、何かあったらすぐにマリスに言うよ。
それより…あの少女 私のミスで逃しちゃった…ごめん。」

謎の少女に逃げられてしまい…
他の騎士たちから、最近の私は甘いと言われていたことを思い出し、改めて見に染み。

マリスに心配され、私は心配をかけたことを謝って…
そして少女を自分の甘さから逃したことも謝り、少し苦笑いしながら 頬を指でかいて。


エリシア「いやいや私の方こそ一人では勝てなかったよ、マリスと一緒だったから勝てたんだ ありがとう。

あの技も防げないようもっと磨かなきゃかな…えっ…こ、ここでかい…? あの…その…そ、そうか…ならお言葉に甘えて…//」

マリスが側にいてくれたから あのタイミングで渾身の一撃を当てれたと言い、私はマリスに微笑みながらお礼を言って。

つい最近 会得した技のため、それをより完成度を高めなきゃと思ってると…マリスに膝枕してあげると誘われ…
私はきょろきょろとしたあと、頬を赤らめながら 横になり、マリスの膝の上に頭を乗せて。

ーーーー

マリスミゼル「いいのです……♪貴女が無事であればそれで♪
いいですか?大切なのは生き残ること……戦争の足跡が近づくなかではありますが、命さえあれば『未来』を形作れるのですから……♪」

優しくエリシアの頭を撫でながら穏やかな表情で語りかけ、親愛の言葉をゆっくりと伝える。


マリスミゼル「今日は頑張りましたね……♪これからも、お互いに精進しあい……この先も生き残りましょう。
私はこんなところで終わる気などありませんから……♪エリシアも……ね♪」

友情の言葉を伝えるとにっこりと微笑む。優しい時間は試験官の足跡が近づくまで続いた。

ーーーー

エリシア「あっ…んんっ…// そう…か…マリスの言う通りだな…君といられる未来を掴めるようこれからも精進するよ…。」

穏やかな表情のマリスに頭を撫でられ、私は気持ちよさそうに、嬉しいそうにして…

そして未来と親愛の言葉をかけられ…私もマリスが無事に過ごせ、マリスと一緒にいられるよう頑張ると約束して。


エリシア「ああ もちろんだ…いつも守られてばかりだけど、私もマリスを守れるようになる…だからこれからもよろしく頼む…♪」

いつもマリスには助けられてばかりだと言い、その分 私もマリスの助けになれるよう強くなると誓い…
そのままマリスに身を預け、私は穏やかな表情をさせていて……。
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