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第8話ひと休み

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 週末となり、株式市場は閉まったのでタケルはひと休みしていた。もう、だらだらと力を抜いて脱力しまくりである。セールで購入したゲームを片っ端からやってみる。その評価を元に買う株も決める。休んでいるが、遊んでいるだけではない。

「皆さん週末だし、レイド祭りしませんか」

 ひとしきりゲームをして、株主総会の時に使う為の評価をまとめ終えたタケルはモンスターチャレンジを開始した。時刻はゴールデンタイムと言われる21時から22時の間。ギルメンが揃うまで待っていたのだ。レイドに参加する人数が増えたので、多くのギルドでやられている方式を採用した。レイドの主催者が瀕死まで削ったモンスターはその時に順番が来ていた人が受けとるというものだ。

「わーいわーいレイドだー!」

「楽しみですね」

「やっとか。早くレイドを開いて下さいよ。課金する気がないんでレアキャラを手に入れるチャレンジレイドしかないんですよ。ギルマスなら当然でしょ早く早く」

 何か言い返したい部分もあるが、とりあえず5星キャラのレイドを開始した。いつものように削ってメンバーに渡す。出来るだけ難波さんに渡そうとしたが、何故かことごとくタイミングが合わない。すると難波さんはこう言った。

「俺は戦わないので削ったやつだけ下さいよ」

「はーい」

 これには他のメンバーが面白くない。勝てないのは難波さんだけでなく、メイコさん、セフィリアさん、ココさんも自力での撃破はしんどい。結局、対応策は考えた。もう1つ低レベルでレイドを同時にレイドを立てて、メチコさんとセフィリアさんに食べ放題して貰うのだ。密かにその事を個人メッセージで伝えると二人は大喜びした。

「みんなに見つからないように早く終わらせてね。というか、難波さんに見つからないようにだけど」

 こうして、難波さんに削って渡しても問題が無くなった。5星レイドキーは後30個はある。まだまだやれる。りんさんと、のちこさんは強いので高レベルでも単体で倒してくれるので非常に助かった。

「タケルさんレイド開いてくれてありがとうね」

 りんさんがお礼を言う。ただの文字でしかないが、何故か気持ちがこもってる気がした。

「ですですマスター助かります。のちこ感激」

 のちこさんも気持ちがこもってる気がする。

「チャットしてないで早く削って下さいよ」

 うん。難波さんも気持ちがこもってる気がする。何だろうか。コメントのしようもない。こうして深夜2時までレイド祭りが開催された。レイドキーは6つ消費された。まだ崩せるレアキャラいるし、まだまだキーは増やせる。

「週末にはまたレイド祭りやりたいですね」

 すると皆大喜びで、次の週末を楽しみにしていた。そして、皆続々とログアウトしていく。深夜2時だし。俺も寝ようとした。

「マスター俺ひとりの為にレイド開いて下さいよ」

 難波さんが何か言っているが気がつかないふりして光の早さでログアウトした。もちろん、それくらいの気持ちでという意味だ。何だろう。本当にもうあれだ。疲れる。


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