11 / 23
第11話女神の記憶
しおりを挟む
異世界に転生してから数日、必ず夢を見る。異世界に転生してくる時に出会った女神の夢を見る。その女神は、何かを言っているが、よく聞き取れない。早く子供を作れとか、作らないと世界が滅ぶとか言っている。何やらその子供が重要なのだという。
「なあ、愛美。女神の夢を見たことあるか?」
「ん、そんなの毎日見てるわよ。子供を作ってその子が世界を救うんでしょ? だから毎日頑張ってるんじゃない」
「そうか。なら、子供の作り方を女神様に教わっておいてくれ」
「そんなの知ってるわよ。まあ、一応聞いてみてあげる」
キスで子供が出来ると思ってる奴が何を言うか。ツッコミたかったが、やめておいた。癌を治してくれる貴重な相棒だからな。言い争いは極力避けたい。
宿屋の外が騒がしい。マケナイル国とカッツルール国の戦争はまだ続いているらしい。この町は国境が近いらしく、戦場と近くなる事が多い。戦争前はマケナイル国の兵士や旅行客や商人が多く出入りしていたが、戦争が始まってからはさっぱり来なくなってしまったらしい。カッツルール国も奪われたり奪い返したりのこの町をほぼ見捨てている感じになっており、町の住人もマケナイルとカッツルール双方に友人がいる状態になっている。
「今日は暇ね。ねえ、あなた。ドラゴンの肉も残り半分になってきたし、そろそろ次の獲物獲ってきた方が良くない?」
「そうだな。また向こうからカモネギ状態でやって来ないかな」
俺は強くドラゴンやって来いやと願ってみた。すると、強い羽ばたき音がした。
「大変だ。ドラゴンが来たぞ!」
うわーマジで来たかー!
「今度は2匹だー!」
とりあえず、俺は窓から飛び出した。
「あなた頑張ってー! 女神に言われた通り私があなたの癌を治すから」
女子高生の応援で何となく力が出た。町の外ではドラゴン2匹が戦っていた。かなり一方的な戦いで、ピンクのドラゴンが黒いドラゴンにやられている。
「弱いものイジメ、ダメ、絶対」
俺は光の光線をイメージしてみた。すると、何か本当に出た。黒いドラゴンを一刀両断した。黒いドラゴンは断末魔の叫びを上げて空中から落下し、地面に叩きつけられた。
「おお、また奇跡の魔法使い様がドラゴンを倒して下さったぞ!」
ピンクのドラゴンは空中で一回りすると、ゆっくりと地面に降りた。段々と小さくなって行き、人の形になっていく。白いワンピースを着たピンクの髪の毛の少女になってしまった。
「先ほどは危ない所をありがとうございました。邪悪な龍を光魔法で倒すとはやりますね。他の魔法なら無効化されていたでしょう」
何となく黒だから光だと思ってラッキーだったようだ。相変わらず何でもありだな俺って。我ながらカッコ悪い。もっと手に汗を握る激戦とか、お互い傷を受けながらも果敢に攻めるとか、そういう熱い何かはないのだろうか。
「いや、いいさ。戦ってた相手は相当悪いのか?」
「ええ、ツイテナイ村を全滅させたり、マケナイル国で暴れ回っておりました」
黒いドラゴンは村を全滅させたりしていたらしい。悪いドラゴンなら罪悪感を持たずに済みそうだ。
「あ、申し遅れました。私は竜族のリリナと申します。以後お見知りおきを」
「ご丁寧にどうも。俺は杉田源十郎。何やらとても運がいいが、とても弱くてカッコ悪い男だ。こんなんだが、宜しく頼む」
俺は挨拶を終えて、宿屋で酒をおごった。金は女子高生と山分けでまだまだ沢山ある。
「ぷはー! 人間の酒も中々おいしいですなー」
竜人リリナは酒豪だった。次々と飲んでいく。樽ひとつ飲み終えてようやく潰れた。金貨1枚酒をおごる事になってしまった。
「お母様もう食べれませんよ。むにゃむにゃ」
俺は宿屋の親父に部屋の代金を払い、竜人を抱き上げ空き部屋に連れて行った。ドラゴンにも色々いるんだな。今後はむやみやたらに殺すのはよそう。先ずは話し合いからだ。
「なあ、愛美。女神の夢を見たことあるか?」
「ん、そんなの毎日見てるわよ。子供を作ってその子が世界を救うんでしょ? だから毎日頑張ってるんじゃない」
「そうか。なら、子供の作り方を女神様に教わっておいてくれ」
「そんなの知ってるわよ。まあ、一応聞いてみてあげる」
キスで子供が出来ると思ってる奴が何を言うか。ツッコミたかったが、やめておいた。癌を治してくれる貴重な相棒だからな。言い争いは極力避けたい。
宿屋の外が騒がしい。マケナイル国とカッツルール国の戦争はまだ続いているらしい。この町は国境が近いらしく、戦場と近くなる事が多い。戦争前はマケナイル国の兵士や旅行客や商人が多く出入りしていたが、戦争が始まってからはさっぱり来なくなってしまったらしい。カッツルール国も奪われたり奪い返したりのこの町をほぼ見捨てている感じになっており、町の住人もマケナイルとカッツルール双方に友人がいる状態になっている。
「今日は暇ね。ねえ、あなた。ドラゴンの肉も残り半分になってきたし、そろそろ次の獲物獲ってきた方が良くない?」
「そうだな。また向こうからカモネギ状態でやって来ないかな」
俺は強くドラゴンやって来いやと願ってみた。すると、強い羽ばたき音がした。
「大変だ。ドラゴンが来たぞ!」
うわーマジで来たかー!
「今度は2匹だー!」
とりあえず、俺は窓から飛び出した。
「あなた頑張ってー! 女神に言われた通り私があなたの癌を治すから」
女子高生の応援で何となく力が出た。町の外ではドラゴン2匹が戦っていた。かなり一方的な戦いで、ピンクのドラゴンが黒いドラゴンにやられている。
「弱いものイジメ、ダメ、絶対」
俺は光の光線をイメージしてみた。すると、何か本当に出た。黒いドラゴンを一刀両断した。黒いドラゴンは断末魔の叫びを上げて空中から落下し、地面に叩きつけられた。
「おお、また奇跡の魔法使い様がドラゴンを倒して下さったぞ!」
ピンクのドラゴンは空中で一回りすると、ゆっくりと地面に降りた。段々と小さくなって行き、人の形になっていく。白いワンピースを着たピンクの髪の毛の少女になってしまった。
「先ほどは危ない所をありがとうございました。邪悪な龍を光魔法で倒すとはやりますね。他の魔法なら無効化されていたでしょう」
何となく黒だから光だと思ってラッキーだったようだ。相変わらず何でもありだな俺って。我ながらカッコ悪い。もっと手に汗を握る激戦とか、お互い傷を受けながらも果敢に攻めるとか、そういう熱い何かはないのだろうか。
「いや、いいさ。戦ってた相手は相当悪いのか?」
「ええ、ツイテナイ村を全滅させたり、マケナイル国で暴れ回っておりました」
黒いドラゴンは村を全滅させたりしていたらしい。悪いドラゴンなら罪悪感を持たずに済みそうだ。
「あ、申し遅れました。私は竜族のリリナと申します。以後お見知りおきを」
「ご丁寧にどうも。俺は杉田源十郎。何やらとても運がいいが、とても弱くてカッコ悪い男だ。こんなんだが、宜しく頼む」
俺は挨拶を終えて、宿屋で酒をおごった。金は女子高生と山分けでまだまだ沢山ある。
「ぷはー! 人間の酒も中々おいしいですなー」
竜人リリナは酒豪だった。次々と飲んでいく。樽ひとつ飲み終えてようやく潰れた。金貨1枚酒をおごる事になってしまった。
「お母様もう食べれませんよ。むにゃむにゃ」
俺は宿屋の親父に部屋の代金を払い、竜人を抱き上げ空き部屋に連れて行った。ドラゴンにも色々いるんだな。今後はむやみやたらに殺すのはよそう。先ずは話し合いからだ。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
解体の勇者の成り上がり冒険譚
無謀突撃娘
ファンタジー
旧題:異世界から呼ばれた勇者はパーティから追放される
とあるところに勇者6人のパーティがいました
剛剣の勇者
静寂の勇者
城砦の勇者
火炎の勇者
御門の勇者
解体の勇者
最後の解体の勇者は訳の分からない神様に呼ばれてこの世界へと来た者であり取り立てて特徴らしき特徴などありません。ただひたすら倒したモンスターを解体するだけしかしません。料理などをするのも彼だけです。
ある日パーティ全員からパーティへの永久追放を受けてしまい勇者の称号も失い一人ギルドに戻り最初からの出直しをします
本人はまったく気づいていませんでしたが他の勇者などちょっとばかり煽てられている頭馬鹿なだけの非常に残念な類なだけでした
そして彼を追い出したことがいかに愚かであるのかを後になって気が付くことになります
そしてユウキと呼ばれるこの人物はまったく自覚がありませんが様々な方面の超重要人物が自らが頭を下げてまでも、いくら大金を支払っても、いくらでも高待遇を約束してまでも傍におきたいと断言するほどの人物なのです。
そうして彼は自分の力で前を歩きだす。
祝!書籍化!
感無量です。今後とも応援よろしくお願いします。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ポリゴンスキルは超絶チートでした~発現したスキルをクズと言われて、路地裏に捨てられた俺は、ポリゴンスキルでざまぁする事にした~
喰寝丸太
ファンタジー
ポリゴンスキルに目覚めた貴族庶子6歳のディザは使い方が分からずに、役に立たないと捨てられた。
路地裏で暮らしていて、靴底を食っている時に前世の記憶が蘇る。
俺はパチンコの大当たりアニメーションをプログラムしていたはずだ。
くそう、浮浪児スタートとはナイトメアハードも良い所だ。
だがしかし、俺にはスキルがあった。
ポリゴンスキルか勝手知ったる能力だな。
まずは石の板だ。
こんなの簡単に作れる。
よし、売ってしまえ。
俺のスキルはレベルアップして、アニメーション、ショップ、作成依頼と次々に開放されて行く。
俺はこれを駆使して成り上がってやるぞ。
路地裏から成りあがった俺は冒険者になり、商人になり、貴族になる。
そして王に。
超絶チートになるのは13話辺りからです。
欠損奴隷を治して高値で売りつけよう!破滅フラグしかない悪役奴隷商人は、死にたくないので回復魔法を修行します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
主人公が転生したのは、ゲームに出てくる噛ませ犬の悪役奴隷商人だった!このままだと破滅フラグしかないから、奴隷に反乱されて八つ裂きにされてしまう!
そうだ!子供の今から回復魔法を練習して極めておけば、自分がやられたとき自分で治せるのでは?しかも奴隷にも媚びを売れるから一石二鳥だね!
なんか自分が助かるために奴隷治してるだけで感謝されるんだけどなんで!?
欠損奴隷を安く買って高値で売りつけてたらむしろ感謝されるんだけどどういうことなんだろうか!?
え!?主人公は光の勇者!?あ、俺が先に治癒魔法で回復しておきました!いや、スマン。
※この作品は現実の奴隷制を肯定する意図はありません
なろう日間週間月間1位
カクヨムブクマ14000
カクヨム週間3位
他サイトにも掲載
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜
和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。
与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。
だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。
地道に進む予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる