黒幕一家の悪女は溺愛フラグが立ってしまった！

伯母様やってきたあ！？

「伯母様が明日くるわ」

そうメリダお姉様は優雅にミルクティーを飲んでいた。伯母様？私は一度も会った事もないけれど、コルナゴ•ブラックの姉である、グレイ家の伯爵婦人のアンカー•グレイは、メリダお姉様の家庭教師の一人らしい。

「あーあのババアか。ちっ、いつも俺らを無視して腹が立つんだよな」

「‥‥メリダ兄上と伯母様は同じ毒虫使いだから、父上がお願いしているんですよ」

「うっせ！わかるわ！んなこと！」

ぎゃーぎゃー騒ぐスコットにルイガノは呆れた顔をして、そのまま無視して本を読み始めた。

「また無視かよ！てかあのババア、ヒステリックなくせに強いんだよな。今の俺らなんて瞬殺だわ。まあ、もう少し大きくなれば俺だって殺せる！」

「スコット兄さま、コロスとか駄目！良くない言葉よ！うーんと、そんなにこあい人？つおいの？」

そう私がメリダお姉様のほうへ向いて聞くとメリダお姉様はただ笑って答えてくれなかった。

「とりあえず、明日はあなた達はいつも通り、自分の屋敷にいなさい。あ、元々そうよね。あは、最近よく会うから変な感じ。可愛いうさぎちゃんもよ？遊ぶのはまた来週かしら、今度にしましょうね」

そうメリダお姉様にチュッと頬にキスをされて、メリダお姉様は自分の屋敷へと帰っていった。

‥‥あの、作り笑顔めちゃくちゃ怪しいよ！？

私はそんなに馬鹿ではない！身に覚えがあるもの‥‥私も‥前世で親に殴られて学校の先生に聞かれた時の返事した時の顔によく似てるもん‥‥。

そう考えているとき、何故かルイガノとスコットお兄様は、私の頬をゴシゴシとハンカチで拭いていた。

「えと、、、二人とも、デロね、ほぺた痛い」

「「消毒」」

ルイガノは更に水で浸したタオルまで持ってきた。いや、そこまでしなくても！？

「ねえ、明日、こっそり見に行こおよ！」

「‥‥‥やだよ」

「却下！」

「でもでも、一応さ、デロも会って、ごあいさつしなきゃ！ごしんせきの挨拶だいじなのよ！」

そう私は必死に二人にお願いアピールをしたら、結局私達三人は明日伯母様にご挨拶しようと話が決まった。

次の日ーー

「ふぁあぁ‥あー昼肉食ったせいで眠みい」

「デロもたくさんね、食べたよ！ルイは苺大好きだから、たくさん食べたよね！」

そう私がルイガノに話をかけるとコクンと頷きながら私の頭を撫でてくれた。

最近ちょっぴり、優しさが増したかもなあと感じます！

私達はメリダお姉様が伯母様と訓練している場所へと向かった。
ブラック家の土地は広く、各それぞれの練習場が用意されているみたい。

メリダお姉様の屋敷から少し離れた場所には洞窟があった。

「あ！あそこ？」

そう私が洞窟の中へ行こうとした時、スコットとルイガノは私を止めた。

え？なんで急に？二人の方を振り向いてみると、スコットは青ざめた顔でルイガノは警戒をしていた。

「‥‥‥おい。ルイガノ」

「‥‥えぇ、そうですね」

スコットはクンクンと匂い？を嗅いだ。

「クソ兄貴の血の匂いだ！」

「え！？」

血！？なんで？！ルイガノは私を抱っこをし、スコットと共に洞窟の中へ走る。洞窟の先には伯母様の執事やメイドも何人かいた。

「‥‥あっ！！」

洞窟の中には黒髪の女性とメリダお姉様がいた。メリダお姉様は血だらけで、更にうじゃうじゃと体中に虫達がまとわりついて身動きがとれないでいた。

いつも可愛いらしい服は破れ、ボロボロの状態だった。

女性は冷たい目で鞭をメリダお姉様に何度も折檻していた。


「‥‥まったく！私を一度も倒せないなんて、次期魔塔主なんて無理よ！だからお前は呪われたこなのよ！」

「‥‥ッ！！くっ‥‥」

「腹が立つわ。あの女にも似てて。ったく、早く邪魔なものは消した方がいいわよ？あのスコットもルイガノも生意気な感じは、弟にそっくり！」

そう言いながら、女性は更にメリダお姉様を傷つけていた。

「あはは！ほら！あなたが、私を倒さないと、気絶しちゃうわよ？大事な弟達に傷をつけない条件で、私はあなただけの家庭教師になったのだから」

「‥‥うっ！も、申し訳‥‥ありま‥」

ビュッ！と顔にも鞭を叩かれ、メリダお姉様は意識を失いそうになっていた！


「‥‥‥は？んだよ、それ」

「‥‥。」

やっぱりメリダお姉様は‥‥家族想いの人なんだ。