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へっぽこ姫の仲良し作戦⑨ 九章 恋愛編

なんだか恥ずかしかった件について

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「やっぱりこの赤いチェックのワンピースかな?いや、やっぱり淡い紫色が良いかな?」

明日の朝早く私はプリちゃんと二人でこっそりとお出かけするんだよね。とにかく久しぶりの城下町だ!楽しみ!

私が色々とワンピースを選んでいたら、アンはクスクス笑いながら紅茶とマシュマロを持ってきてくれた。

「あらあら、明日着る服など私達が用意いたしますのに。なんだか…デート前日でソワソワしている乙女みたいですね」

「え?違うよ?!デートじゃないわよ??!ど、どこか行くわけでもないし!ただ明日少し会う相手はプリちゃんだし」

アンよ、何言ってるの?昔から一緒に遊んでたプリちゃんなのにデートなわけないのに。私は首を傾げながらアンが用意してくれたマシュマロを一口食べた。アンは私の長く金髪となった髪をクシでとかしながら、微笑む。

「昔は昔ですよ。今のプリムラ王子様をご覧になられましたでしょう?とても素敵な青年になりましたものね。私は明日お休みをいただいてるので、プリムラ王子様とのお茶会を楽しんでくださいね!」

「…アンはなんだかプリちゃんのファンだね」

「あら、私の一番は昔から姫様ですよ。あ、それと姫様に相談があるんですが、私の髪型はおろした方がいいと思いますか?」

急にアンはお団子頭から、髪をおろしたほうがよいか聞いてきたので私は髪を下ろしてハーフアップしたら綺麗だねと伝えると、お礼を言われた。イメチェンかな?

私は温かい紅茶を飲んだあと、眠たくなりベッドへと横たわり明日に備えた。


当日、私は赤いチェックのワンピースを着てプリちゃんへ会いに行った。今日は久しぶりに二人でのお茶会、ということになってる。

よく二人でお菓子を食べていた場所へ行くと、白い椅子に座って待っているプリちゃんと、スヤスヤと眠っているクロがまっていた。プリちゃんは私に気づき笑顔で手を振ってくれた。

「エメ、おはよう」

「プリちゃん、おはよう。…ねえ、どうやってここから出るの?メイドや護衛の人達もいるし…」

コソコソと私達は話しながら、テーブルにあるマシュマロとチョコを食べていた。本当に外にでるのかな?プリちゃんはチョコレートを美味しそうに食べながら、パチンと指を鳴らした瞬間、ガヤガヤと沢山の声が聞こえた。ここって……え!?何故か私達は城下町の路地裏へと来ていた。

「え!?え!?ここもう町?どうやって!?」

「風の精霊に力を借りたんだよ」

「わあー凄い!あ、でも私達が居なくなってみんな大騒ぎするんじゃ…」

「うん、大丈夫だよ。クロの力で今みんな僕達の幻覚を見てるだろうし」

いや、なんかサラリと話してるけど、その力とても凄い事なのでは!?クロはプリちゃんをジロリと睨みつつも、プリちゃんの肩に乗り器用に寝た。プリちゃんは私に帽子を被せてくれた後、ギュッと手を握って楽しそうに歩き出した。

「エメ!久しぶりに沢山遊ぼう!」

「う、うん!」


プリちゃんは私が人に当たらないように、かばいながら歩いてエスコートしてくれてる…のがわかる。子供のときは一緒に走り回ってたけど、なんだかプリちゃんが少し前に出て…なんだか…、いや、うん、私お姫様だものね。エスコートくらいなんてことない。よくガーネット兄様やハウライト兄様にも優しくエスコートしてもらってるし。

「ん?どうしたの?」

「あ、や、なんでもないよ」

その後私達は昔行きたかったお店に行ったり、プリちゃんが大好きなチョコレート専門店のカフェに行ったり、我が国ではマシュマロ生産が世界一なので、マシュマログッズを見て歩いたりとても楽しく過ごした。

「うはー!久しぶりに沢山見て歩いたね」

「またあそこのチョコパフェ食べたいね。僕あと二つはいけるかな。はい、トロピカルジュースだよ」

「わっ、ありがとう!」

そしてとても気が利く王子様ですね!私とプリちゃんはベンチに座っていると、なんだか知っている人達がいた。髪をおろしてるけど…あれは…。それと豚の被り物をしている男性は、もしかして!

「アンとターボン!?」

私がビックリしているとプリちゃんは私の腕を引っ張り私達は茂みに隠れた。プリちゃんもビックリしてるようだった。

「ターボン、いつこの国にきたんだろう?明日僕のとこにくる予定だったのに」

「え?二人って、いつどこで知り合ったの!?なんか、ラブラブな雰囲気だよ!?」

アンは頬を赤らめながら、ターボンと話していた。いや、ターボンの方が顔赤いや…!ターボンは照れながらアンに豚の形をしたブローチをあげていた。いや、何故豚の形なの!?もっと可愛いのがあるはずだよ!?でもアンはとても嬉しそうだな。それにちょっぴり…

「いいなあ…」

ポソッと私は呟いてしまった。アンとターボンが別の道へと行ったので、私達は茂みから出ようとした時、何やら聞いた事がある声が聞こえた。またまた見た事ある人達を発見した!

「ハウライト兄様とオーロラ姉様だ!」

ハウライト兄様、変装してるようだけど私にはわかるよ!?いつのまにヒロイン・オーロラと!!そんな仲に!?

「ですから、いちいちケチをつけるのであれば来なくて結構だったんです!」

「君が医療魔術師として使う力をコントロールする道具を一緒に探して欲しいと相談したからだよね」

何やら、二人は言い合いしながら一緒に歩いてるけど…なんとなく、二人共楽しそうなのは…気のせい?特にハウライト兄様…なんかドSの顔してる。ヒーローがそんな顔しちゃ駄目な気がするぞ。

プリちゃんは、私の耳元で囁きながら話しかけてきた。

「今度は、ハウライト兄とあの癒しの力が凄いお姉さんだね」

「…う、うん」

いや、なんか近いよ!プリちゃん!そんなにくっついて話さないで!?

私はハウライト兄様とオーロラが通り過ぎたので、ようやく茂みから出ようとした時プリちゃんは慌てて私の手首を握って引っ張った。

「え!?プリちゃん!」

「シー!!ガーネットと姉様だ!」

私とプリちゃんが隠れている目の前のベンチに座るガーネット兄様とレモン姫がそこにいた。

「ガーネット、このクレープリュンという食べ物美味しいわよ。チョコレートが、かかっててるって聞いてる!?」

「……聞いてる。良かったな」

「よくなーい!よくないわよ!ガーネット!なんで変装しないのよ!?おかげでみんな、アンタに近寄ってきて…特に目をハートにしている女性達が…くっ!」

ガーネット兄様は無言のままレモン姫の頭をポンポンとしていた。なんだろう、甘いお菓子の匂いのせいなのか二人から甘い雰囲気を感じるんだけど……。ガーネット兄様はレモン姫をジッと見つめながら、キスを…した。え?キスした。キスした。キス、した!!!レモン姫は顔を赤くしながらベンチから立ち上がり

「こ、これでチャラにするとか思わないでよね!」

「…いや、私がレモンに触れたいと思ったからだ。駄目だろうか」

「…………婚約発表もいつになるのよ……今度は絶対きちんとデートしたい」

「…わかった」

「あーもう!いくわよ!自分の国民の生活が気になってしょうがなかったんでしょ!次あそこの宝石屋いこっ!それでめちゃくちゃ高いの買ってね!」

顔を赤くするレモン姫にそんなレモン姫の言うことを黙って頷くガーネット兄様達は宝石屋さんへと向かっていった。

そんな二人を見たプリちゃんと私は茂みの中で固まっていた。

「「…………」」

気まずい。非常に気まずい。なんかわからないけれど、気まずい。ほら、兄のデートにキスする場面を見たら気まずいよね?ね?プリちゃんがどんな顔をしてるか見れない!!

私達は少し気まずい雰囲気の時間の後、プリちゃんの肩で寝ていたクロが起きだしてなんだかホッとした!

「あっ、と、クロが起きたみたいだねっ」

「うん!?あ、そうだね!」

クロは私達が顔を合わせてないで話してるのを見て首を傾げていた。その後マシューのところへ行ったけど、マシューとクロは戯れあっていて(マシューが一方的にクロを追いかけていた)私達は一言も話さず、ただただ時間だけが過ぎていった。


「…………エメ。もどろっか」

「……うん。そだね」


私達は城へと戻り、プリちゃんとまた学園でと挨拶をした。

いや、なんかどっと疲れたよ。今日一日何組のカップルと出くわしたんだろう…。

「「エメラルド」」

「ひゃい!?」

ガーネット兄様とハウライト兄様が声をかけてきた!ビックリした!え?二人共もうデート終わったのかな?と、聞きたいけど、私が黙って城から出たことバレたら大変だから聞けないけど…。

「エメラルド、ちょうど渡したい物があったんだ。今日城下町へ行ったんだけど、このクレープリュンというお菓子おいしいからお土産だよ。トッピングにマシュマロもあるよ」

「…なんだ、貴様もか。私も同じ物を買ってきてしまったようだな」

「ガーネットも今日城下町へ?珍しいね」

「……少し用事があってな。エメラルド?どうした、顔が赤いぞ」

私はガーネット兄様とハウライト兄様を交互に見つめた。うん、二人共年頃というかもう大人だものね!だけど、なんだかガーネット兄様達のキスが刺激強すぎて…凄く、凄く恥ずかしい!映画とか漫画とかなら平気だけど、なんか今二人を見てると恥ずかしい!

「ふ、二人共エッチ!」

「「…え」」


顔を真っ赤にしながら走りだすエメラルドに、エッチ呼ばわりをされたガーネットとハウライトは固まってしまった。








と、とりあえずマシュマロ食べて私は落ちつこう!そうしよう!




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