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へっぽこ姫の仲良し作戦⑦ 7章 フリージア国編
砂漠の国の皇子登場!
しおりを挟む「シャー!!」
私の頭の上に乗っていたマシューはサソリ達を威嚇し始めていた。ハウライト兄様は怖らがらないし余裕みたい!私があたふたとしていると
ずっと黙って様子を見つめていたリビアは、レピさんよりも一歩前に出て
「…ねぇ、君達、エメを怖がらせないで」
そう静かにサソリ達に注意するとサソリ達はリビアの目を見た瞬間、ビクビクと震えはじめた。マシューもビクッと急に私の膝の上に乗ってきた。
ハウライト兄様はそんな様子のサソリ達とリビアに
「…やっぱり彼、とてつもなく強いんだね。殺気以上のオーラを放ってるよ。そんなリビアングラスの圧倒的な力の差を感じて騎士団もブラッドも身動き出来きないみたいだね」
え?オーラ?よくわからないし見えないけれど、どうやら周りのみんなは《本能的》に逆らってはいけない、いや、敵わないと体がそう感じているんだとか…レピさんはリビアの動きに少し警戒しつつも、少し汗をかきながら
「…おやおや、…リビアングラス…それ以上殺気を放ってはいけません。我が国の騎士団達が身動きとれませんからね」
そうリビアに注意すると、リビアはコクンと頷き私のそばの方まできて警護体制に戻った瞬間
「な、何故デカサソリ達が動かない!お前達はなにものだ!!!反乱軍か!?」
一番大きなサソリの頭の上には男の子が短剣を持ち睨んで立っていた。肌は小麦色で目は好き透るような青い目、服装は白い服装に白い麻布を腰に巻いている…なんというか前世でよく本でみた古代エジプトっぽい感じに似てる服装、かな?
「おや、貴方様は…ナグサ王の息子、第7皇子ロータス様でしたか」
「…と、父様を知っているのか?」
「えぇ、私達は同盟国であるスターダイオプサイト国の者です。今日伺うと話を通してた筈でしたが随分と過激な歓迎をされるのですね…少し入り口付近から妙な気配を感じましたし。ナグサ王は私に喧嘩を売ってるのですか?もう一度教育し直したほうよいのですかね」
「………父様は…あに様やあね様達は…」
プルプルと涙ぐむロータス皇子の様子が変だった。何かに怯えているみたいで…
この国のフリージア国を治めてるナグサ王の七番目の皇子らしい。私とあまり歳が変わらないみたいだった。
私のそばにいたハウライト兄様は指先でパチンと音を鳴らすと、ロータス皇子が乗っていた大きなサソリ達は崩れ落ちて手の平サイズの小さな可愛いらしいサソリちゃん達となった。
「あ、エメラルド外にでちゃ駄目だよ」
「へーき!」
私はレピさんとこの国の皇子ロータスの元へ走り彼に話をかけた。
「うわあ!可愛いサソリちゃん達だ!それは君のお友達?私はね、エメラルド!この子はマシューだよ!」
「ミャー!」
ニコッと笑顔で挨拶をしたら、何故かロータス皇子は顔を真っ赤にしながら
「か、可愛い…!」
「マシューの可愛いって!良かったね!」
「違うよ、エメラルドの可愛いらしさを褒めてるだけだよ?…ロータス皇子はじめまして。スターダイオプサイト国の第二王子ハウライトです」
「ヒッ!!」
ハウライト兄様が笑顔で挨拶をしたらロータス皇子はレピさんの影に隠れちゃった。恥ずかし狩り屋さんなのかな?
ブラッドもかけつけてきて、
「いや、ハウライト王子、何怖がらせてんだよ。気持ちはわかるけど!てか大きなサソリだと思っていたら、ただの見せかだったんだなっ」
レピさんはニコッと笑いながら
「だから可愛いらしいと言ったでしょう。ロータス皇子、一体何があったのです。貴方様はこの国の皇子なのに護衛もつけずに」
ロータス皇子はプルプル震えながら
「き、昨日の夜中……突然…モルガの反乱軍が攻めてきて…あに様達が俺を起こして『逃げろ!おまえだけでも!」と…抱いて宮殿の外へ逃してくれたんだ…あ、あに様達は切られて捕まって…それで…俺は…逃げて…今ようやくここにいて…」
え?モルガ軍が攻めてきてる!?どうして!!?
レピさんはずっと黙って考えてから、フゥと息をかけて緑色の鳥を出した。
「なるほど。ピーター国王達に知らせて遠軍を呼びます。騎士団の内二人はこの事をすぐに近くの同盟国に報告を」
「ハッ!!」
そうレピさんは騎士団達に言い私とハウライト兄様に
「さて話を聞きましたね、チャンゲル花どころでなくなりました。ここは危険です。姫様達はロータス皇子と一緒に国へ帰ってください」
ロータス皇子はブンブンと顔を横に振り、
「い、いやだ!父様とはは様とあに様…あね様が…俺は、たすけたい!」
レピさんは眼鏡をくいっとしながら
「…おや、小さなサソリ達しか操れない皇子に何ができるのですか?」
「……道案内ならできる!このまま真っ直ぐいくとモルガ軍が囲んでいる!抜け道を知ってるから!だから…だから父様達を助けて!」
「大丈夫!レピさん、ハウライト兄様達すごくすごーく強いもん!だから、泣かないで?」
私は悔しそうに泣きそうになるロータス皇子の頭を撫でてるとまたロータス皇子は顔を真っ赤にしながら
「エメラルド姫って、可愛い上に優しいんだな!俺のおよめーっむががっ!?」
「はい、もうそこまでだよ。僕の可愛い妹にこれ以上近づかないでね」
「おい、皇子だろうがなんだろうがエメに触れんな」
「……僕のエメにあまりベタベタ触らないでくれる?」
「その件は未来のお義父さんである、このレピドライトを通してからにして下さい」
何か言いかけたロータス皇子を止めたレピさん、ハウライト兄様、ブラッドやリビアはロータス皇子に何やら言っていた。
ロータス皇子はプルプルとサソリを抱き抱えながら震えながら
「モ、モルガ軍より怖いかも!」とサソリ達にひっそりとつぶやいていた。
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