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へっぽこ姫の仲良し作戦⑨ 九章 恋愛編
気まずい時こそマシュマロさ!
しおりを挟む「あの方が精霊様達に愛されてるオドントクロッサム国のプリムラ王子よ!素敵だわ!」
「次期国王と期待もされてるんですって!」
「とても強くて優しくて、でも可愛いらしい笑顔が素敵だわ❤︎」
もう女子生徒達はみんなプリちゃんに釘付けで、この半端ないフェロモン?は間違いなく私の師匠アザレア王妃似と顔つきはパパさん似になったかなと思う。プリちゃんとリン嬢と私は同じクラスとなったけど、プリちゃん凄く女子生徒に人気過ぎて、中々お話しできない状態だった。
「エメラルド姫様はプリムラ王子様とご友人でしたわよね?久しぶりにお話しされなくてよろしかったのですか?」
「大丈夫よ、時間が合えば会って話せるもの」
同じクラスの令嬢達がそう私に話してたけど、うーん、なんとなく気まずいようなそうでないような…知らない男の子になっちゃったみたいで少し寂しい気持ちがあるけど、あんなにカッコ良くなるのは喜ばしい事だよね。
「それよりも姫様の綺麗な髪を整えてよろしいかしら!?」
「ズルいわ!私もよ!」
クラスの女の子達は楽しそうに私の髪を結って遊んでいた。
「姫様!可愛らしいく三つ編みにしてみましたわ!ご覧くださいませ」
そう女の子が鏡を渡してくれて、私は鏡の中を覗き自分の髪型を確認していると、後ろで沢山の人達に囲まれているプリちゃんと目が合った。なんとなく私はパッと目を逸らしてしまったよ。
なんやかんやとお昼の時間がやってきた!学園ではきちんとみんなが食事できる大広間があるけど、私は行かない事にした。とにかく私は午前耐えた!耐え抜いたわ!もう…我慢できないもの!
私は足早で裏庭方面へ行こうとした時一人の男子生徒が私に声をかけてきた。
「あ!あの姫様!お、俺と…ら、ラン…」
「ごめんね!急ぎの用事があるの!」
男子生徒が声をかけてきたけど、私には大切な時間なのだ!
「「「…何、姫様に軽々しくランチを誘おうとしてるんだ!?」」」
エメラルドに声をかけた勇気ある男子は、生徒達にそう注意されたのをエメラルドは知らない。
ポカポカと太陽が照らし暖かい…。うん、ここの学園の裏庭は誰も来ない気配だし素敵!!さて、私は昼食をゆっくり食べよう。
「ふふ、サンドイッチと…マシュマロマフィン!注意するアンがいないから、沢山食べれるもの」
そう、食べようとしていた時青い鳥が二匹私の所へやってきた。…この青い鳥は…プリちゃんのだ。
「エメ、ここでご飯を食べるの?」
そう声をかけてきたのは、やっぱりプリちゃんだった。
「うん、ここ誰も来ないみたいだからゆっくり出来るかと思って」
「そっか。隣いい?」
私はコクンと頷きプリちゃんは私の隣に座った。
「「…………」」
シンと静かになり、鳥の鳴き声が響いていた。
あれ?あれれ??……なんでこんなに気まずい雰囲気なんだろう?話…話をしなきゃ!!!まって、私達っていつもどんな話をしてたっけ??チラッと隣のプリちゃんを見ると、プリちゃんは気持ち良さそうに空を眺めていた。
とりあえず…何を話せば良いんだろう?元気してたかな?修行はどうだった?師匠やターボン達は元気?精霊の力をコントロールできた?ずっと手紙来なかったのは忙しかったかな?アザレア師匠と和解した?
沢山…沢山聞きたい事があるんだけど、隣にいる人は私が知っているプリちゃんじゃないみたいで…。
「えと…プリちゃん」
「ん?」
「…マ」
「うん?」
「マ、マシュマロマフィン、食べるかい??」
いや!マシュマロマフィンあげてどうするのよ!?もっと気の利いた話題あるはずでしょう!?お菓子あげて、わーい!とか、子供の時と一緒じゃん!
私がワタワタしていると、プリちゃんはクスクス笑いながら、ポケットから甘い香りがするチョコレートを私の口の中に入れた。
「…んぐっ。あ、チョコレート…」
「うん、エメは変わってないね」
チョコレート…相変わらず沢山、ポケットに入れてるんだ。容姿や雰囲気は変わったけど、やっぱりプリちゃんはプリちゃんだ。
私はマシュマロマフィンを半分こしてプリちゃんに食べさせたら、プリちゃんはビックリしたのか顔を赤くして固まっていた。
「うん、プリちゃんも変わってないね!」
とりあえず気まずかったけど、マシュマロのおかげでようやく昔のようにプリちゃんと仲良くなれそうだね。
キラキラと月のように輝くような銀髪に海のように深い瞳色。昔はぷにぷにとした頬っぺたで私よりほーんの少し背が小さかった少年は相変わらず、チョコレートが大好きで安心しました!
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