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へっぽこ姫の仲良し作戦⑦ 7章 フリージア国編
モルガの野望
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真夜中の夜、白い長髪姿の男モルガはワインを片手に持ち月を眺めながら溜息をだし、昔を思い出だす。
天涯孤独だった私にも、家族ができた。明るく元気な妻と、生まれたばかりの娘…。車で妻の実家へと向かっていたら事故に巻き込まれていた。
気づけば車の下敷きに、妻は娘だけでも助けようと外へ出していた。あぁ…助けなければ。ようやく…こんな私でも家族ができた。愛する妻ができた。可愛い娘ができた。
早く…帰りたい…。
目が覚めた瞬間、知らない世界。知らない自分と名前。私には親なんていないはずなのに、親だという奴らがいた。
ここは私の知ってる世界じゃない。
そんな時、学生で出会ったローズ嬢も私と《同じ》だった。最初は二人で、早くなんとか元の世界へ、と帰る夢を見ていたのに、、、彼女は変わった。
「っ気が狂ったか!?君は元の世界へ帰りたいと思わないのか!?本当の家族、お母さんやお父さんがいる、帰りたいと何度も何度も言っていたじゃないか」
金髪で美しい聖女と言われた彼女は私の目をジッと真っ直ぐ見つめてこう答えた。
「モルガ君…たしかに私は最初貴方と出会えて嬉しかったわ。同じ「日本」の…記憶を持っていた者同士だもの」
「私達の夢は共にあの日本へ…あの世界へ帰ることだろう!?私には…妻が…幼い娘がいるんだ…!!事故で妻は亡くなってしまったが…妻は娘を助けようと最後の力を振り絞ってっ…娘を…車の中から出してっ…きっと娘は妻の方の両親が引き取り面倒を見てくれてるはず!私だけでも早く娘の元へ…帰らないと!!」
「…モルガ君もその時もう既に亡くなったのよ?ねえ、《過去の記憶》に囚われないで。あくまでもそれは、前世というべきかよくわからないけれど、《今》を見なきゃ。前に進まなきゃっ…私ね、ピーター王子と出会えて本当にこの世界に生まれてきて…良かったと思ってるの。不器用だけど優しい彼をとても愛してるわ、大事なの。彼だけじゃない、この国もみんな…大事よ。だから、モルガ君、貴方も…」
彼女は優しい手を私に差し伸べたがパシッと強く振り払う。彼女は驚き私は彼女を睨んで
「こんな世界なんて…私は…認めない!帰りたいんだ!!」
あの女はこの世界へと染まってしまった。聖女と崇められて図に乗ってしまったんだ。
「残念だ……。もう私に話をかけないでくれ。私は私でやるべきことをするだけだ」
一緒に共に帰ろうと語っていた、友人だった彼女をおかしくしてしまったのは、ピーター王子のせい。この世界は狂っている。魔術やら、なんやら馬鹿げている。
「……そんなもの…壊せばよいか」
神なんていない。こんな世界へ私を閉じ込めたのが神なのであれば、恨んでやるっ!私が神に近い事をしてやる。
私だけが絶望するなんて許せない。みんないなくなればよい。絶望感が沢山あればあるほど、闇の力は強くなり、そしてその力で元の世界へ戻れる可能性があるかもしれない、神に近い力を手に入れろれる。その時生きている娘に会える。娘と会えるならば、この世界の誰が死のうなんぞ、関係ない。
「…………みどり…早く父さんが会いにいくからな……」
そうモルガは月を眺めながら、呟いていた。
天涯孤独だった私にも、家族ができた。明るく元気な妻と、生まれたばかりの娘…。車で妻の実家へと向かっていたら事故に巻き込まれていた。
気づけば車の下敷きに、妻は娘だけでも助けようと外へ出していた。あぁ…助けなければ。ようやく…こんな私でも家族ができた。愛する妻ができた。可愛い娘ができた。
早く…帰りたい…。
目が覚めた瞬間、知らない世界。知らない自分と名前。私には親なんていないはずなのに、親だという奴らがいた。
ここは私の知ってる世界じゃない。
そんな時、学生で出会ったローズ嬢も私と《同じ》だった。最初は二人で、早くなんとか元の世界へ、と帰る夢を見ていたのに、、、彼女は変わった。
「っ気が狂ったか!?君は元の世界へ帰りたいと思わないのか!?本当の家族、お母さんやお父さんがいる、帰りたいと何度も何度も言っていたじゃないか」
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「モルガ君…たしかに私は最初貴方と出会えて嬉しかったわ。同じ「日本」の…記憶を持っていた者同士だもの」
「私達の夢は共にあの日本へ…あの世界へ帰ることだろう!?私には…妻が…幼い娘がいるんだ…!!事故で妻は亡くなってしまったが…妻は娘を助けようと最後の力を振り絞ってっ…娘を…車の中から出してっ…きっと娘は妻の方の両親が引き取り面倒を見てくれてるはず!私だけでも早く娘の元へ…帰らないと!!」
「…モルガ君もその時もう既に亡くなったのよ?ねえ、《過去の記憶》に囚われないで。あくまでもそれは、前世というべきかよくわからないけれど、《今》を見なきゃ。前に進まなきゃっ…私ね、ピーター王子と出会えて本当にこの世界に生まれてきて…良かったと思ってるの。不器用だけど優しい彼をとても愛してるわ、大事なの。彼だけじゃない、この国もみんな…大事よ。だから、モルガ君、貴方も…」
彼女は優しい手を私に差し伸べたがパシッと強く振り払う。彼女は驚き私は彼女を睨んで
「こんな世界なんて…私は…認めない!帰りたいんだ!!」
あの女はこの世界へと染まってしまった。聖女と崇められて図に乗ってしまったんだ。
「残念だ……。もう私に話をかけないでくれ。私は私でやるべきことをするだけだ」
一緒に共に帰ろうと語っていた、友人だった彼女をおかしくしてしまったのは、ピーター王子のせい。この世界は狂っている。魔術やら、なんやら馬鹿げている。
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「…………みどり…早く父さんが会いにいくからな……」
そうモルガは月を眺めながら、呟いていた。
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