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へっぽこ姫の仲良し作戦⑦ 7章 フリージア国編

ぷろぽーずの黄色いハンカチ

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闇に覆われていたフリージア国が無事助かり、ナグサ王は休む暇もなく、仕事をしながらレピドライトと二人で真剣な話をしていた。

「マシュマロ?ですか?何突然言ってるんではし。おやおや、また馬鹿げた…可愛い姫様でないんですから。やはり少し頭おかしくなりましたか?」

「なってなどおらん!私はいたって冷静だ!お前は昔からそうだ!」

「え?あぁ覚えてますよ。昔から、貴方は私に勝てませんでしたね。覚えてますか?ナグサ王よ、学生の頃貴方が失敗したあの例の件ですがー」

レピドライトが優雅にモーニングコーヒーを飲み、何故かこの国のナグサ王がレピドライトにへっぴり腰の様子なのは誰も見てはいないものの、明らかな上下関係がハッキリしていた。

「わわわわかってる!あの時は助かった!お前のおかげなのはわかっている!」

レピドライトは朝日を眺めながら微笑む。

「…さて…モルガが燃やしたというチャンゲル花は偽物だったようですね?貴方にしてはよくやりました。モルガも相変わらずお馬鹿さんなようで安心しました」

「しかし、、ピーターがまさか我が国にあるチャンゲル花を探して…しかも闇の力を抑える効果など、よくわかったものだ。あのリビアングラスの母であるデローザの情報だろう?彼女は凄い研究者だったな…。お前達から連絡きたときに、もしや反乱軍もくるのではないかと予想していたが的中だったな…もっと我が国が気づくべきだった…」

がっくりと肩を落とすナグサ王といつも通りのレピドライトはフゥともう一度ため息を出す。

「………ほとんどの他国はもう闇に落ちたと情報がきていました」

「なんと!!くっ…。悔しい。私は闇に食われそうだった。それを考えると…ピーター王の息子はどれほどアレに耐えてきたんだ…。」

「我が国王の息子ですからね」

「……ピーター王に伝えてくれ。もう近々…戦争になるかもしれん…と。スターダイオプサイト国を狙っている」

「…そうですね…彼はネチネチとした方ですから」

レピドライトはサンドイッチと一緒に置いてあるカラフルなマシュマロを見つめ、一つ手に取り考えていた。

「…ところでナグサ王、何故急にマシュマロの話になったのです?」

「え?あぁ、その件だが息子達とも話をしていてわかったことがある。何故かエメラルド姫が手にしたマシュマロを食べると…なんというか、、心落ち着いたのだ…レピドライトよ。あの子は…本当に何者なのだ?」

「え?天使ですよ。さてチャンゲル花のおかげか…天使のマシュマロのおかげか…ですね」

そうレピドライトは呟いてマシュマロを一口食べた。





「…んんっ」


目を覚ますと私とマシューは知らない部屋のベットに寝ていた。朝だ!!あの夜から、私はバタンと寝ちゃったみたい!

コンコンとドアが叩く音がし、部屋に入ってきたのはハウライト兄様だった。

「ハウライト兄様!怪我とかしてない?大丈夫?!」

私はすぐにベットへと降りてハウライト兄様にギュッと抱きしめて挨拶をした。ハウライト兄様から、このフリージア国は無事助かったと話を聞いた。

「え?ナグサ王は偽物のチャンゲル花を用意してたの?」

「うん、先に情報を聞き、直ぐに魔術で偽物のチャンゲル花を作ってたみたい。で、タイミングよく反乱軍の何人かがきたってこと。フリージア国民には特に危害はなかったけど、もしあのままナグサ王が闇の力に飲み込まれていたら危なかったかもね」

「そうなんだ…ロータス皇子の家族…無事でよかったね!!」

ミイラ姿はとても怖かったけど、でもよかった!

「あ!チャンゲル花!」

「うん、ナグサ王から貰ったよ。…ガーネットがこれでよくなるといいね」

「なるよ!ガーネット兄様よくなる!嬉しいね!チャンゲル花はサソリさん達が咲かせるって可愛いーよね!」

ニコニコとハウライト兄様に話をしていると、ハウライト兄様は私の頭を撫でて

「父上もガーネットも不在だから、僕がエメラルドを守ってあげなきゃと思ってたのに、すぐに離れて…無茶だけは駄目だよ?本当に心配をしていたんだ」

しょんぼりと悲しそうなハウライト兄様を見て、悲しませてしまった。心配させてしまったよ…。

「…うっ…ごめんなさい…」

「ま、お叱りはアンに任せるよ」

ニッコリそう私に笑顔を向けたハウライト兄様。あー、帰ったらアンに…叱られちゃうな。うん。でも悪いことしちゃったから…あぁ…アン…怖いだろうなあ。

私達は少し休み夕方に帰る準備をした。馬ではなく、ラクダさんだ!しかもこのラクダめちゃくちゃ足が速いみたい!まつ毛はとても長くて、脚の筋肉ムキムキがすごいね!

「ピーター王によろしくと伝えてくれ」

「皆様のおかげで本当にありがとうございました」

「「「ありがとうございます」」」

ナグサ王と王妃、そして皇子と皇女達が見送りにきてくれた。ロータス皇子はぴょこんとサソリさん達を肩に乗せて現れた。ロータス皇子はモジモジしながら、リビアの方へ向いて手を差し出した。そんなロータス皇子の行動がよくわからないリビアは首を傾げ、ロータス皇子はちょっぴり照れながら

「んっ!握手だ!!化け物とか言ってごめんっ。あの時、俺達を守ってくれてたから!」

「……えっと」

少しオロオロするリビアに私は

「リビア!ロータス皇子と仲良しさんなれたんだね!仲良しこよしの握手だね!」

そう声をかけて、リビアとロータス皇子は照れながら握手を交わした。ロータス皇子は私の方を見て頰を赤くしながら、黄色いハンカチを私に渡そうとした瞬間、ナグサ王は顔を青ざめて、王妃と兄達は

「あらあら、まあまあ!おませさんね!」

「ロー!お前大胆だなあ!」

と何故か賑やかで嬉しそうに話していた。一方で何故かレピさんは「モルガの前に我々と…戦争ですか?」とか呟いて、ハウライト兄様は…笑ってない!!無表情!あ、ガーネット兄様にそっくりだよ!それ!ブラッドなんかは慌てて

「な、俺だってまだなのに!」と騎士団達と共に騒いでいた。黄色いハンカチはなんだろう?リビアと私はよくわからないみたいで、お互い首を傾げる。あ!わかった!これは友情の印だね!

「リビア!ロータス皇子からの友情印だよ!」

そう私はロータス皇子から渡された黄色いハンカチをリビアの右腕につけた。そしたら、ロータス皇子は

「あわわわわ!違う!それはエメラルド姫にーモガッ!」

と、何か言いかけたところをナグサ王はロータス皇子の口を塞ぎ私とリビアに
「そ、それはだな、あのー友情の印だ!うむ!ではスターダイオプサイト国の皆!ありがとう!我が国は何かあればすぐに駆けつけるぞ!はははやく、レピドライトの視線が怖い…ではなく、丁重に送ってくれ!」とナグサ王は兵達に命令していた。

レピさんは、何故笑って、ハウライト兄様はご機嫌となった。ブラッドは何故かリビアに少し同情していた。

「ロータス皇子!私達お友達だね!また会おうね!」

「えっ!友達!ち、ちがっ…」

へへ、ロータス皇子嬉しくて固まっちゃってるよ!でもお友達増えて嬉しいし、リビアもお友達できて良かったね!!

「バイバイ!!フリージア国ありがとう!またねえ!!」

私は元気よく手を振って、スターダイオプサイト国へと帰っていた。


ラクダ達に乗るエメラルドの後ろ姿を見つめるロータス皇子は涙目で父であるナグサ王に
「父さま!何故邪魔するんだ!?せっかく求婚したのに!しかも黄色いハンカチは絶対的なものなのに、俺リビアングラスに求婚したことになったじゃないか!」

「……ロータスよ。私はこの国を守らなければならんからな!」

「…????」





ラクダ達に砂漠から森林地帯まで送ってもらい、私達は馬車へとまた乗った。マシュマロお菓子を食べて、また少し眠くなっちゃったなあ…マシューなんてお腹丸出し無防備のまま寝ちゃってるよ。

「エメラルド眠い?お昼寝しようか?」

クスクスと笑うハウライト兄様に、ちょっと甘えようと寄り添って私は考えた。


そう、二つ気になることがあるな。

一つ目は

いや偶然かもしれないし。

気のせいかもしれないし。

空耳かもしれない。

モルガは言った。「みどり」って聞こえたんだよね。


「…みどり…」

「ん?緑?あぁ、ここの森の中は緑色が鮮やかで綺麗だね。さあエメラルド、疲れただろう?寝ていいよ」

「…うん」


みどり。

それは私の前世の名前なんだよね。


二つ目は


………アンに叱られるのが怖いよ。マシュマロ禁止令出されるのではないかとビクビクしています!




















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