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へっぽこ姫の仲良し作戦④四章 聖女編
聖女とはだれぞや!
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ルビーの体は一瞬で灰となり、チラチラと灰が舞い上がる。それをずっと黙って見上げるハウライトに、ツカツカと早歩きをしガッ!とハウライトの胸倉を掴むガーネットは、悲しいような傷ついたような顔でハウライトを真っ直ぐ睨む。
「……なぜっ…貴様は!!なぜ…っ!…なんで…!」
申し訳なさそうに静かな声でハウライトはガーネットを見た。
「……ガーネット…僕は…」
「…っ!少しでも!貴様を見直したのが間違いだった!!何故庇う!何故泣く!貴様の母親は…違うだろうが!」
「ガーネット…落ちつけ。ハウライトはハウライトで思うことがあるのだ…」
興奮したガーネットは自分を止めるピーターの手を振り払い
「父上まで!何故攻撃をしなかった!殺さなかった!!父上ならすぐ殺せたのに!なのになぜっ…!!…うっ…!」
「ガーネット!まさか右眼が痛いの?」
急に右眼を押さえて倒れこむガーネットにみんな慌てて、ハウライトは手を貸そうとするもののガーネットは
「私に触るな!!父上も…全員私に触るな!」
フラフラと右眼の痛みを抑えながら、一人で立ち去っていった。
「ガーネッ兄たま…!」
汗をダラダラと垂らし、右眼の痛みを抑えるガーネット兄様の後を追った。ガーネット兄様は私の方を見て、ただ黙って頭をポンと優しく撫でてから、後ろにいたリビアに
「……貴様も何企んでいるかわからんが……次会ったら殺すぞ」
「……ガーネット…だっけ。その右眼…さっきルビーが飲んだ闇の力と同じものが埋め込まれている。自我がどんどん無くなるよ。前にいったよね」
「だからどうした?そのくらいなんとかなる」
「……あまり負の感情を持ちすぎると…段々と闇に喰われるよ」
「ハッ!何故貴様がそこまでわかる?何を信じろと?」
リビアは自分の片方の目を触りながらガーネット兄様を見つめる。
「僕も同じだから…僕もいつか自我が無くなる」
え!?リビアもガーネット兄様みたいに何かされていたの?!!
「………」
「僕は自分だけが助かろうと思ってはいない。…エメが悲しむ事はしたくない。だから君を助けようと思ってる。大事なエメが泣くのは見たくないから。闇の力を緩和する薬を今探してまわっている…」
「リ、リビア…。それエメはじめてきいたよ?」
「うん、今言った。左右目が違うのもそれ…ガーネット…君のその右眼は…今何色なのかな…」
「……っ!!ふざけるな!」
ガーネット兄様はリビアを無視してスタスタとまた歩いていった。
「リビア…リビアの知ってることちゃんとパパ達にはなそ?エメ、リビアも痛い思いするのやだな…」
リビアは私の頬っぺたをぷにぷにと触りながら
「……悲しそうな顔をしないで欲しいな…ごめんね。もう行かなきゃ」
「え?またどこに!?一緒にさ!おくすり探そうよ!パパ達にそーだんしよ!?手をとりあってー」
ビュン!!と強い風が吹いた瞬間…リビアはもうその場からいなくなった…。また消えちゃったよ。
「ミャー…」
私はマシューをギュッと抱きしめた後、パパ達がきて何処か怪我がないかと聞かれた。アンも泣きながら、私をずっと探してたみたいでアンにごめんなさいと謝っていたところ、トルマリン伯爵…オーロラのパパが青ざめながら走っていく姿が見えた。
「リリアンヌ!ジョアンナ!オーロラ!」
「「「お父様!!!」」」
トルマリンは娘三人をギュッと強く抱きしめていた。
「あぁ…私が馬鹿だった。すまない。リリアンヌ、ジョアンナ、オーロラ…大事な娘達を…失うところだった…聖女なんてならなくていい…!無事でよかった!本当によかった」
「お父様が!いけないんですわ…オーロラばっ…かり!私は…私は…!」
「そうですわ!ぐすっ…聖女になれば…ほめて…ぐすっ、くれると…うあああああん!」
オーロラはただ静かに泣いて
「私……私はただみんなと仲良くご飯が食べたいです…ぐすっ」
そう呟いていた。
「エメラルド…大丈夫?」
「ハウアイト兄たま……兄たまも…大丈夫?」
「うん、僕は強いから大丈夫だ……よ…」
そう言い残してハウライト兄様は疲れてしまったのか倒れてパパに抱っこされてベッドへ運ばれていった。
建物はめちゃくちゃになり、化け物は現れ、国は大混乱になったが、小さな小さな天使が救ったと噂が広まっていた。
翌日
「狙い通り、我が国では聖女はもう出さないと決まりました
」
レピドライトがピーター国王に報告の結果の書類を渡す。
「…そうか…エメラルドを聖女にという声は意外となかったな」
「いや、姫様は天使なので違うと皆口を揃えて言うのですよ。当たり前ですけどね!それに聖女というか…実は一番声が上がっていたのはトルマリン家の子ではなく何故か謎の黒髪の美少女が騎士団と共に活躍していたみたいで、高評価でしたね」
「黒髪の美少女?だれだ…」
「ま、調べたら身元はすぐに分かりました。聖女候補でもなんでもありませんがね!なんというか…色々と子供ってやらかしますね」
「…?」
「ヘクシュン!!!」
「ブアットー!風邪?」
「姫様ブラッド君が風邪を引くわけないでしょう」
「…ユーディアライト俺だって風邪の一つや二つひくぞ」
あれから数日、ハウライト兄様は心労の疲れかぐっすり寝ていてガーネット兄様は右眼の痛みに堪えて塞ぎこんでいた。私は二人に庭で咲いていた赤い薔薇と青い薔薇を持ちブラッドとユー君と一緒にお見舞いへいった。
「そういえば聖女制度なくなったな」
うん、それ聞いた時ビックリした!!!原作とはもう違うよ!
「…ブラッド君…ぶふ!聞いてませんか?」
「…何が?」
「実は聖女として一番声が上がっていたのは、…ぷぷっ…騎士団と共に闘い、みんなを誘導していたそれは美しい美しい黒髪の美少女さんだったらしいですよ!!貴族の間でも今みんな彼女を探して…いや彼?ぶふ!ダメです!おかしい!あはははは!」
「……まじか…」
固まるブラッドに大笑いするユー君。
えーと…つまり…聖女は…ブラッド…になりそうだったみたい??ということでした。
ショックで落ち込むブラッドに、私はそっとマシュマロをあげた。
「うん!きれーだったよ!ブアット!」
ニッコリ微笑みながら褒めるエメラルドにさらに落ち込むブラッドだった。
「……なぜっ…貴様は!!なぜ…っ!…なんで…!」
申し訳なさそうに静かな声でハウライトはガーネットを見た。
「……ガーネット…僕は…」
「…っ!少しでも!貴様を見直したのが間違いだった!!何故庇う!何故泣く!貴様の母親は…違うだろうが!」
「ガーネット…落ちつけ。ハウライトはハウライトで思うことがあるのだ…」
興奮したガーネットは自分を止めるピーターの手を振り払い
「父上まで!何故攻撃をしなかった!殺さなかった!!父上ならすぐ殺せたのに!なのになぜっ…!!…うっ…!」
「ガーネット!まさか右眼が痛いの?」
急に右眼を押さえて倒れこむガーネットにみんな慌てて、ハウライトは手を貸そうとするもののガーネットは
「私に触るな!!父上も…全員私に触るな!」
フラフラと右眼の痛みを抑えながら、一人で立ち去っていった。
「ガーネッ兄たま…!」
汗をダラダラと垂らし、右眼の痛みを抑えるガーネット兄様の後を追った。ガーネット兄様は私の方を見て、ただ黙って頭をポンと優しく撫でてから、後ろにいたリビアに
「……貴様も何企んでいるかわからんが……次会ったら殺すぞ」
「……ガーネット…だっけ。その右眼…さっきルビーが飲んだ闇の力と同じものが埋め込まれている。自我がどんどん無くなるよ。前にいったよね」
「だからどうした?そのくらいなんとかなる」
「……あまり負の感情を持ちすぎると…段々と闇に喰われるよ」
「ハッ!何故貴様がそこまでわかる?何を信じろと?」
リビアは自分の片方の目を触りながらガーネット兄様を見つめる。
「僕も同じだから…僕もいつか自我が無くなる」
え!?リビアもガーネット兄様みたいに何かされていたの?!!
「………」
「僕は自分だけが助かろうと思ってはいない。…エメが悲しむ事はしたくない。だから君を助けようと思ってる。大事なエメが泣くのは見たくないから。闇の力を緩和する薬を今探してまわっている…」
「リ、リビア…。それエメはじめてきいたよ?」
「うん、今言った。左右目が違うのもそれ…ガーネット…君のその右眼は…今何色なのかな…」
「……っ!!ふざけるな!」
ガーネット兄様はリビアを無視してスタスタとまた歩いていった。
「リビア…リビアの知ってることちゃんとパパ達にはなそ?エメ、リビアも痛い思いするのやだな…」
リビアは私の頬っぺたをぷにぷにと触りながら
「……悲しそうな顔をしないで欲しいな…ごめんね。もう行かなきゃ」
「え?またどこに!?一緒にさ!おくすり探そうよ!パパ達にそーだんしよ!?手をとりあってー」
ビュン!!と強い風が吹いた瞬間…リビアはもうその場からいなくなった…。また消えちゃったよ。
「ミャー…」
私はマシューをギュッと抱きしめた後、パパ達がきて何処か怪我がないかと聞かれた。アンも泣きながら、私をずっと探してたみたいでアンにごめんなさいと謝っていたところ、トルマリン伯爵…オーロラのパパが青ざめながら走っていく姿が見えた。
「リリアンヌ!ジョアンナ!オーロラ!」
「「「お父様!!!」」」
トルマリンは娘三人をギュッと強く抱きしめていた。
「あぁ…私が馬鹿だった。すまない。リリアンヌ、ジョアンナ、オーロラ…大事な娘達を…失うところだった…聖女なんてならなくていい…!無事でよかった!本当によかった」
「お父様が!いけないんですわ…オーロラばっ…かり!私は…私は…!」
「そうですわ!ぐすっ…聖女になれば…ほめて…ぐすっ、くれると…うあああああん!」
オーロラはただ静かに泣いて
「私……私はただみんなと仲良くご飯が食べたいです…ぐすっ」
そう呟いていた。
「エメラルド…大丈夫?」
「ハウアイト兄たま……兄たまも…大丈夫?」
「うん、僕は強いから大丈夫だ……よ…」
そう言い残してハウライト兄様は疲れてしまったのか倒れてパパに抱っこされてベッドへ運ばれていった。
建物はめちゃくちゃになり、化け物は現れ、国は大混乱になったが、小さな小さな天使が救ったと噂が広まっていた。
翌日
「狙い通り、我が国では聖女はもう出さないと決まりました
」
レピドライトがピーター国王に報告の結果の書類を渡す。
「…そうか…エメラルドを聖女にという声は意外となかったな」
「いや、姫様は天使なので違うと皆口を揃えて言うのですよ。当たり前ですけどね!それに聖女というか…実は一番声が上がっていたのはトルマリン家の子ではなく何故か謎の黒髪の美少女が騎士団と共に活躍していたみたいで、高評価でしたね」
「黒髪の美少女?だれだ…」
「ま、調べたら身元はすぐに分かりました。聖女候補でもなんでもありませんがね!なんというか…色々と子供ってやらかしますね」
「…?」
「ヘクシュン!!!」
「ブアットー!風邪?」
「姫様ブラッド君が風邪を引くわけないでしょう」
「…ユーディアライト俺だって風邪の一つや二つひくぞ」
あれから数日、ハウライト兄様は心労の疲れかぐっすり寝ていてガーネット兄様は右眼の痛みに堪えて塞ぎこんでいた。私は二人に庭で咲いていた赤い薔薇と青い薔薇を持ちブラッドとユー君と一緒にお見舞いへいった。
「そういえば聖女制度なくなったな」
うん、それ聞いた時ビックリした!!!原作とはもう違うよ!
「…ブラッド君…ぶふ!聞いてませんか?」
「…何が?」
「実は聖女として一番声が上がっていたのは、…ぷぷっ…騎士団と共に闘い、みんなを誘導していたそれは美しい美しい黒髪の美少女さんだったらしいですよ!!貴族の間でも今みんな彼女を探して…いや彼?ぶふ!ダメです!おかしい!あはははは!」
「……まじか…」
固まるブラッドに大笑いするユー君。
えーと…つまり…聖女は…ブラッド…になりそうだったみたい??ということでした。
ショックで落ち込むブラッドに、私はそっとマシュマロをあげた。
「うん!きれーだったよ!ブアット!」
ニッコリ微笑みながら褒めるエメラルドにさらに落ち込むブラッドだった。
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