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へっぽこ姫の仲良し作戦④四章 聖女編

子供のエメラルドと大人のエメラルド

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五歳になってフと気付いたことがひとつある。
「エメのかみの毛…少し金パチだ!」

薄い茶色の髪の毛は相変わらずだけど、少し毛の先が金髪になっている気がするんだけど気のせいかな??

「パパ!みて!エメのね、かみの毛金パチなってるの!」

パパとレピさんに髪の毛を少し見せたら、レピさんは不思議そうに話す。

「おや、毛先が金髪色になっていますね…元々姫様の髪の毛の色は亡き前国王様に似ていますからね」

ん?そうなの?!私だけ、どーもパパでもなくママに似ている髪の毛の色でもなく薄い茶色だから、実は私違う子ではないかと当初考えたていたなあ。要は祖父の髪の毛の色に似ていたのね!

「エメはおじいちゃん似!」

パパは無言でコクンと頷きながら私の頭を撫でてくれた。
「パパ!お仕事がんばって!エメもつおくなるため、おさんぽ沢山してくるね!」

そうパパとレピさんに手を振り私は部屋を出ていった。


エメラルドが走る後ろ姿を部屋から見守るピーターにレピドライトは話かけた。

「どういうわけか、エメラルド姫様の毛先がどんどんと金色になっているようですね。あのまま大きくなればローズ様に瓜二つ…
……聖女だった王妃が亡くなり、また世界は混乱に陥いると騒いでそれぞれの国はもう聖女を出しております」

「……聖女か…」

「…モルガは確実に我が国を攻めてきます。我が国だけではありません、他も。…癒しの光の持ち主は数少ないのです。そろそろ聖女を決めて国の安泰と繁栄、そして民に安心をさせるべきかと。
前国王カルセドニー様、貴方様の父君であるあの方も魔力がぼぼなかった一人の王ですからね。我がペリドット一族しか知らない秘密ですが魔力のない王でも素晴らしい王でした。そして……聖獣使いでもあります。…さて、エメラルド姫様は前王と同じく聖獣使いになるのでしょうか」

「…聖獣や精霊の力を貸してもらった者は選ばれた人間だけだ。エメラルドが聖獣と契約しているともう噂になっている。民だけでなく、モルガの耳にも届いているだろう……エメラルドを聖女と信じている民も増えている。悪い方へいかないで欲しいがな」

難しい顔をするピーターに隣立つレピドライトは

「姫様は聖女ではなく天使様ですけどね!……ピーター国王…宰相としての意見では早く聖女を決めて民を安心させるべきですね。エメラルド姫様が一番有力候補者となっております、魔力はないですが民に愛されており、聖獣との契約をしている姫となれば、今後の事を考えるとエメラルド姫様が一番かと思います。
ただ…友としての意見ですが……

聖女制度なんて、クソくらえですけどね!!」

「……なんだかお前はもう答えが決まっているようだな…企んでいる顔になっているぞ」

ニヤリと笑うレピドライトは自信満々に答えた。

「おや?そういう貴方も私と同じ事を考えているのではないでしょうか?」






3時のおやつにマシュマロとフレンチトーストをいただいた後私は一人で図書室で勉強をしていた。
分厚い本でもドンときなさいな!医療学はまだ難しい…やっぱり何をするにも魔力は絶対だなあ。ガーネット兄様の足は治ったけれど、肝心の右眼を治したいし種とやらを取り除きたい。それにはやっぱり

「……癒しの光…」

聖女になる者は癒しの光が強い。病や人々の病んでいる心を癒す力…。私のママもその一人だから、聖女とされていたみたいだし、ヒロインはまだ強い癒しの光の力に目覚めてないはずだけど…ヒロインがガーネット兄様の右眼を治してもらえないのかなあ。

「…エメじゃ…なんもできない…お歌をうたうことしかできない」

へっぽこをなんとかしないとなあー。ハウライト兄様にそろそろ剣を教えて欲しいとお願いしなきゃ!くよくよしては前に進まないからね!
よし!もっと何かわかりそうな本がないか探してみよ!

チクタクチクタク…

「とけいの針の…音?」

私は図書室の奥にあるドアがある事に気づいた。
少し古びたドア…お部屋があるのかな??

キィとドアを開けるとそこには古びた本が沢山並んであり、錆びれている時計が一つあった。

錆びれた時計だけど…周りには白いキラキラした光がぐるぐると回っていた。え?なんだろうこれ…。そっと錆びれた時計に触れるとピカッ!と光出した。

目を開けるとそこには…うん?別になんともない。なんともないけれど…凄い違和感感じる。

図書室の部屋へ出ていくと…お城の中だけど……だけどなんだろう。ここはお城だけど私の知っているお城ではないような気がする。

城内や町は何故か賑やかで歓声が聞こえる。

“新国王の誕生だ!“

“バンザイ!新国王バンザイ!“

「新国王ー??えー?」

私が知っている城のメイドや執事達ではない。知らない人達ばかりで、ウロウロしていると

「あら、ここにいた迷子さん」

振り向くと金髪の女性がニッコリと笑いかけてきた。
緑色の目で金髪でとても綺麗な女性。

「…ママ…?」

私はビックリしてその女性に声をかけてみたらクスクスその女性は笑いながら

「残念!私は貴女のママじゃないよ。似てるかな?」

「うん!エメのママに似てる!くりそつ!」

「…そっかあ。似てるか、ふふ、嬉しい」

違う?違うの?だよね、亡くなった人に会えるわけないものね?え、それにしてもママにそっくりだなあ。
ジーッと見つめていると、女性は優しく私を抱っこをしして歩きながら少し寂しそうに私の頭を撫でてくれた。

「さあ、貴女は帰らなきゃ」

「お姉たん、エメのしってるひと?なんかね他人じゃないみたいよ!」

「…ふふ、そうだね。他人ではないかな」

私達はお互い見つめあった。同じ緑色の目をしている…。髪の毛の色は違う…でも女性の毛先だけは私と同じ薄い茶色…あれ…なんだろう…もしかしてだけど…

ゴクリと唾を飲み込みながら私はおそるおそる私はお姉さんをみて

「……エメ???エメなの?」

大きくなった私?え?ここは未来?んなことあるわけないよね?ここは未来!?未来なら私は死んでない!ということは

「ねー!ガーネッ兄たまはお目目なおったの!?ハウアイト兄たまはヒロインと結ばれたの!?パパは!?パパやレピさん!あとあとブアットやユー君とかげんき?
プリちゃんや…リビアも!!みんな!みんなげんー…むにゅ…」

「慌てない慌てない。」

コツンとオデコを叩かれた瞬間私は一気に眠くなってきた。

薄っすらと意識がある中、大人になっている私は
「今起きた事は忘れてね、『エメラルド』マシュマロ食べてファイトだよ!」

そう笑顔で言っていた。…あれ?大人の私の隣に一緒にいる男性は誰だろう?優しくて大きな手が私の頬っぺたを触り

「久しぶりの小さなお姫様だね」

誰だろう。知らない男性がそこにいたけど、見たことあるようなないような…視界がボヤけてもうわからないや。無理、眠たくなっちゃった。

フワッとまた霧に包まれて光が放つ。

「運命に負けないようにね!」




「…さま!」

「ふあ?」

目を覚ましたら、アンが慌てて私を起こしていた。

「エメラルド姫様!こんなところでお昼寝はダメですよ!」

「……アンだ。…ん、エメねてたー。あれ?そこにあるお部屋は?」

「?図書室に部屋なんてありませんよ??さあ、風邪を引いてしまいます」

「んーもう少しねてたいー」

「あら、甘えん坊さんですね、どんな夢を見てたのですか?」

「んー……わすりた!たぶんマシュマロのね、夢だよ!だってうれしかった気がすうもん!」

「あらあら、姫様はマシュマロが好きですものね」


なんの夢かわからないけど、とても不思議な夢だったような、なんとなくマシュマロの夢っぽいからまあいっか!!


今日の夕飯はかぼちゃのシチューらしいので楽しみ!
私はガーネット兄様とハウライト兄様と手を繋いでパパの元へ行き楽しい夕飯を過ごした。
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