【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

アメリー 下克上編

ソフィア姉様が帰ってきた

「その片方の瞳は、ワイン漬けがいいかもしれない。その体つきも素敵、あぁ、ルチータ殿下を早く私の物にしたい」

ずっとルチータ王子の顔と体が欲しい欲しいと言ってるアイラさん‥‥。体と体をくっつけてとか、よくわからないけどルチータ王子は目が笑ってなかった。

何故かジェイコブお兄様は私の耳を塞ぎ聞こえないようにしてくれている。

「アメリーの前でなんて破廉恥な事を言うとは！聞いては駄目だ」

うん、ジェイコブ兄様ばっちり聞いてるけどよく意味がわからないから大丈夫だよ？

近くにいたルチータ王子はただ黙って聞いていた。アイラさんはニッコリと微笑みながら攻撃の手をあげ攻撃の合図をした。


「リリアン姫様は殺しても構わないわ！指輪を持ってるはずよ！あぁ、愛しいルチータ王子の顔は傷つけないでちょうだい」

そう言いながら、また更に数が多い弓矢が放とうとしたけれど、アル兄様が瞬時に弓矢を持っている人達をやっつけて凄い！

「ふあー！アル兄様はやっぱり強い。ソフィア姉様のお師匠様だもんねっ、うんうん！」


アイラさんは次々と倒すアル兄様を見てうっとりしていた。

「まあ、アルフレッド様も素敵ね‥‥」

そう見つめるアイラさんにアル兄様は不快な顔をしていた。

とはいえ、更にかなりの数がまた私達に剣を向かってきた。アル兄様は前に立ち、後ろにはジェイコブ兄様が、シリウス伯父様と他の騎士の三人は私とお姫様、ルチータ王子を守る体制で闘っていた。

「あはは！どんなに強くても人数には勝てないでしょう！？さあ、早くリリアン姫とルチータ王子を渡しなさい！」

そうアイラさんが高い声で笑っていた時


「あら、でも貴女の後ろはガラ空きよ」


「えっ‥‥？キャァ！痛い！痛い！髪を引っ張らないでちょうだい！」


「それは無理だわ」


アイラさんの髪を引っ張り地面に叩きつけて、次々と敵を倒していく白を基調とした制服を身に纏う女性騎士が先頭に立つと、後からきた騎士団達も続々と現れた。

ポニーテールで凛とした姿の女性騎士‥‥。
強くてカッコよく美しい自慢のお姉様。


「ソフィア姉様！！やった！ソフィア姉様だ！」

ソフィア姉様は私に微笑みかけ、後ろにいたジェイコブ兄様を見て少し複雑な顔をしていたけれど、ジェイコブ兄様とソフィア姉様は少しだけお互い微笑みあっていた。

ソフィア姉様はルチータ王子の方へ歩み寄り、膝まづいて挨拶をする。


「ホワイト国、騎士団第13番隊ソフィア・マカロン。ただいま戻りました」

「うん、手紙が届いて良かったよ」

ソフィア姉様は地面に落ちていた弓やを持ちながら話す。


「‥‥状況はなんとなく把握はしましたが、そこに隠れている方も敵でしょうか？」

ビュン！と木の上を狙って弓を放ったソフィア姉様。その時弓をかわし降りてきたのは、以前太陽教会近くで攫われた時馬車の中で会ったフードをかぶっていた怪しい青年だった。

「‥なんてことだ。ルチータ王子、俺の姉上を人質とは、ホワイト国の王子は本当に卑怯だねー？全然美しくないよ」


リリアン姫と同じ青い髪色で黄金色の瞳の青年とその周りには更に兵を引き連れていた。


フォース国の第二王子ヒューゴ王子だった。






塔に幽閉されていたアデライトは鉄格子がある小さな窓の外を眺めていた。


「‥‥‥つまらないわね」


そう呟いてた。