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残念な王子様登場

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「俺実はさ、前世の記憶ぁるらしいんだわ」

この黄金国の第1王子ジオ・クリード様。
金髪で青い目をしている見目麗しいお姿。
蝶よ花よと育てられた私はクリスティーナ・メアリー。

婚約者として挨拶をした瞬間私は恋に落ちて、いた。

恋に落ちていた。過去形です。

私と会った瞬間青い顔をして
「悪役の女!!メアリーじゃねえか!」


人を指差して無礼な言葉恋は一瞬で消えて終わりました。

「なあ、聞いてるか?俺の話!」

キャンキャン犬のように、うるさいその元婚約者さんは今日も私の屋敷に遊びにくるけど…なぜ!?

さてこのバカ王子。いや、ジオ様曰くこの世界は
ゲエム?の世界らしい。
前世の妹がやっていたという遊びのようです。

「確かゲームの名前はなんとかなんとか…いや覚えてないわ!でもな、あと5年したら、ヒロインがくるんだよ!ピンク色の髪をした女の子!その女の子をお前は、嫉妬で彼女をいじめて、断罪されんだぞ?
おい、クロ!その残念そうな目でみるなよ!
執事のクロも攻略対象なんだからな!」

ドヤ顔でクロに言ってもなにもしまらない雰囲気。


ジオ様の側にいるジオ様専属執事のクロは呆れた顔で
「そんなことより婚約者でもない方の所へ遊びにいくとなると、もう噂では貴方がたは恋仲となってると噂になっていますよ。」とため息をする。

そのヒロインが攻略対象?である男性方達と恋愛をするらしいわね。

「いや、まず何故私が嫉妬しなければならないのかしら?
恋仲…嫌だわ。それ。一番嫌な噂よ。

これじゃあ、私素敵な人と出会いができないじゃない。
ジオ様もう私のほうは放っておいでください。
うっとし…いや、迷惑です。」

ジオ様はしょぼんとした顔をする。
そしてまたニコッと笑い

「なんつーか思ってたやつでなかったし
一番一緒にいて安心するんだよなああ」


…なんだろう。黙ってれば本当にいいのに。

いや、公式な場では、きちんとされている。

どちらが、本当なのかしら…?
馬鹿なのかしら?

紅茶を飲みながら考えるメアリーは今日も優雅だった。

ジオ様は馬でなくデンシャに乗りたいと、わけわからないこというのでやはり、この方は馬鹿だと思うわ。
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