【完結】今世は我儘なぐーたら令嬢を目指します

一つ下の妹のキャンディは愛嬌は良く可愛い妹だった。

「私ね、お姉様が大好きです!」

「私もよ」

私に懐く彼女を嫌いなわけがない。

公爵家の長女の私は、常に成績トップを維持し、皆の見本になるようにしていた。

だけど……どんなに努力をしていても、成績をよくしていても

私の努力の結果は《当たり前》

来月私と結婚を控えている愛しい婚約者のアッサム様……

幼馴染であり、婚約者。とても優しい彼に惹かれ愛していた。

なのに……結婚式当日


「……今なんと?」

「……こ、子供が出来たんだ。キャンディとの」

「お、お姉様……ごめんなさい…わ、私…でも、ずっと前からアッサム様が好きだったの!お姉様を傷つけたくなくて……!」


頭が真っ白になった私はそのまま外へと飛びだして馬車に引かれてしまった。
私が血だらけで倒れていても、アッサム様は身籠もっているキャンディの方を心配している。

あぁ……貴方はキャンディの方へ行くのね…
真っ白なドレスが真っ赤に染まる。

最悪の結婚式だわ。

好きな人と想い合いながらの晴れ舞台……

今まで長女だからと厳しいレッスンも勉強も頑張っていたのに…誰も…誰も私の事など…

「リゼお嬢様!!!」

「……セイ…」

この声は我が家の専属の騎士……口も態度も生意気の奴。セイロンとはあまり話したことがない。もうセイロンの顔はよく見えないけれど……手は温かい……。

「俺はなんのために‥‥」

セイロンは‥‥冷たい男だと思っていたけど、唯一私の為に涙を流してくれるのね、
あぁ、雨が降ってきた。

目を瞑ると真っ暗な闇の中光が見え、
その瞬間、何故か前世の記憶を思い出す。
色々と混乱しつつも更に眩しい光が現れた。

その光の先へいくと……
目を覚ました瞬間‥‥

「リゼお姉様?どうしたんですか?」

「…え??」

何故16歳に戻っていた!?

婚約者になる前のアッサム様と妹の顔を見てプツンと何かが切れた。

もう、見て見ぬフリもしないわ。それに何故周りの目を気にして勉強などやらなければならいのかしら?!もう…疲れた!!好きな美味しいお菓子食べて、ぐーたら、したい!するわ!
よくわからないけれど……今世は好き勝手する!まずは、我慢していたイチゴケーキをホールで食べましょう!




24h.ポイント 134pt
10,303
小説 9,175 位 / 195,735件 恋愛 4,503 位 / 58,114件

あなたにおすすめの小説

マルフィル嬢の日々

夏千冬
恋愛
 第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。  それも王命により屋敷に軟禁状態。肉襦袢を着込んだ肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!  改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットを始めた。そして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することをスタート目標に、更生計画を開始する! ※こちらはアルファポリス様、小説家になろう様で投稿させて頂きました「婚約破棄から〜2年後〜からのおめでとう」の連載版です。タイトルは仮決定です。

【完結保証】婚約破棄されましたが、私は勘違いをしていたようです。

りーふぃあ
恋愛
「婚約破棄だ、リオナ・ファルゼンベルク。お前に王妃の座はふさわしくない」  婚約者であるレンバート殿下に婚約破棄された、公爵令嬢のリオナ・ファルゼンベルク。殿下のかたわらには成り上がり男爵令嬢のマリアナがはべっていた。信じられない。今までの私たちの関係はなんだったんですか?  呆然とする私に、隣国からの留学生であるロドリオットが声をかけてくる。 「よければ僕の国で過ごさないか?」  そんな言葉にリオナは頷き、新生活のために国境へと向かう。  一方、レンバート殿下の様子がなにやらおかしいようで……? ★ ★ ★ ※ご都合主義注意です! ※史実とは関係ございません。まったりお楽しみくださいませ!

本日より他人として生きさせていただきます

ネコ
恋愛
伯爵令嬢のアルマは、愛のない婚約者レオナードに尽くし続けてきた。しかし、彼の隣にはいつも「運命の相手」を自称する美女の姿が。家族も周囲もレオナードの一方的なわがままを容認するばかり。ある夜会で二人の逢瀬を目撃したアルマは、今さら怒る気力も失せてしまう。「それなら私は他人として過ごしましょう」そう告げて婚約破棄に踏み切る。だが、彼女が去った瞬間からレオナードの人生には不穏なほつれが生じ始めるのだった。

お望み通り、別れて差し上げます!

珊瑚
恋愛
「幼なじみと子供が出来たから別れてくれ。」 本当の理解者は幼なじみだったのだと婚約者のリオルから突然婚約破棄を突きつけられたフェリア。彼は自分の家からの支援が無くなれば困るに違いないと思っているようだが……?

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

ヒロインに悪役令嬢呼ばわりされた聖女は、婚約破棄を喜ぶ ~婚約破棄後の人生、貴方に出会えて幸せです!~

飛鳥井 真理
恋愛
それは、第一王子ロバートとの正式な婚約式の前夜に行われた舞踏会でのこと。公爵令嬢アンドレアは、その華やかな祝いの場で王子から一方的に婚約を解消すると告げられてしまう……。しかし婚約破棄後の彼女には、思っても見なかった幸運が次々と訪れることになるのだった……。 『婚約破棄後の人生……貴方に出会て幸せです!』  ※溺愛要素は後半の、第62話目辺りからになります。 ※ストックが無くなりましたので、不定期更新になります。 ※連載中も随時、加筆・修正をしていきます。よろしくお願い致します。 ※ 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。

魔力ゼロと判明した途端、婚約破棄されて両親から勘当を言い渡されました。でも実は世界最高レベルの魔力総量だったみたいです

ひじり
恋愛
生まれつき、ノアは魔力がゼロだった。 侯爵位を授かるアルゴール家の長女として厳しく育てられてきた。 アルゴールの血筋の者は、誰もが高い魔力量を持っていたが、何故かノアだけは歳を重ねても魔力量がゼロから増えることは無く、故にノアの両親はそれをひた隠しにしてきた。 同じく侯爵位のホルストン家の嫡男モルドアとの婚約が決まるが、両親から魔力ゼロのことは絶対に伏せておくように命じられた。 しかし婚約相手に嘘を吐くことが出来なかったノアは、自分の魔力量がゼロであることをモルドアに打ち明け、受け入れてもらおうと考えた。 だが、秘密を打ち明けた途端、モルドアは冷酷に言い捨てる。 「悪いけど、きみとの婚約は破棄させてもらう」 元々、これは政略的な婚約であった。 アルゴール家は、王家との繋がりを持つホルストン家との関係を強固とする為に。 逆にホルストン家は、高い魔力を持つアルゴール家の血を欲し、地位を盤石のものとする為に。 だからこれは当然の結果だ。魔力がゼロのノアには、何の価値もない。 婚約を破棄されたことを両親に伝えると、モルドアの時と同じように冷たい視線をぶつけられ、一言。 「失せろ、この出来損ないが」 両親から勘当を言い渡されたノアだが、己の境遇に悲観はしなかった。 魔力ゼロのノアが両親にも秘密にしていた将来の夢、それは賢者になることだった。 政略結婚の呪縛から解き放たれたことに感謝し、ノアは単身、王都へと乗り込むことに。 だが、冒険者になってからも差別が続く。 魔力ゼロと知れると、誰もパーティーに入れてはくれない。ようやく入れてもらえたパーティーでは、荷物持ちとしてこき使われる始末だ。 そして冒険者になってから僅か半年、ノアはクビを宣告される。 心を折られて涙を流すノアのもとに、冒険者登録を終えたばかりのロイルが手を差し伸べ、仲間になってほしいと告げられる。 ロイルの話によると、ノアは魔力がゼロなのではなく、眠っているだけらしい。 魔力に触れることが出来るロイルの力で、ノアは自分の体の奥底に眠っていた魔力を呼び覚ます。 その日、ノアは初めて魔法を使うことが出来た。しかもその威力は通常の比ではない。 何故ならば、ノアの体に眠っている魔力の総量は、世界最高レベルのものだったから。 これは、魔力ゼロの出来損ないと呼ばれた女賢者ノアと、元王族の魔眼使いロイルが紡ぐ、少し過激な恋物語である。

ご自慢の聖女がいるのだから、私は失礼しますわ

ネコ
恋愛
伯爵令嬢ユリアは、幼い頃から第二王子アレクサンドルの婚約者。だが、留学から戻ってきたアレクサンドルは「聖女が僕の真実の花嫁だ」と堂々宣言。周囲は“奇跡の力を持つ聖女”と王子の恋を応援し、ユリアを貶める噂まで広まった。婚約者の座を奪われるより先に、ユリアは自分から破棄を申し出る。「お好きにどうぞ。もう私には関係ありません」そう言った途端、王宮では聖女の力が何かとおかしな騒ぎを起こし始めるのだった。