とある少女の日記

5月3日

　結局、昨日はそのまま寝てしまったので今日また書く。頑張れ私。

　デート自体は順調だった。お店を見て、美味しいご飯を食べて、映画を見た。どこも高かったけど、それを打ち消すぐらいには楽しかった。勇気くんも優しくて、私が知らないお店に連れていってくれたりした。映画館で映画なんて初めて見た。

　そこまではよかった。そこまではよかった、でもそのあとにちょっといかがわしそうな道に連れていかれた。本当に気づけば、周りの風景が一変していた。吐きそうなほどのネオンの中にあるビルに手を引かれた。思わず手を振り払って逃げようとしたけどすぐにつかまってホテルの前にまたいた。そのあとのことはあんまり覚えてない。夜には家にいたからたぶんなにかをされたわけじゃないんだろうけど。

　それでもキスを無理やり迫られたことと、あのビルに連れ込まれそうになったことはいまだに覚えている。ラブホテルっていうらしい。

　あぁ思いだすだけで吐きそう。もう寝る。もう絶対に勇気君には近づきたくない。