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24】久しぶりのモンスター退治②
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24】久しぶりのモンスター退治②
明朝。私は誰よりも早く訓練場へやって来た。
今回、久しぶりのモンスター退治だ。相手は現状攻撃性の低い水スライムだとしても、油断は禁物。ことさら、騎士団長として、私は誰よりも集中して挑まねばならない。
(誰もけが人が出なければ良いが)
日が昇る前の肌寒さの中、気温が低く息を吐けば白くなった。
「……私は、アラン。騎士団長、アランだ」
すぅっ……、と目を閉じて深呼吸を一つ。城の中を歩く軽装ではない。毎日手入れを欠かしていない鎧を纏い。それから、レオ殿から頼まれた小さな小瓶首に掛け。私は他の団員たちが来るのを待った。
(何だか、レオ殿が近くにいる気がするな……)
そんなことを思ったのには、自分でも少しだけ驚いた。
*****
***
**
しばらくして、少しばかり日が昇り始めた頃。
私が昨日声をかけた団員たちが全員揃った。皆、訓練の時と違う表情を浮かべている。
「皆、揃ったな。今日はこれより、水スライム駆除任務へと向かう。昨日も話したが、個体での攻撃性は低くても数が多い。身の危険から、巨大スライムへと合体したら一気に危険度が上がる。皆、気を抜かないように!」
「「「「「はい!!」」」」」
それから私たちは一路、国を出た。文官殿とレオ殿から、スライムがいるという川へと馬を走らせた。見晴らしが良い川辺ならば、退治はしやすい。だが同時に、私たちの姿はスライムたちも見えてしまう。
「アラン様、見えてきました! って……多っ……!」
「うへぇ。川の水が、スライムに吸収されちまってる」
「多いとは聞いてましたが、アラン様。これ、多すぎませんか?」
「まずいな」
遠目に見ても変わるほどのスライムの大群。おまけに、その一体一体が大きくなりかけている。
「川の水が干からびては、作物に影響が出る。各自、川に到着次第近くにいるスライムから駆除していくこと! 合体した場合は距離を取れ!」
「「「「「はい!!」」」」」
川辺が近づき、馬の速度を落とす。互いの距離に気を付けながら、手綱を離し飛び降りた。
「馬を頼む!」
「任せてください!」
それからは、時間が経つのがすぐだった。
浅くなった川辺を、バシャバシャと水音を立てながら走る。足に透明なスライムがヌメりと纏わりついて、思わず眉に皴が寄った。
「ぐっ……、この!」
スライムには悪いが、数が多すぎる。少し残して……なんて余裕はない。全てを駆除した方が良さそうだ。それに水スライムは、自然発生する。また巡って生まれて来いと思いながら、握った剣を上から下へ振り下ろした。
一振り、二振り。きりが無いほど剣を縦横無尽に振り続ける。他の団員たちもそうだ。飛び散るスライムが身体を濡らしていく。鎧の隙間から僅かに入ったスライムが素肌に触れ、思わず小さな声を漏らしてしまった。
ピチャッ……! ヌロォッ…………。
「ふ……っ、ぅ゛……っ!♡」
その感触が、どこか自身の白濁で濡れた身体を思い出してしまった。
*******
明朝。私は誰よりも早く訓練場へやって来た。
今回、久しぶりのモンスター退治だ。相手は現状攻撃性の低い水スライムだとしても、油断は禁物。ことさら、騎士団長として、私は誰よりも集中して挑まねばならない。
(誰もけが人が出なければ良いが)
日が昇る前の肌寒さの中、気温が低く息を吐けば白くなった。
「……私は、アラン。騎士団長、アランだ」
すぅっ……、と目を閉じて深呼吸を一つ。城の中を歩く軽装ではない。毎日手入れを欠かしていない鎧を纏い。それから、レオ殿から頼まれた小さな小瓶首に掛け。私は他の団員たちが来るのを待った。
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しばらくして、少しばかり日が昇り始めた頃。
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「「「「「はい!!」」」」」
それから私たちは一路、国を出た。文官殿とレオ殿から、スライムがいるという川へと馬を走らせた。見晴らしが良い川辺ならば、退治はしやすい。だが同時に、私たちの姿はスライムたちも見えてしまう。
「アラン様、見えてきました! って……多っ……!」
「うへぇ。川の水が、スライムに吸収されちまってる」
「多いとは聞いてましたが、アラン様。これ、多すぎませんか?」
「まずいな」
遠目に見ても変わるほどのスライムの大群。おまけに、その一体一体が大きくなりかけている。
「川の水が干からびては、作物に影響が出る。各自、川に到着次第近くにいるスライムから駆除していくこと! 合体した場合は距離を取れ!」
「「「「「はい!!」」」」」
川辺が近づき、馬の速度を落とす。互いの距離に気を付けながら、手綱を離し飛び降りた。
「馬を頼む!」
「任せてください!」
それからは、時間が経つのがすぐだった。
浅くなった川辺を、バシャバシャと水音を立てながら走る。足に透明なスライムがヌメりと纏わりついて、思わず眉に皴が寄った。
「ぐっ……、この!」
スライムには悪いが、数が多すぎる。少し残して……なんて余裕はない。全てを駆除した方が良さそうだ。それに水スライムは、自然発生する。また巡って生まれて来いと思いながら、握った剣を上から下へ振り下ろした。
一振り、二振り。きりが無いほど剣を縦横無尽に振り続ける。他の団員たちもそうだ。飛び散るスライムが身体を濡らしていく。鎧の隙間から僅かに入ったスライムが素肌に触れ、思わず小さな声を漏らしてしまった。
ピチャッ……! ヌロォッ…………。
「ふ……っ、ぅ゛……っ!♡」
その感触が、どこか自身の白濁で濡れた身体を思い出してしまった。
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