【完結・BL】偽装カップルですが、カップルチャンネルやっています【幼馴染×幼馴染】

62】知らなかったクソデカ感情

62】知らなかったクソデカ感情

　北斗から初めて唇にキスされた。今まで頬にしていたような可愛らしいものじゃない。押し付けられた唇に、押し入ってきた舌先。全部がいつもと違っていて、北斗の中の雄を感じた。息苦しさの中に、熱を感じる。途中から耳に聞こえる水音が生々しくて、恥ずかしくなる。身体だって力が入らなくて、北斗にされるがまま。もしかして、このまま最後まで……？　と思っていると、ようやく北斗の舌が出て行った。だが北斗の手が俺の顎に触れる。なんだか口を開けろといっているように思えて、俺は呼吸の整わない口を開けていれば、最後に舌を出してプツリと透明な糸が切れるのが見えた。

（こんなのエロ過ぎるだろ……！）

ドキドキドキ。

今日一日で、俺の心臓は忙しい。蛍の時だって速くなって、急いで帰って来て速くなって。更にはこんなエロイ光景を見て、ドキドキしている。静かに呼吸を整えていれば、俺に覆い被さる北斗が口元を拭って言った。

「こんなことなら、圭の身体を俺無しじゃ駄目なくらいに抱いておけば良かった」

（え……ええ～～！？　何だよそれ。初めて知ったぞ）

俺を見下ろす眼差しに、雄味は残りつつ。これまた普段と違って冷たさを感じる。どこか北斗が怒っているのが分かったが、ここで怒るのはおかしくないか！？（むしろ俺の方が怒って良いよな？）まさかの北斗の様子に、俺の方は一気に冷静になっていく。そんな俺をよそに、北斗は言葉を続けた。

「誰にも圭を取られなくなくて、大学に入る前に俺だけの傍にいられるようにしたのに。カップルチャンネルなんてしておけば、皆が俺と圭が付き合っていると思って悪い虫がつかなくなると思ったのになぁ……変なメッセージも来るくらい、画面越しでも圭が可愛いのがバレちゃってたのか」

「北斗？」

（もしかして北斗、俺と違った意味でクソデカ感情を俺に持ってるな？）


「なぁ、北斗ってば」

「何？　ああ、ごめん。俺今いつもみたいに優しく出来ないかも」

「北斗。俺な、北斗がカップルチャンネルしようって誘ってくれた時、凄く嬉しかったんだぜ？」

「え、何で？　同性でカップルチャンネルなんて、圭嫌かもって思ったんだけど」

「分かんねぇの？」

「分からないよ。逆に今みたいに、圭に恋人が出来てチャンネル止めようって言われたらどうしようって思ってたくらいだし。俺ね、ずっと余裕無かったんだよ」

余裕があって、俺にこんなクソデカ感情を持っていないと思っていた北斗も、俺と同じだったんだ。冷静になった頭が、今度は嬉しいと思い始める。

「なぁ、北斗。俺もさ、北斗が俺とカップルチャンネルしてたら、北斗が恋人作らなくて嬉しいって思ったって言ったらどうする？」

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更新しました。お気に入りほか有難うございます！
あと、２，３話くらいで終われればなと思っています
次の話白紙ですorz