25 / 66
25】最近動画をアップしていないので②
しおりを挟む
25】最近動画をアップしていないので②
2時間後に、急だが久しぶりに生配信をすることになった。
ダボダボでヨレヨレの部屋着姿で映るには、やはり気が引ける。一旦部屋に戻って着替えるかと戻ったものの、以前の俺はどういう風に振舞っていたかと確認のために動画を見た。
『今日も北斗は恰好良いでしょ? 俺の自慢の彼氏なんだ♡』
(うわぁあああ……俺凄い顔してんな)
なんてことを言っていて、俺の願望がダダ漏れだった。勿論、配信のためのリップサービスが入っているが、隠せないのは表情だ。俺ってば、本当に北斗のことが好きなんだなと自分でも分かるような表情をしていた。同時に、北斗との温度差を感じる。
「しっかし……俺がこんな顔してても、北斗も気にしないんだもんな」
(やっぱり俺だけが北斗のことを好きなんだな)
はぁ……と、この不毛な恋に対して何度目かの溜息をついた。(100回以上はついてると思う)
(ずっと続くかなんて分からないし。ある日突然、北斗からもう止めようとか言われたら……──)
「はぁぁあ~~……」
色々と混じったクソデカ溜息。
好きにならなかったら楽だっただろうなと思ったが、好きになってしまったのだからしょうがない。この気持ちをどうする? と思ったところで、気持ちを押し殺すことは俺には出来なった。いや、勝手に心の奥で「俺は北斗が好きだ」と、気持ちが溢れてしまうのだから、頭で考えたところで結局意味なんて無かった。
「やべっ! その前に着替えて北斗と打合せしなきゃ」
ガバッ! とベッドから身体を起こし、とりあえず綺麗めな上着に着替え。再び北斗がいるリビングへ向かった。
「悪い、待たせた」
「大丈夫。まだ時間あるから……」
「?」
ふと俺の頭を見る北斗。どうしたんだ? と思っていると、同じくどうしたんだ? という様子で北斗が言った。
「圭、少し寝てた?」
「起きてたぞ?」
「ここ。少しハネてる」
カタン、と座っていた椅子から立ち上がり、俺の髪に触れる北斗。俺よりも高い身長で、「ここ」と俺の髪に触れるが、俺から見えるのは無駄に良い北斗の顔だけ。
「し……っ゛らねぇよ! 俺からは北斗の顔しか見えねぇし」
「ふーん」
「てか、離せよ。寝ぐせなおしてくるから」
「このままでいいよ」
「は?」
「圭が可愛く見えるから、このままで良いと思う」
「あー……ハイハイ。そうですか」
(可愛く見えるから、ねぇ……)
恋人設定の可愛い彼女みたいな感じなんだろうかと思いながら、北斗から視線を逸らした。
「……とりあえず、この可愛い寝ぐせの話とか。最近食べたご飯の話とかでちょっと配信程度でいこうか」
「分かった」
気持ちを切り替え。俺は器材を準備する北斗の邪魔にならないようにしながら、飲み物なんかを準備して北斗に渡した。
「ほら。っても、水だけど」
「嬉しいよ、圭。有難う」
「どういたしまして」
コップを渡す時に指が触れただけでも、俺の心臓はまたドキンと鳴った。
(やっぱり、俺ばっかりが好きなんだろうな)
*******
更新しました! お気に入り有難うございます(^^)
お気軽にコメント頂けると嬉しいです。
宣伝】Pixiv更新しました!
2時間後に、急だが久しぶりに生配信をすることになった。
ダボダボでヨレヨレの部屋着姿で映るには、やはり気が引ける。一旦部屋に戻って着替えるかと戻ったものの、以前の俺はどういう風に振舞っていたかと確認のために動画を見た。
『今日も北斗は恰好良いでしょ? 俺の自慢の彼氏なんだ♡』
(うわぁあああ……俺凄い顔してんな)
なんてことを言っていて、俺の願望がダダ漏れだった。勿論、配信のためのリップサービスが入っているが、隠せないのは表情だ。俺ってば、本当に北斗のことが好きなんだなと自分でも分かるような表情をしていた。同時に、北斗との温度差を感じる。
「しっかし……俺がこんな顔してても、北斗も気にしないんだもんな」
(やっぱり俺だけが北斗のことを好きなんだな)
はぁ……と、この不毛な恋に対して何度目かの溜息をついた。(100回以上はついてると思う)
(ずっと続くかなんて分からないし。ある日突然、北斗からもう止めようとか言われたら……──)
「はぁぁあ~~……」
色々と混じったクソデカ溜息。
好きにならなかったら楽だっただろうなと思ったが、好きになってしまったのだからしょうがない。この気持ちをどうする? と思ったところで、気持ちを押し殺すことは俺には出来なった。いや、勝手に心の奥で「俺は北斗が好きだ」と、気持ちが溢れてしまうのだから、頭で考えたところで結局意味なんて無かった。
「やべっ! その前に着替えて北斗と打合せしなきゃ」
ガバッ! とベッドから身体を起こし、とりあえず綺麗めな上着に着替え。再び北斗がいるリビングへ向かった。
「悪い、待たせた」
「大丈夫。まだ時間あるから……」
「?」
ふと俺の頭を見る北斗。どうしたんだ? と思っていると、同じくどうしたんだ? という様子で北斗が言った。
「圭、少し寝てた?」
「起きてたぞ?」
「ここ。少しハネてる」
カタン、と座っていた椅子から立ち上がり、俺の髪に触れる北斗。俺よりも高い身長で、「ここ」と俺の髪に触れるが、俺から見えるのは無駄に良い北斗の顔だけ。
「し……っ゛らねぇよ! 俺からは北斗の顔しか見えねぇし」
「ふーん」
「てか、離せよ。寝ぐせなおしてくるから」
「このままでいいよ」
「は?」
「圭が可愛く見えるから、このままで良いと思う」
「あー……ハイハイ。そうですか」
(可愛く見えるから、ねぇ……)
恋人設定の可愛い彼女みたいな感じなんだろうかと思いながら、北斗から視線を逸らした。
「……とりあえず、この可愛い寝ぐせの話とか。最近食べたご飯の話とかでちょっと配信程度でいこうか」
「分かった」
気持ちを切り替え。俺は器材を準備する北斗の邪魔にならないようにしながら、飲み物なんかを準備して北斗に渡した。
「ほら。っても、水だけど」
「嬉しいよ、圭。有難う」
「どういたしまして」
コップを渡す時に指が触れただけでも、俺の心臓はまたドキンと鳴った。
(やっぱり、俺ばっかりが好きなんだろうな)
*******
更新しました! お気に入り有難うございます(^^)
お気軽にコメント頂けると嬉しいです。
宣伝】Pixiv更新しました!
20
お気に入りに追加
139
あなたにおすすめの小説
貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話
タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。
叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……?
エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。
配信ボタン切り忘れて…苦手だった歌い手に囲われました!?お、俺は彼女が欲しいかな!!
ふわりんしず。
BL
晒し系配信者が配信ボタンを切り忘れて
素の性格がリスナー全員にバレてしまう
しかも苦手な歌い手に外堀を埋められて…
■
□
■
歌い手配信者(中身は腹黒)
×
晒し系配信者(中身は不憫系男子)
保険でR15付けてます
【完結】僕らの配信は――
ほわとじゅら
BL
大手ゲーム配信者(31)x若手ゲーム配信者(21) -
ゲーム配信を行う冬珈琲チャンネルの浅沂時生(あさぎときお)は、プロゲーミングチーム・キングスで準備生として活動していたが、2年目を迎えた今、ストリーマー部門で活動の幅を広げようとしていた。夢は登録者数90万以上の盤(ばん)とのコラボ。
一方、女優の妻を持つ勝ち組のゲーム配信者と呼ばれるまでになった盤こと来田誉史(こだよしふみ)は、大学時代からの友人に衝撃的な「ある告白」を打ち明ける。
配信者同士の一回り近くある年の差スローラブ。
やがて互いに出会い、ゆっくりと、ゆっくりと落ちていく物語。
※#は、本ストーリーの両者2視点です。 / ★は、リアルな配信アーカイブのエピソードです。
※R15性表現入ります。本作は完全フィクションのオリジナル作品です。
ストレスを感じすぎた社畜くんが、急におもらししちゃう話
こじらせた処女
BL
社会人になってから一年が経った健斗(けんと)は、住んでいた部屋が火事で焼けてしまい、大家に突然退去命令を出されてしまう。家具やら引越し費用やらを捻出できず、大学の同期であった祐樹(ゆうき)の家に転がり込むこととなった。
家賃は折半。しかし毎日終電ギリギリまで仕事がある健斗は洗濯も炊事も祐樹に任せっきりになりがちだった。罪悪感に駆られるも、疲弊しきってボロボロの体では家事をすることができない日々。社会人として自立できていない焦燥感、日々の疲れ。体にも心にも余裕がなくなった健斗はある日おねしょをしてしまう。手伝おうとした祐樹に当たり散らしてしまい、喧嘩になってしまい、それが張り詰めていた糸を切るきっかけになったのか、その日の夜、帰宅した健斗は玄関から動けなくなってしまい…?
パパと息子はとっても仲良し♡♡♡ ~可愛がりすぎには要注意???
そらも
BL
何事もほどほどが一番というお話です♪(絶対違う)
とあるお家に暮らしている、ご近所でも美形親子と評判のとってもとっても仲の良いパパさんと息子くんの日常の一コマ♡
ガチガチの父(四十代)と息子(高校生)の近親相姦のえろ話となっておりますので、どうぞご注意してくださいませ。激甘ラブラブな親子です♡
※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。
※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!
告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
週末とろとろ流されせっくす
辻河
BL
・社会人カップルが週末にかこつけて金曜夜からいちゃいちゃとろとろセックスする話
・愛重めの後輩(廣瀬/ひろせ)×流されやすい先輩(出海/いずみ)
・♡喘ぎ、濁点喘ぎ、淫語、ローター責め、結腸責めの要素が含まれます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる