37 / 53
■ベッドを買いに来たものの③
しおりを挟む
■ベッドを買いに来たものの③
ベッドを選ぼうにも、リタさんは俺とソラの違和感をスルーしてくれないらしい。
リタさんに、本当に何も無かったのと質問され。気になったことと言えば、一緒に寝るのを止めようと提案したくらいだと素直に伝えれば、リタさんがフンフンと考えた後に言った。
「ソラって案外と独占欲が強いタイプだったのね。今までそういう素振り見せたことが無かったから、全然知らなかったわ。恋って人を変えるのね」
「恋!?」
突然のワードに、今度は俺が驚いた声を上げた。
恋? 鯉とか来いとかじゃなくて、恋!? それは、つまりソラも俺のことを「そういった意味で」好きってことか?
俺の驚きと慌てように、リタさんが今度はしまったという顔をする。流石に人の色恋を先にバラすのは不味いと思ったんだろう。リタさんも少し慌て出して、俺の記憶を消そうとした。
「あら、やだっ。まだ二人は何も無かったの!? ごめんなさい、高見忘れて。そうだ、気絶するくらいにおでこをデコピンしようかしら?」
「待って下さい! ソラには言わないから! デコピンは無しで!」
記憶を無くには、物理が良いと思ったんだろうか。だが流石に、リタさんと言えど巨人。無事でいられる自信がない。迫りくる大きな指に身構えながら、「ソラには言わないから!」と叫べば「ならいっか」とリタさんの指が引いて行った。(良かった)
ちょっとした九死に一生だったかもしれない。
「ソラには本当に内緒よ?」
「言いませんよ。でも、本当にソラは俺のこと好きなんですか? そのっ……特別な意味で」
「え!?高見、気づかないの!?!?」
「いや……俺、結構そういうのに疎くて。それに、何か特別にしてもらってる気がしないから……小動物扱いなのかと……」
俺がソラに言わないことを約束すれば、ベッド選びから恋バナに変わってしまった。俺も、客観的に見てソラは俺に対してどうなんだ? と気になっている部分があったので、リタさんの意見は助かる。
「気にしてませんよ」という嘘くさい演技をしながら、本当にソラは俺のことを好きか? と遠回しに聞くと、リタさんが即答した。
「好きでしょ! だって、あの初めて市場に来た時も、絶対他の巨人に渡さないってオーラ気づかなかったの? 大人しいソラが、いくら高見のためとはいえ、わざわざ市場に来たのも半分は自慢したかったからね。私には分かるわ」
「ソラとリタさんって、付き合いが長いんですか?」
「まぁ、そうね。それなりに長いわね。それこそ互いに子供の時からの知り合いだから、腐れ縁みたいなものよ。変な関係はないから、気にしないで。ソラも私も互いに良い友達なだけだから」
「ははっ……」
「で? 私の見立てでは、100%ソラは高見のことを好きなんだけど、高見はどうなの?」
リタさんの言葉に、俺はどう答えるべきだろう?
*******
感想など頂けると嬉しいです…!
ベッドを選ぼうにも、リタさんは俺とソラの違和感をスルーしてくれないらしい。
リタさんに、本当に何も無かったのと質問され。気になったことと言えば、一緒に寝るのを止めようと提案したくらいだと素直に伝えれば、リタさんがフンフンと考えた後に言った。
「ソラって案外と独占欲が強いタイプだったのね。今までそういう素振り見せたことが無かったから、全然知らなかったわ。恋って人を変えるのね」
「恋!?」
突然のワードに、今度は俺が驚いた声を上げた。
恋? 鯉とか来いとかじゃなくて、恋!? それは、つまりソラも俺のことを「そういった意味で」好きってことか?
俺の驚きと慌てように、リタさんが今度はしまったという顔をする。流石に人の色恋を先にバラすのは不味いと思ったんだろう。リタさんも少し慌て出して、俺の記憶を消そうとした。
「あら、やだっ。まだ二人は何も無かったの!? ごめんなさい、高見忘れて。そうだ、気絶するくらいにおでこをデコピンしようかしら?」
「待って下さい! ソラには言わないから! デコピンは無しで!」
記憶を無くには、物理が良いと思ったんだろうか。だが流石に、リタさんと言えど巨人。無事でいられる自信がない。迫りくる大きな指に身構えながら、「ソラには言わないから!」と叫べば「ならいっか」とリタさんの指が引いて行った。(良かった)
ちょっとした九死に一生だったかもしれない。
「ソラには本当に内緒よ?」
「言いませんよ。でも、本当にソラは俺のこと好きなんですか? そのっ……特別な意味で」
「え!?高見、気づかないの!?!?」
「いや……俺、結構そういうのに疎くて。それに、何か特別にしてもらってる気がしないから……小動物扱いなのかと……」
俺がソラに言わないことを約束すれば、ベッド選びから恋バナに変わってしまった。俺も、客観的に見てソラは俺に対してどうなんだ? と気になっている部分があったので、リタさんの意見は助かる。
「気にしてませんよ」という嘘くさい演技をしながら、本当にソラは俺のことを好きか? と遠回しに聞くと、リタさんが即答した。
「好きでしょ! だって、あの初めて市場に来た時も、絶対他の巨人に渡さないってオーラ気づかなかったの? 大人しいソラが、いくら高見のためとはいえ、わざわざ市場に来たのも半分は自慢したかったからね。私には分かるわ」
「ソラとリタさんって、付き合いが長いんですか?」
「まぁ、そうね。それなりに長いわね。それこそ互いに子供の時からの知り合いだから、腐れ縁みたいなものよ。変な関係はないから、気にしないで。ソラも私も互いに良い友達なだけだから」
「ははっ……」
「で? 私の見立てでは、100%ソラは高見のことを好きなんだけど、高見はどうなの?」
リタさんの言葉に、俺はどう答えるべきだろう?
*******
感想など頂けると嬉しいです…!
16
お気に入りに追加
180
あなたにおすすめの小説
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
音楽の神と呼ばれた俺。なんか殺されて気づいたら転生してたんだけど⁉(完)
柿の妖精
BL
俺、牧原甲はもうすぐ二年生になる予定の大学一年生。牧原家は代々超音楽家系で、小さいころからずっと音楽をさせられ、今まで音楽の道を進んできた。そのおかげで楽器でも歌でも音楽に関することは何でもできるようになり、まわりからは、音楽の神と呼ばれていた。そんなある日、大学の友達からバンドのスケットを頼まれてライブハウスへとつながる階段を下りていたら後ろから背中を思いっきり押されて死んでしまった。そして気づいたら代々超芸術家系のメローディア公爵家のリトモに転生していた!?まぁ音楽が出来るなら別にいっか!
そんな音楽の神リトモと呪いにかけられた第二王子クオレの恋のお話。
完全処女作です。温かく見守っていただけると嬉しいです。<(_ _)>
子育てゲーだと思ってプレイしていたBLゲー世界に転生してしまったおっさんの話
野良猫のらん
BL
『魔導学園教師の子育てダイアリィ』、略して"まどアリィ"。
本来BLゲームであるそれを子育てゲームだと勘違いしたまま死んでしまったおっさん蘭堂健治は、まどアリィの世界に転生させられる。
異様に局所的なやり込みによりパラメーターMAXの完璧人間な息子や、すでに全員が好感度最大の攻略対象(もちろん全員男)を無意識にタラシこみおっさんのハーレム(?)人生がスタートする……!
魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。
柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。
頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。
誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。
さくっと読める短編です。
愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと
糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。
前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!?
「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」
激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。
注※微エロ、エロエロ
・初めはそんなエロくないです。
・初心者注意
・ちょいちょい細かな訂正入ります。
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
カクヨム、小説家になろうでも投稿しています。
悪役令嬢のモブ兄に転生したら、攻略対象から溺愛されてしまいました
藍沢真啓/庚あき
BL
俺──ルシアン・イベリスは学園の卒業パーティで起こった、妹ルシアが我が国の王子で婚約者で友人でもあるジュリアンから断罪される光景を見て思い出す。
(あ、これ乙女ゲームの悪役令嬢断罪シーンだ)と。
ちなみに、普通だったら攻略対象の立ち位置にあるべき筈なのに、予算の関係かモブ兄の俺。
しかし、うちの可愛い妹は、ゲームとは別の展開をして、会場から立ち去るのを追いかけようとしたら、攻略対象の一人で親友のリュカ・チューベローズに引き止められ、そして……。
気づけば、親友にでろっでろに溺愛されてしまったモブ兄の運命は──
異世界転生ラブラブコメディです。
ご都合主義な展開が多いので、苦手な方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる